いまさら聞けない!! マツダのロータリー神話ってなんですか?

ロータリーエンジン開発の苦心

マツダ ロータリーエンジン

世界初の実用化ロータリーエンジンは、日本のマツダではなく、西ドイツ(当時)のNSUヴァンケル社でした。1964年に同社が1ローターのヴァンケル スパイダーを販売。これが世界で初めてロータリーエンジンを搭載した量産車となります。

しかしその数年前、NSUは会社の規模が小さかったため、ロータリーエンジンのライセンスを販売することで開発を推し進めようとしていました。それに乗ったのが日本の東洋工業(マツダ)でした。

マツダは多額の資金をNSUに支払い、ロータリーエンジンを手にします。ところが、肝心のロータリーエンジンが届きテストを行なうと、短時間でエンジンブローを起こしてしまったのです。

原因は、ローターハウジングの内壁に無数のひっかき傷(チャターマーク、悪魔の爪痕とも呼ばれる)が発生することによるトラブルでした。

マツダのエンジニアは、この“悪魔の爪痕”対策に尽力し、おにぎり型をしたローターの頂点に付けられたアペックスシールの共振により、ローターハウジングを削っていることを突き止めます。

試行錯誤の末、アペックスシール内部に穴をあけるクロスホロー構造にすることにより、共振を分散できることが解明。しかし、これだけでは完全に悪魔の爪痕を消し去ることができませんでした。

さらに研究の結果、アペックスシールの素材になんと当時の新幹線のパンタグラフ用最先端素材のアルミニウムを染み込ませた、高強度カーボンシールを用いて、悪魔の爪痕を消し去ることに成功しました。

コスモスポーツ

この結果生まれたクルマが、1967年発表のコスモスポーツです。2017年現在から数えて、ちょうど半世紀前のことでした。

エンジンは、10A型ロータリー(491cc×2)で、最高出力110ps/7,000 rpm、最大トルク13.3 kgm /3,500 rpmというスペックを持ち、車重はわずか940kg。小気味よく走れるスポーツモデルだったことでしょう。排気量にしても構造がレシプロエンジンと違うとはいえ、1.0L未満でこの性能は当時としては考えられない数値だったといえますね。

その後、静粛性が高く、小排気量で大パワーを発揮するロータリーエンジンは、マツダの主力となり、スポーツモデルはもちろん、セダン、ピックアップトラック、バスにも搭載されていきました。

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