Vol.5 30歳妻子持ち男性が、現状打破の思いで手にした憧れの車

過去の憧れを手に入れるのは幸せなのだろうか。いや、多分そうなのだろう。

リビング

30代というのは非常に難しい年代だ。若くもなく、かといって老け込むには早い。クルマで一緒に走ってた仲間も結婚を機にセダンやミニバンあたりに落ち着いてくる。かくいう私もミニバンだ。まあ同調圧力というか、必要に迫られてというか…。

子供を寝かしつけ、缶ビールを飲みながら深夜TVを見るのが少しの息抜き。カミさんは子供と一緒に寝てしまった。

ふとみると昔のWRCの映像が流れてる。登場したのは「ランチア・デルタ インテグラ―レ」。いわゆるデルタだ。

1987年~1992年の間、6度のチャンピオンに輝いた当時無敵のクルマ。

これ学生のころ憧れたんだよな…なんて考えてたら眠れなくなり、コンビニで中古車掲載誌を購入してしまった。

日曜の朝、「ちょっと出かけてくる」なんてミニバンにのって一人外出。目的は決まってた。

夕方 住宅街

夕方、陽が落ちる頃に帰宅、カミさんがいつもと違う少々喧しい排気音に気付き、玄関から飛び出してくる。
「あなた何、そのクルマ!?」

玄関口には真っ赤なランチア・デルタ。「何って、ウチの新しいクルマだよ…」

まあこのあとはカミさんと喧々諤々ってわけ。まあ最終的に買ってしまったものは仕方ない、と折れてもらった。実際5ドアで最低限の実用性は担保されているしね。

3000rpm以下は使い物にならない。しかし針が4000rpmを超えようというあたりから、いきなり地面を蹴り出し凄まじい加速をする。この瞬間、ラリーカーを操縦している…という代えがたい感動がある。

とはいえ、あり得ないような故障も頻発し、維持は先が思いやられるな。憧れのクルマとはいえ、少々幻滅した部分はある。

でもね、悔いはない。少しヤレてはいるけど元気に走るデルタの存在が、私にも活力を与えてくれてるのは間違いないのだから。

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