タイヤは大きくて細い方がエコって知ってました?

エコカーにはエコカーのタイヤ事情がある

bmw i3

現在、どのメーカーもモデルのスペックを表記する際に重要視するのは「燃費性能」です。ハイブリッドモデルやクリーンディーゼル、ダウンサイジングターボエンジンなど、さまざまなパワーユニットで燃費性能を向上させており、苛烈な戦いが行われています。

エコカーモデルのタイヤをチェックしてみると、各モデルともいわゆる”エコタイヤ”を履いていることが多いと思います。こうしたタイプのタイヤは、固めの仕様となっており、グリップ性能を多少スポイルさせても、転がり抵抗を減らすものとなっています。

基本的に、エコカー等はハードなドライビングを行うわけでもなく、パワーユニットもほどよい性能となっていますから、過剰なグリップは与える必要がないともいえます。とはいえ、もちろんその性能のなかでのバランスは取れていますから、公道走行において過不足ないグリップ性能もあります。

そのグリップ力と転がり抵抗は、背反するものです。現在では、このタイヤにも工夫がみられているのです。

非常に細いタイヤを履いているBMW i3

新世代のEVモデルとしてBMWがリリースしたのが「i3」。価格、航続距離ふくめ、極めて現実的な数値を実現しており、なによりスタイリッシュで未来的なエクステリアも大きな魅力ですよね。

このi3の環境性能には、タイヤサイズにも秘密がありました。カテゴリー的には、コンパクトハッチバックモデルということになるのですが、なんとフロント、リアともに、19インチ(オプションでは20インチ)サイズのタイヤを履いているのです。

またその太さも面白いところで、フロント155/70R19、リア175/60R19と、軽自動車並みです。前後で太さが違うのは、リアにモーターを搭載し、リア駆動としているのでトラクションを得るためと考えます。

タイヤを細くするというのは、転がり抵抗を減らす効果があります。加えていえば、空気抵抗も太いタイヤより抑えることができるので、燃費性能・環境性能の向上には、きわめて有効な手段であるといえますね。かつてホンダがリリースしていた初代インサイトも、タイヤサイズが165/65R14という非常に細いものだったのをご存じの方もおられるのではないでしょうか。

ただ大径ホイールに扁平率の高いタイヤの組み合わせは、タイヤ接地面の変形が大きくなってころがり抵抗の増加をまねきます。そこでi3では、空気圧を高く設定、クルマが走るときに変形を少なくすることで、転がり抵抗を減らしています。

このタイヤの接地面は縦に長くなり、それなりの面積を保持していることも特徴です。

このように、近年のエコカーはエコタイヤのみならず、サイズにも工夫がなされているのです。

このタイヤは、ブリジストンが開発したもので、他メーカーでは製造されていません。

細いタイヤにはデメリットも当然あるが…

bmw i3

BMW i3はこのように細いタイヤが奢られているのですが、他方で0-100km/h加速わずか7.3秒ほどと、かなりの俊足モデルでもあります。そんなにパワフルなのに細いタイヤでは心許ない…と思われるかもしれませんね。

確かに、ファットなタイヤにすればもっと路面との食いつきは良くなるのは事実ですし、ブレーキ性能含め走行性能自体は向上するかもしれません。しかしそうするとせっかくのEVモデルという環境性能の良さ、なにより懸念となる航続距離性能がスポイルされてしまいます。

その点を考慮し、うまくバランスを取ったセッティングになっているのです。またブレーキ性能に関していえば、EVには回生ブレーキ装置が付いており、これはエンジンブレーキ以上に強力に効くものです。またタイヤは細いものの、車幅は車幅は1,775mm、トレッドは1,571mmほどとかなり広く仕上げられているので、旋回時の安定性も担保されているといえます。

今後、EVモデルは続々マーケットに投入されるでしょう。既存のガソリンモデルと違う価値観が要求されるEVだけに、今後はBMW i3同様、細いタイヤを履くモデルが増えていく可能性は少なくありません。

しかしそのためには、専用の大径ホイールが必要ですし、タイヤも現在はi3専用になっているので、どうしてもコスト高になっています。このあたりのスケールメリットを高めることが、現在の課題なのかもしれません。

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