国内に一台のみ!? 九州北部豪雨で活躍した「レッドサラマンダー」って?

レッドサラマンダー

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レッドサラマンダーは、なんとなく光岡自動車のオロチのライバルっぽい名称ですが、スポーツカーではありません。日本に1台しかないという全地形対応車の通称です。2013年3月より、総務省消防庁によって愛知県岡崎市消防本部に配備されています。
Chapter
レッドサラマンダー配備の経緯
レッドサラマンダー活躍の様子
レッドサラマンダーの主要スペック
レッドサラマンダーは入手することができるのか?

レッドサラマンダー配備の経緯

レッドサラマンダーは、2013年3月より愛知県岡崎市の消防本部に専用搬送車とともに貸与、配備されています。

導入の経緯は、2011年3月11日に発生した東日本大震災。津波被害地域には瓦礫が散乱、さらにあらゆる場所がぬかるんでおり、通常の消防車は出動できませんでした。そこで総務省は、今後の自然災害に備え、津波被害地域でも出動できる全地形対応車を導入しました。それがレッドサラマンダーです。

内陸部で津波被害を受けにくいこと、高速道路へのアクセスが良いこと、地理的に日本の中央であることなどが、愛知県岡崎市に配備された理由です。

レッドサラマンダー活躍の様子

2013年3月に配備されて以来、初めての出動となったのが2017年6月21日。愛知県内で大雨洪水警報時に出動し試験運用を行う旨が決定した直後、愛知県岡崎市額田地区への警戒出動を行いました。

そして2017年7月の九州北部豪雨では、大分県日田市で救命活動を行いました。

レッドサラマンダーの主要スペック

レッドサラマンダーは、シンガポールのST Engineering社が販売するExtremeVをベースにしています。もともと全地形対応追跡車の発展型で、困難地形での救急・救命・消防・輸送などのために開発されています。

2つの車両を連結し、タイヤの代わりにゴム製クローラーを装備し、通常の車両では侵入できそうもない地域での走破性能を高めています。

後車両は3種のモジュール(Cargo、Storage、Shelter)を取り替えて運用が可能。緊急時の救命医療具の設置や、傷病者を乗せたベッド状スロープなら4台まで搭載可能です。

日本に導入されたレッドサラマンダーでは、後車両を消防用にカスタマイズしてあり、取り替え可能かは不明です。

■車両寸法・重量
全長×全幅×全高:8,720mmx2,260mmx2,660mm
車両重量:約12,130kg
最小回転半径:8m以内

■乗車定員
前車両:4名(うち運転手1名)+後車両:6名

■エンジン性能
排気量:約7,240cc
最大出力:224Kw(304ps)/2,200rpm

■走行メカニズム
変速機:フルAT
ステアリング:油圧連接
タイヤサイズ:ゴム製キャタピラ

■他メカニズム
フロントに電動ウインチ装備

■走行性能
最高速度:50km/h
水中進入時速度:3~4km/h
最大登坂力:50%
最大安定傾斜角度:30%
乗越え可能な段差:0.6m
乗越え可能な溝幅:2.0m
侵入可能水深:1.2mまで
活動可能最低気温:-30℃

レッドサラマンダーは入手することができるのか?

レッドサラマンダーは、日本政府用カスタマイズ車なので、同じものを購入することは難しいでしょう。代わりにトミカがミニカーで販売しているので、そちらで我慢しましょうね。

しかしベースとなったEXTREMEVは、一般の特殊車両です。兵器としてもみなされないため、輸入・購入は可能と思われます。数年前には、日本の特殊車両を製造販売するモリタが見本市の自社ブースに展示していたこともあるようですよ。

運転するには戦車同様、大型車免許に加え、大型特殊免許(キャタピラ限定)を取得し、EXTREMEVを車検に通し、実際に走行する前に道路事務所へ各種届け出をしないといけませんから、かなりハードルは高そうです。

とはいえ実際に購入できれば、道交法の及ばない私有地でサバゲーの移動拠点にしたり、ビーチで移動式水陸両用海の家として運用したりと、活用方法はあなたのアイディア次第です。

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