車のエアバック、ここ30年でどれほど進化した?

エアバッグ

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2017年現在、クルマの標準装備となっている安全装備「エアバッグ」。ハンドルや助手席に配され、事故の際にはボンと膨らみ乗員を保護するシステムです。このエアバッグの歴史、進化について触れてみましょう。
Chapter
実は日本人の発明だったエアバッグ…
日本におけるエアバッグの先駆者(車)は…
エアバッグはどう進化した?

実は日本人の発明だったエアバッグ…

1963年、特許申請事務代行業のGIC(グッドアイデアセンター)を経営していた小堀保三郎氏が、航空機事故などの際に衝撃を緩和させて、生存率を改善させる装置として考案したのが、現在クルマに採用されているエアバッグの祖とされています。

当時はシートベルトの着用すらも法制化されていない時代で、エアバッグに使う火薬が消防法に抵触したこともあり、日本で着目されることがなかったといわれています。その後、1970年代にフォード、ゼネラルモーターズがエアバッグの開発を行いますが、高額であること、また誤動作による事故が発生したことなどの理由から本格的な普及とはなりませんでした。

市販車への採用は、1981年。メルセデスが最高級モデルSクラス(2代目W126型)にオプションとして用意しました。そしてこの安全技術を無償公開したことから、エアバッグは高級車を中心に普及して行くことになります。

日本におけるエアバッグの先駆者(車)は…

さて、国産車で最初にエアバッグを搭載したモデルは、1987年のホンダ レジェンドといわれています。初めは運転席のみ。オプション装備でした。

そして1989年、トヨタ セルシオ、日産インフィニティQ45が標準装備を開始。1990年代に急速に普及して行きました。

日本ではホンダが先鞭をつけたエアバッグですが、それゆえにホンダと関係の深いタカタ製エアバッグのリコール問題は非常に残念でもありますね。

ホンダ レジェンド(1990年)

エアバッグはどう進化した?

エアバッグは、火薬を使ってガスを発生させて急速に膨らませる構造となっています。1990年代に採用されたエアバッグの火薬には、「アジ化ナトリウム」が使用されていました。これは人体に有害な物質であるため、2000年代以降では採用されていません。

このように、材質面も進化を続けているのがエアバッグ。そして皆さんもお気づきのように、エアバッグはその塔載位置を増やすことによって、安全性能を進化させています。

初期エアバッグは運転席だけのものでしたが、2017年現在では下記のように塔載部位が多岐にわたっています。(一部モデルのみの仕様もあります)

・運転席エアバッグ
・助手席エアバッグ
・カーテンシールドエアバッグ
・ドアマウントカーテンエアバッグ(窓枠下部からサイドウインドウを覆うように展開)
・ニーエアバッグ(インパネ下部から膨らみ、乗員を正しい着座位置に保つ)
・シートクッションエアバッグ(衝突時にシート座面前部を押し上げ、腰部を固定)
・リアウインドウカーテンシールドエアバッグ
・後席エアバッグ、後席センターエアバッグ
・シートベルトエアバッグ(衝突時に肩ベルトの一部が膨らむ)
・ITSヘッド・エアバッグ(運転席および助手席の窓枠付近に装備、頭部を保護)
・ペルビスソラックスバッグ(運転席、助手席の背もたれ外側の底部に設置、腰椎や骨盤を保護)
・SRSベルトバッグ(後席シートベルトの幅が約3倍に広がって後席乗員を保護)

メーカー各社が長年にわたり事故をリサーチすることによって、乗員保護のためのきめ細やかなエアバッグ配置を行っています。1987年が日本でのエアバッグ元年とすれば、30年を経た2017年現在では多大な進化を遂げているといえますね。

とはいえ、廉価モデルには充分なエアバッグ装備設定がなかったりするのも事実です。一度、ご自身の愛車のエアバッグをチェックしておくと良いかもしれません。

エアバッグは事故の際の最後のセーフティーネット。とはいえ、まずは事故を起こさないためのドライビングを心掛けることが大事ですね。
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