フェラーリF50をFBIが全損…衝撃の裁判結果とF50のその後は?

フェラーリ ショールーム

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1995年に発表されたフェラーリ50周年アニバーサリーモデル「フェラーリF50」。世界限定349台という、希少なスーパーカーです。ところが数年前、どういうわけかFBI(米連邦捜査局)捜査官がF50を全損させ、この車両代金支払いを巡って法廷闘争が繰り広げられたというのです。
Chapter
事の発端は…?
全損になるF50…なぜ!?
FBI捜査官はなぜF50に乗ったのか?そして裁判の行方は…
事故車となったF50、その後…

事の発端は…?

2003年9月、米国ペンシルバニア州のディーラーから「フェラーリF50」が1台盗難されました。幸いにもこのF50には車両保険がかけられていたので、当のディーラーは保険会社から保険金を受け取ることができました。この時点でF50の所有権は、ディーラーから保険会社に移動したということになると考えられます。

時を経て2008年5月。FBIとケンタッキー州警察が麻薬捜査を行う過程で、その「フェラーリF50」が発見されたのです。FBIは、現在の所有者である保険会社に連絡し、裁判の証拠品として、このF50を保管することになりました。

全損になるF50…なぜ!?

そんな経緯で、F50はFBIが保管していましたが、なんと特別捜査官が保管場所から持ち出し、運転ミスから木に激突、全損…という悲劇が起こります。

所有者である保険会社は、当然の権利として、裁判が終わればF50は返却されるものと考えていました。しかしまさかの全損事故…。

保険会社は、全損したF50の弁償をFBIに対して求め、要求金額は、車両の残存価値の75万ドル(約6100万円)。

しかしFBIは、捜査中の事故を理由に支払いを拒否しました。また事故を起こした状況説明も拒否。予想だにしない展開となります…。

FBI捜査官はなぜF50に乗ったのか?そして裁判の行方は…

納得の行かない保険会社は、損害賠償と情報開示を求めてFBIを提訴。運転をした2人のFBI捜査官を相手に裁判をおこします。保険会社が入手した証拠によれば、助手席に乗った捜査官は運転していた捜査官に「ちょっとドライブに行こう」と誘われた、としています。 
 
非常に興味深い裁判となったようですが、この裁判において裁判官は「証拠品は証拠品として管理しなくてはならない」としながらも、「証拠品は法執行機関が有するものである」として保険会社側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

なんとも腑に落ちない結果ですが、法執行機関の手元にある状況であれば、証拠品がどうなっても第三者は何も言えない。さらには、FBI捜査官であれば他人のクルマを壊しても裁判にも勝てる、ということなのでしょうか…。

事故車となったF50、その後…

2012年頃に、このF50が競売にかけられました。スタート額は、$65,500(約700万円)。価値を考えれば破格ではありますが、左ドア周辺のダメージが大きく、カーボンモノコックボディのF50としては、かなり致命的だったようです。

またこのF50は、その後にボディが修復され大手オークションサイト(eBay)に出品されたようで、その際のスタートプライスは、$500,000(即決額は$750,000ドル)だったそうです。

その強気の額(日本円で約8,000万円)を見ると、きちんと修復(もしくは載せ換え)されているはずですが、はたしてどんな方法で修復されていたのか、また新しいオーナーはどんな人で、いくらで落札されたのか、いろいろと興味は尽きませんね。

この訳ありF50は、現在どこにあるのでしょう。もう盗難の憂き目にあわない事を祈るばかりです。
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