公道にリアルマリカー増加中!? ついに任天堂がマリカーを提訴!!

SUPER FORMULA  2016年 第2戦 岡山

※この記事には広告が含まれます

都心の公道でマリオカートのコスプレ姿で楽しむドライバーを見かけたことがありませんか?これは愛好家の趣味と思いきや、レンタルを行っている業者があるのです。しかしこれに対し、なんと任天堂が「著作権侵害」などを理由に損害賠償を求め提訴しました。
Chapter
マリオカート風のコスプレ&カートをレンタルしていた「マリカー社」
公道での「マリオカート」の位置づけは?
リアルマリオカートは楽しいが…

マリオカート風のコスプレ&カートをレンタルしていた「マリカー社」

任天堂は2017年2月24日に公道を走行するカートのレンタル事業を行っている「株式会社マリカー」に対して著作権侵害などを理由に提訴しました。

任天堂としては、

・許諾なしに「マリオカート」の略称である「マリカー」という商標を社名に使っている
・任天堂のキャラクターの衣装を貸し出し、その衣装が載った画像を宣伝・営業に利用し、著作権の侵害をしている

といった主旨により1,000万円の損害賠償を東京地裁に提訴したとのこと。任天堂はマリカー社に対し、「数か月前より警告してきたが誠意のある回答が得られなかった為に今回の提訴に踏み切った」としています。

このマリカー社は都内で展開をしており、品川、秋葉原、渋谷などで営業をしていたようです。(2017年2月27日現在HP閲覧できず)

マリカー社はこの件で声明を発表しています。要約すると、

・サービス内容は任天堂に対する不正競争行為及び著作権侵害行為には該当しないと判断
・任天堂の担当者とも協議・情報交換を行い、サービスに理解を⽰してもらっている
・任天堂の許可無く勝⼿に販売、レンタルなどをする悪意ある業者もあり、任天堂と協⼒してそのような事業者がなくなるように対応していこうと協議していた

というような内容です。このように任天堂サイドの主張とかなり食い違いがあり、今後の展開で真実を明らかにしていって欲しいところです。

ちなみに筆者も都内で目撃した事がありますが、おもしろいパフォーマンス集団なんだなと受け止め、まさかレンタル事業として広く展開していたとは知りませんでした。この報道で知り、驚いた次第です。

公道での「マリオカート」の位置づけは?

さておき、本件に登場するカートはクルマとはいえ、小型のもの。どういった位置づけになるのか気になるところですよね。

「マリカー社」によると、ノーへルOK、普通自動車AT限定免許で乗れる、という触れ込みだったようなので、これは間違いなく「ミニカー」に分類されます。

ミニカーというとおもちゃのイメージありますが、実際には公道を走れる道交法上のカテゴリで、排気量が50ccの3輪&4輪がそのミニカーと呼ばれるわけです。では、「原付バイクと大差ない?」と思うかもしれませんが、大きな違いがあります。

ミニカーは道交法において「総排気量50cc以下又は定格出力0.6kW以下の原動機を有する普通自動車」と規定されており、運転には普通自動車以上の運転免許が必要です。乗車人員は1人、積載量は30kg以下、ただし道交法上での「原動機付自転車」ではないため、二段階右折やヘルメット着用の義務はなく、法定速度は60km/hで良いのです。

たまに国産3輪のスクーターに「水色ナンバー」を付けて、ノーへルで走っているのを見たことがあるかもしれませんが、これもミニカーです。上記の条件に加え、3輪以上の車体、そして「輪距が500mm以上」であればミニカー登録がスクーターでも可能なのです。こうしたケースは後輪にワイドタイヤやスペーサーを噛ませて輪距を拡げれば登録できるといえます(自治体によっては厳しいところもあるようです)。

※写真はイメージ

リアルマリオカートは楽しいが…

このように、気軽に公道で乗れるカートは楽しそうではありますが、実際に中華バギーを公道で乗ったことがある筆者の経験からすると、「スクーターの1,000倍怖い」というのが正直な印象です。

ホイールベースが短かくタイヤも小径なので直進性に難がある、また車幅が小さい為、わだちに滅茶苦茶ハンドルを取られます。これはバイクでも影響をうけますが、まだ回避しやすい。しかしこの「ミニカー」はクルマとサイズ感が全く違うので、このわだちが大きな「トラップ」になるわけです。ノーへルで時速30km以上OK、といわれても恐ろしくてスロットルをあけられないのです。もちろん、レンタル用カートはもう少し改善されているのでしょうが、概ね同じ問題を抱えているでしょう。

またクルマといえど排気量50ccですし、車体重量もスクーター等より重いわけですから、その加速性能は高が知れています。それでもって集団で都内のトラフィックに乗り込むのは正直危険ではないか、ともいえますし、クルマからしたら「邪魔」ということになってしまうでしょうね。

思わぬ形で注目を浴びてしまった「ミニカー」ですが、国としては今後、環境性能に秀でている点からこの小型車両の区分を新設させる狙いもあります。しっかりユーザーの意見を反映した法整備、また公道で安全に運用できる車両の開発の両輪が伴わないと交通社会にとってメリットがないのでは、とも考えるところ。

いずれにせよ、今回は著作権問題でケチがついてしまった公道を走行するカートですが、アクティビティとしては非常に面白いものもあるといえます。是非様々な面で「合法」で、楽しいサービスを考えていくべきでしょうね。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細