馬力だけじゃ速さはわからない?見るべきは、パワーウェイトレシオって知ってました?

日産 GT-R

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クルマのスペックを語る際、やはり最高出力をついチェックしてしまいます。これはそのクルマの運動性能を計るわかりやすい物差しだから、といえましょう。しかし、クルマが走る上では、パワー以外にさまざまな要素が影響します。そのなかでも大きな影響を及ぼすものが、車重なのです。
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馬力だけでは測れない「クルマの運動性能」
パワーウェイトレシオの算出方法
軽量化はクルマにとって非常に大きな武器

馬力だけでは測れない「クルマの運動性能」

現在、日本ではメーカー自主規制が撤廃となり、最高出力が300馬力を超える国産車も散見されます。この規制緩和に至った理由は、2000年代に入って交通事故が減少し続けたこと、安全性能が向上したことがあげられるでしょう。

また570psの日産 GT-Rや、FF駆動でも310psを発揮するシビックタイプRなどは、強大な出力を持っていますが、タイヤの空転や車体挙動を制御する電子デバイスも日々進化しています。その点も規制撤廃の理由と考えて間違いありません。

このように、スポーツモデルを語る際、トピックに挙がる最高出力ですが、この出力数値が高ければそのクルマの運動性能が高い、と無条件でいえるわけでもないのです。

まったく同じスペックのエンジンを搭載したクルマでも、車重が100kgほど重ければ、それなりのパワーが必要になります。そしてこれが、加速性能や旋回性能などに影響を与えています。

こうした車重と出力の関係を表す数値が、皆さんご存知の「パワーウェイトレシオ」です。

パワーウェイトレシオの算出方法

クルマ好きの方には釈迦に説法と思いますが、パワーウェイトレシオの算出方法をおさらいしましょう。

車重÷出力(馬力)=パワーウェイトレシオ

つまり、1馬力で何kgのものを動かさなければならないのか。それがパワーウェイトレシオです。この数値が小さいほど運動性能に優れる、ということになります。

ですから出力の小さい小排気量車や軽自動車でも、車重が軽ければ大排気量のクルマにも負けない走りが可能という計算になるのです。

例として、軽自動車のエンジンでわずか480kgの軽量ボディを持つ、ケータハム セブン160とトヨタ86を比較してみましょう。

・ケータハム セブン160
排気量658cc 最高出力80ps 車体重量490kg
パワーウェイトレシオ…6.125kg/ps

・トヨタ86
排気楼1,998cc 最高出力200ps 車体重量1,298kg
パワーウェイトレシオ…6.49kg/ps
どうでしょうか、こうしてみると軽自動車規格のケータハム セブン160と、2.0Lスポーツのトヨタ86のパワーウェイトレシオが近似しているのがわかると思います。むしろケータハム セブン160の方が優良な数値です。

軽自動車の自主規制値をオーバーする80psとしているセブン160を出すのはちょっとずるかったかもしれませんが、両車は車格こそ違えど運動性能という点では近いものがあるといえるのす。

もちろん実際には、空力やタイヤの性能、重心位置、重量物の分散具合など、さまざまな要素があるため、それだけでケータハム セブン160がトヨタ86よりも速い、とは言い切れませんが、場面によっては良い勝負ができる、という数値的根拠につながるわけです。

軽量化はクルマにとって非常に大きな武器

このように、軽量ボディであればパワーウェイトレシオが良好なものとなり、性能に有利に働くわけです。これは加速性能だけでなく、走る上でのほとんどの要素でプラスに働きます。ブレーキの制動距離、燃費性能、はたまたタイヤの持ち具合などなど。

現在、主要メーカーのほとんどがこの軽量化に注力をしています。年々厳しくなる衝突安全性の問題や、豪華さを求めるあまり、車重は増える傾向にありました。しかし素材や製法の進化により、強度や剛性を保ちつつ、車両を軽量することができるようになりました。これが、燃費=環境性能向上に寄与しているのです。

愛車の特性を知るうえで、ヒントになるパワーウェイトレシオやトルクウェイトレシオ。数値を調べてみると、意外に興味深い結果がでるかもしれませんよ。是非お試しあれ。
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