4%アップ!?若者の車離れって本当?調査してみました

トヨタ プリウス

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なにかと若者のクルマ離れが取り沙汰される自動車業界。

しかし本当に若者のクルマ離れは進んでいるのでしょうか?

あるデータをもとに考えてみました。

※ 2017年7月時点
Chapter
若者のクルマ離れは進んでいるのだろうか?
データで見る若者のクルマ事情…
若者のクルマ所有のきっかけは意外にも…

若者のクルマ離れは進んでいるのだろうか?

高度成長期からバブルにかけて、クルマはある種のステータスシンボルであり、高級車、あるいはスポーツカーに乗る、というライフスタイルは憧れだったわけです。

しかしバブル崩壊後、世の中の価値観は急速に変化していきます。また地球温暖化が問題視されたのも時を同じくして、クルマの性能の基準も出力から環境へ、また大排気量から小排気量へのダウンサイジングという価値観が創出され、現在ではすっかり定着しているのではないでしょうか。

加えていえば、ICTの進歩により、若者のカルチャー、ライフスタイルも大きく変化しています。かつては遊びに繰り出すためにクルマが必須でしたが、現在ではSNS等で呼びかけて、集合するなど、ある種合理的(スマート化)がなされているとも考えられます。

つまり、維持費に過剰なコストのかかるクルマを所有する意義を感じない、という若者も増えているのは事実であり、こうした点もクルマ離れの一因とされています。

しかし、このようなライフスタイルは、交通インフラの成熟した都市部においてのみ成立するわけで、郊外、あるいは地方といった交通不便地域においてはやはり若者であれ高齢者であれ、クルマは必須アイテムです。

それでも相対的にクルマ離れという状況なのでしょうか?

データで見る若者のクルマ事情…

車の保有台数などのデータは総務省なども統計を出していますが、それ以上に興味深いリサーチを行っているのがソニー損保です。同社は毎年、「新成人のカーライフ意識調査」というものを行っており、新成人に免許の保有の有無、マイカーの保有の有無といったリサーチしています。

その調査によると、免許取得している新成人は、56.3%。今後取得予定という回答も合わせると、約70%の若者が免許を取得したいとしています。

また、都市部の取得率が44%であるのに対し、地方の取得率は60.6%と、想像通りの結果となりました。都市部でも地方でも、AT限定免許の取得率は圧倒的に女性が多くなっています。

さて、気になるクルマの保有率です。都市部では15.4%の方がすでに所有している、あるいは購入予定。地方では26.4%の方が所有している、という結果でした。

直近5年の数値は以下の通り。

2013年…15.2%
2014年…13.9%(1.3ポイント↓)
2015年…12.9%(1ポイント↓)
2016年…12.5%(0.4ポイント↓)
2017年…16.8%(4.3ポイント↑)

クルマを保有している新成人の率は、2016年まで緩やかな減少傾向にあったのですが、2017年は4ポイントUPしているという、興味深い結果になっています。この理由について気になるところですが、詳細は発表されていません。とはいえ、今後もこの推移はチェックしていきたいですね。

いずれにしても緩やかなクルマ離れは続いていた、というのは事実のようです。

※画像は若者にも高い人気のトヨタ プリウス

若者のクルマ所有のきっかけは意外にも…

ソニー損保の調べでは、クルマを保有している若者に対して、レンタカーやカーシェアリングの利用経験も調査しています。これが興味深い数値であり、なんとクルマを保有している若者の約40%はカーシェアリングを利用した経験があるとのこと。

やはりクルマの魅力は、乗って、使ってみなければわからないというところでしょうね。マイカーを駆逐していると指摘されるカーシェアリングも、じつはクルマの所有欲喚起につながっていたのかもしれませんね。

近年は、節約志向の若者が増えているとも言われています。ファストファッションの充実や、スマホなどデータ通信も廉価のものが多く出てきているのもその証左です。

そうした意味では、やはり緩やかな若者のクルマ離れは続くと想定されますが、しかし相変わらずクルマの魅力に触れ、みずから所有するという若者も確実にいるというのが数値でも明らかになっています。

メーカーサイドは、若者向けのライフスタイルをイメージしたモデルを提案(bBやVOXYなど)。メーカーのファン獲得にも力を入れているようですが、それよりも安くて魅力的なモデルを用意するのが王道なのかもしれませんね。
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