「魂動(こどう)」から考える今後のマツダデザインの方向性は?

低迷のマツダを立て直した「魂動デザイン」

マツダ CX-5

クルマにとってデザインというのは非常に大きな力、魅力を創出するもの。ある意味では性能と同様に重要なものともいえます。

かつては「マツダ地獄」などと揶揄されたマツダが、2012年に「魂動デザイン」を取り入れたCX-5をリリース。それまでの評価を一変させるほどの評価を得ました。動物の走り出す躍動感を取り入れた「魂動デザイン」は、それ以降のマツダのデザインアイコンとなります。

どのクルマを見ても「マツダとわかる」という印象的なグリル、造形。これはクルマづくりに非常に重要なことです。ポルシェ、メルセデス、BMW、AUDI等は既にこうしたデザインアイコンを持っていたわけで、ようやく日本の工業デザインもその域に少し近づいた、といえるでしょう。

より洗練されていく「魂動デザイン」

CX-5

2017年2月には新型CX-5もリリースされます。やはり気になるのはそのデザイン。プラットフォームはキャリーオーバーとなるので、ドラスティックな変化はないといえますが、デザインを見ると、旧型が「押しの強い顔」だったのに対し、新型は少し落ち着いたデザインに。非常にブラッシュアップされた印象があります。

マツダのデザイン本部長だった前田育男氏は「今目指しているのは、日本の美意識でカーデザインを磨き上げること」とコメントしています。
(参照元:マツダ公式HP

これまで、日本車は「安い」「壊れにくい」という利便性の部分が大きく語られていましたし、それが競争力でもありました。しかしグローバル化が進み、近隣のアジア諸国も競争力をつけてきました。

勿論、信頼性といった部分では日本車は世界でもトップクラスであるのは変わりませんが、「安い」という意味では、たとえばインドのタタモーターズ、また韓国のヒュンダイあたりも競争力をつけてきていますし、それなりのプロダクトを提示してきているのも事実。

日本車にとって、デザインクオリティの向上というのは「避けられないステップ」、であったのでしょう。

マツダは国内メーカーでもいち早く、このステップを踏み越えていったといえるのではないでしょうか。もちろん、スカイアクティブテクノロジーといった性能面に裏打ちされてこそ、のデザインであるのは言うまでもありませんが。

マツダが提示する「日本の美意識」

ロードスターRF

マツダの魂動デザインは、「日本の美意識」というものを強いアイデンティティとしています。たとえばコンセプトモデルの名称が漢字一文字、というのもそれを象徴しているといえます。

確かに、ここ日本には欧州に決して負けない歴史と文化があります。そうした価値観、美意識を大切にしつつ、クルマのデザインに反映させていく、これは日本のメーカーとしての重要かつ強い矜持ともいえましょう。

今後の魂動デザインにも当然、こうした「日本の美意識」が強く反映されていくことでしょう。余計なものをそぎ落としていく、「引き算」のデザインをマツダは心がけています。

クルマに日本的な感性、美意識を織り込む。そしてそれを世界戦略車として提示する。もちろんこうしたクルマのデザインは特定の誰かに訴求するだけではダメであり、多くの人々に「魅力ある」と感じさせなければなりません。非常に難しいチャレンジですが、それを実践しているのもマツダ。

今後のマツダ、そして「魂動デザイン」に改めて注目していきましょう。

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