アイポイントが高いクルマのメリットとデメリット

ホンダ ステップワゴン スパーダ

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2017年現在人気のSUV、各社こぞってニューモデルを投入している最も刺激のあるカテゴリーといえるでしょう。また、安定した人気のミニバン。こうしたモデルのメリットとして、「アイポイントの高さ」による運転のしやすさが挙げられます。しかし、本当にメリットだけなのでしょうか?

Chapter
アイポイントの高いクルマは本当に運転しやすいのか?
意外に大きい「死角」に注意が必要!
走行性能にも影響がでることも…

アイポイントの高いクルマは本当に運転しやすいのか?

現在SUVが市場を賑わしていますね。多少の悪路でもものとしない走行性能、広い居住空間、そしてスタイリッシュなエクステリアデザイン…こうした要素を満たしたSUVの人気は当分続くでしょう。

さておき、SUVやミニバンに乗った印象として「見通しが良いから運転しやすい」という声をよく聞きます。こういったモデルは、通常のセダンタイプよりも着座位置が高く、運転時の視点=アイポイントが高くなり、見通しが良くなるわけです。

反対に、SUVやミニバンが多い現在の道路では、セダンやスポーツカーは、渋滞などでは壁に囲まれるような状況になっています。この点からみれば、着座位置が高いクルマは運転がしやすいと感じるでしょうし、ストレスも軽減されるかもしれませんね。

とはいえ、着座位置が高いことはメリットだけではありません。

意外に大きい「死角」に注意が必要!

居住空間重視のために、ボンネットを短くデザインしているミニバンに対して、SUV系はしっかりボンネットが存在します。いわば通常のクーペ・ハッチバックモデルをリフトアップしたようなレイアウトになっているといえます。こうした場合、通常のセダン系よりもドライバーからの死角が増えてしまいます。

人気SUVモデルを多数輩出しているトヨタが「SUVタイプの死角」という興味深い検証を行っています。

ランドクルーザープラドを例に、ドライバーの目線から各方向にどれだけ死角が生まれるかを検証しています。その結果は

・前方…4.15メートル
・左側…6.70メートル
・右後方…2.40メートル
・後方…12.65メートル

となりました。通常のモデルよりもSUVタイプの死角が大きいことを如実に表しています。さらに、実際の使用環境ではボディそばの死角になる高さも考慮に入れなければなりません。

アイポイントの高さから遠方の見通しが良くなるので、高速道路などでは運転がしやすいと感じるのは事実です。しかし他方で、クルマの足元の死角が増えるというのがまぎれもない事実です。

停車していた場所から発進する際は前方、側方などに充分気を配ることが要求されます。ましてスクールゾーンの近くなど、子供たちが多く通行する場面では細心の注意を払うことが重要ですね。これはすべてのクルマにいえることですが…。

走行性能にも影響がでることも…

死角が多いことに加えて、走行性能にもデメリットが発生します。車高が高いということは=重心の高さともいえるので、車高の低いクルマよりもコーナー時にロールが大きくなってしまいます。もちろん、現在のモデルは極力低重心化による走行安定性を狙っていますし、電子デバイスで旋回性・安全性を確保しています。

しかし物理的にみれば、運動性能をスポイルすることに変わりなく、ワインディングなどを走る際は、アイポイントの高さというのはプラスには働かないともいえます。実際、SUVやミニバンでワインディングや高速のICなどのコーナーに入って「なんとなく心もとないな」と感じた方は多いかもしれません。

もちろん、足回りをカスタマイズすることでかなり改善されますが、それでもスポーツモデルとは比較対象にならないでしょう。

SUVやミニバンは、そうしたステージで速く走るためのクルマではないので、スポーツカー的な性能を犠牲に成り立っているパッケージでもあります。電子デバイスが進化しても、安全運転で洗練された走りを楽しみましょう。
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