エンジンオイルによる走りの違いは体感できるのか?

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クルマの維持・メンテナンスで最も頻繁に行うのが、「オイル交換」でしょう。カー用品店では、メーカー、価格ごとに様々な商品があるため、よくわからないという方も多いかもしれません。このエンジンオイルによって、走りの違いは実際に体感できるのでしょうか?

Chapter
まずは「粘度」からチェック!
クルマと乗り方に合ったオイルを選ぼう
全合成油を使用すべきでないケースも…

まずは「粘度」からチェック!

オイルには、様々な仕様があり、選ぶ際には、まず「粘度」からチェックしましょう。

2017年現在、ハイブリッドエンジンは、0w-20という非常に粘度の低いオイルがメーカー指定になっています。

ちなみにこのオイルの数値にある「W」はWinter=冬のこと。前半の数字は冷えた状態での粘度の数値で、0であれば零下35度まで、10は零下25度まで使用可能です。この数値が低い方が、エンジン始動時の負荷が小さく、燃費にもプラスとなります。

またW以降の数字は、高温になった際(100℃)のオイル粘度を示しており、この数字が大きいほど、高温でもオイルが粘度を持っている、つまり固い、ということを示します。

0w-20というオイルは、低温でも高温でも粘度が低く、オイルによるフリクションロスが少ないのです。アイドリングストップやモーター走行時にエンジンがカットされるハイブリッドエンジン(油温が上がりにくい)等に適しているといえます。

ではこうしたエンジンに、15w-40というオイルを入れるとどうなるのでしょうか?

まず前半の数字が15ですから、冬場の雪の降るような環境では使えません。さらに後半の数字も40だと、相当に粘度が高い設計です。そうなるとフリクションロスが増えるため、燃費が悪くなりますし、エンジンを始動させた直後にふけ上がりが重くなることも体感できるでしょう。

クルマと乗り方に合ったオイルを選ぼう

環境性能が重んじられるようになった昨今では、固めのハイスペックオイルの取り扱いはカー用品店でも少なくなっているのが事実です。しかし、ハイパワーを持つターボ車などは、10w30~40あたりの固めのオイルが指定されています。こうしたオイルはやはり少々高額になっている傾向がありますね。

加えて言うならば、現在のエンジンに使用を推奨されるのは「全合成(100%化学合成)油」です。これは、ベースこそ鉱物油と同じものですが、原油から不純物を可能な限り排除し、分子構造を科学的に合成・精製したものになります。

また、現在の精密なエンジンに適したオイルであり、また上級グレードになるとさまざまな添加剤も入っています。そのため、エンジン内部の保護(洗浄効果)や、オイルが劣化しにくい、などのメリットがあります。

値段は鉱物油よりも上がりますが、現代のエンジンはオイルの性能を前提に設計されているものもあるため、少々値段が高くてもメーカーで指定された製品を使いましょう。

また、全合成油と鉱物油の中間である「部分合成油」というオイルが中間グレードの売れ筋品として多く展開されています。これは文字通り、鉱物油と全合成油をブレンドして製造されたオイルであり、性能・コスト面のバランスがとれているので、選んでいる方が多いのかもしれませんね。

前述のように、全合成油、それもハイグレードのものは様々な技術が投入されており、交換するとふけ上がりが良くなった、あるいは燃費が良くなった等体感できるでしょうね。

とはいえ、そういった事柄よりもキッチリ定期的に(季節がわりなどで)交換をすることが、値段以上に重要でしょう。

全合成油を使用すべきでないケースも…

旧車のオーナーは、固めの鉱物油を使っている方も多いようです。

これは、エンジンの設計が古く、ガスケットなどのパーツを化学薬品が痛めてしまい、オイル漏れなどに繋がってしまうという懸念もありますし、シリンダー内のクリアランスが現在よりも甘さがあるため、固めのオイルでないと圧縮が保てない、という事情があります。

また、10万キロ以上の過走行のクルマにも、指定より少し固めのオイルを入れると走りが良くなるということもあろうと思います。

非常に奥深いオイル。同じ車種に乗っている方と情報交換をして、安価でもフィットするオイルを探す、というのも案外楽しいものですよ。

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