九島辰也が灼熱のアブダビで試乗【後編】ミシュランPassion Days

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ミシュランが世界のメディア関係者等を招待し、主催した「MICHELIN PASSION DAYS」。九島辰也が灼熱のアブダビで試乗した。
Chapter
なぜミシュランはサーキット専用タイヤの試乗プログラムを用意したのか?
市販車とは異次元、レーシングカーの世界
ミシュランが日々何をしているのかを体感するイベントであった

なぜミシュランはサーキット専用タイヤの試乗プログラムを用意したのか?

これまでに何十回、いやもう2百回以上海外でクルマのイベントに参加してきた。そのほとんどが日本に導入される前の新型車を一足お先にインプレッションするものがメインだ。 

ステアリングを握るのはいつも“市販車”であり、主催するメーカーの思惑も、メディアを通じて新車の魅力を消費者へ伝える事で販売へ貢献させる事が目的の場合が多い。

ところが、ミシュランのイベント“Passion Days”では、市販タイヤ以外にもレースでのみ使用するスリック(競技用)タイヤの体験走行もあった。

ご存知のとおり街のタイヤショップでは扱ってはいない。では、なぜミシュランはそういったプログラムを用意するのか。

ひと言でいえば、ブランディングである。ミシュランガイドでも知られるこの会社は、我々の想像以上に幅広くタイヤを開発し世に送り込んでいる。それだけ、タイヤのスペシャリストだということだ。

自動車メーカーはレースを“走る実験室”と例え、新型車の研究開発に役立てている。

なので、これと同じようにタイヤメーカーもまたレースでの経験を市販タイヤに活かしているのは不思議なことではない。

市販車とは異次元、レーシングカーの世界

ということで、パイロットスポーツ4Sを履いたゴルフ Rの次は、ルノークリオのカップカーを駆った。

車体はまんまヨーロッパのワンメイクレースで使われるシロモノだが、インストラクター用に助手席が付いているのがオリジナル。きっとこういったイベント用に彼らがカスタムしたのだろう。
 
でもってこれを走らせると、市販のタイヤとはまったく違うことを体感できる。

スリックタイヤ特有の溝がないタイヤは粘着力があり、路面へ貼り付く。熱を持つとさらにそうで、グリップ力の高さはグングン上がるのがおもしろい。

きっと周回を重ねれば重ねるほどタイムは速まるに違いない。まぁ、コースに慣れてくるってこともありますがね。
そんなスリックタイヤを体験したあとは、なんとシングルシーターのフォーミュラマシンが目の前に現れた。

F4と呼ばれるそれは、フォーミュラのエントリークラスで、FIAが認定するカテゴリーだ。
と、ここで勘のいい方ならおわかりのように、インストラクターは同乗しない。というか、できない。

なんたってシングルシートなのだから、思う存分走ってくれ!といわんばかりだ。

もちろん、先導車がいてインストラクターがバックミラー越しにこちらを見ている。その意味ではジェントルな走りの領域から逸脱できないのは言わずもがなだ。
とはいえ、初めてのフォーミュラでムリなどできない。クルマの挙動、風の感じ方と煽られ方はハコ車とは別モノ。

しかもエンジンのセッティングはかなりピーキーで、回転は常に高めでキープしないと失速してしまう。いやはや特異な乗り物である。正直タイヤのパフォーマンス云々なんて語れる状況じゃない……。

ミシュランが日々何をしているのかを体感するイベントであった

なんて感じのミシュランのイベントは、まさに彼らが日々何をしているのかを体感するのに十分な内容であった。市販タイヤだけではわからない奥の深さを感じる。

ちなみに、このイベントのタイトルは“Passion Days”。まさにパッション(情熱)をいっぱい感じた日となったのは、ご想像の通りである……。
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