なぜスバルの車(ターボ)はボンネットに大きなエアインテークが開いてるのか?

ハイパワー高性能車種の象徴だった「エアインテーク」

スバル レガシィ RS

最近は、ボンネット上のエアダクトが少なくなった印象ですが、過去には、エアインテークやアウトレットを付けたタイプの車はたくさんありました。特に、ラリーで活躍した車種にエアダクトを装備した車が多かったのです。

古くは日産 ブルーバード SSS-R やスバル レガシィ RS、トヨタ セリカGT-FOUR、パルサー GTi-R、三菱 ランサーエボリューションといったラリーカーで、ボンネット上のエアインテークが採用され、外観上のポイントとなっていました。

こういった車種がWRCなど海外ラリーで活躍し、その模様が報道されていく中で、エアダクト=ハイパワー高性能車のイメージとなったと思われます。

日産 ブルーバード SSS-R

そもそも、エアダクトにはどのような役割や効果があるのでしょうか?このダクトには、大きく分けて、吸気用と排気用の2つがあり、それぞれの役割をこなしています。

まず吸気ですが、文字通り空気をとりこむためのダクト。エンジンルームに効率よくフレッシュエアを導くことで、エンジンやその他の機関を冷やします。

一方、排気は、エンジンやタービンなどで暖められたエンジンルーム内の空気を排出するためのもので、エンジンルーム内の温度を下げるとともに、排気の空気の流れをよくすることで、空気抵抗の低減も図っています。

いずれもラリーやモータースポーツなどの過酷な条件下で、より効果を発揮するもので、一般の走行条件ではほとんど必要となることはありません。

ではなぜボンネット上にエアインテークやアウトレットが設置されたのか。その理由は、以前の日本車が活躍していたラリーやサーキットレースの規定にありました。

その規定とは、市販車ベースのモデルの場合、年間に決められた車両を製作、販売するというもので、このホモロゲーション取得のために、大仰なエアダクトを設けて実際に販売しなければならなかったのです。

最近のターボ車のボンネットにはエアインテークがない?

アウディ RS 7 Sportback performance

最近、ダウンサイジングターボ化が進んでいる欧州車ですが、ターボモデルのボンネットはどうなっているのでしょう?

一般的な市販車でボンネットにエアダクトがあるのは、BMW MINI Cooper Sなど、一部に限られているようです。

MINI Cooper Sは、初代からエアダクトが設けられており、外観上の大きなポイントになっています。特にホモロゲーションをとる必要はないため、アイキャッチやボーイズレーサー的雰囲気を出すためのアイテムと言ってもよいでしょう。

アウディは、ボンネットにエアダクトを設けることはほとんどないようです。最新のRSモデルでも、市販のバージョンにはエアインテークがありません。

メルセデスもほとんどの場合、ボンネット上にエアダクトは設けていませんが、一部、先代のC63 AMGなどではエアダクトを設けていました。こちらはV8自然吸気エンジンですので、ターボ車だからという理由ではなく、エンジン等の冷却のためと思われます。

いずれにしても、ダウンサイジングターボではボンネットにエアダクトを設けずにすっきりとした外観というのが趨勢のようです。スポーティーさよりも高級感がアピールポイントとなるため、取りようによっては武骨ともとれるエアダクトは必要ないということなのでしょう。

スバルのターボ車にエアインテークがある理由

スバルエアインテーク

では、なぜスバルのターボ車にはエアダクトを残しているのでしょう。ひとつは、スバル独特のエンジン形式がその理由です。

スバルは、水平対向エンジンという独特のエンジン形式をとっています。このエンジンは、直列エンジンなどと比べて高さがないため、エンジン上部にインタークーラーを設置しても、ボンネットが無暗に高くなりことがありません。

一方、直列エンジンの場合は、エンジンに高さがあるため、その上にインタークーラーなどパーツを配置すると、ボンネットが高くなってしまいます。そのため直列エンジンの多くは、エンジンの前方にパーツを配置することになります。

FFベースの4WDの場合、エンジンは横置きで前輪よりも前に置かれることが多く、ただでさえ前輪の荷重が多いところに、さらに前方にパーツを配置すると、荷重が増加し、全体としてバランスが悪くなります。

しかしスバルの場合は、エンジン上部にインタークーラーを配置できるので、多少なりとも運動性能にも良い効果があると考えられます。

また、タービン、インタークーラー、スロットルの配管が短い方がレスポンスが良くなるため、なるべくタービンの近くにインタークーラーを置きたい。そこでエンジン上部にインタークーラーを置き、そこに空気をとりこむためにボンネットにエアインテークが必要という理由もあります。

ただ前述の通り一般的な走行では、運動性能や冷却効率、レスポンスの違いはほとんど問題になりません。また、実はインプレッサのWRカーのインタークーラーは、フロントノーズに設置されていたという事実もあり、話に矛盾が生じています。

実際のところは、ボンネット上のエアダクト=ターボ車=ハイパワーモデル というイメージや、レガシィRS以来のスバルのターボ車の伝統的デザインということで、設けられているのかも知れません。


いかがでしたか。

スバルのターボ車のイメージともなっているボンネット上の大きなエアダクト。もともとは性能向上等の目的で設けられたものですが、最近ではイメージや雰囲気、デザインアイコンとしての役割が大きいのかもしれません。

ただ、筆者の好みとしては、やはりスバルのターボ車には、武骨なエアインテークがよく似合うと思います。このあたりは個々人の好みの話になるのかもしれません。皆様はいかがでしょうか。

乗り換え率51%!? スバリストが急増中!新型インプレッサはなぜ人気なのか?
スバリストの誇り!水平対向エンジンを搭載する3つのメリットとは?
歴代スバル インプレッサの変遷と中古価格|先代インプレッサは丸目だった!?

この記事をシェアする

最新記事