昔は軽免許で運転!?現行軽自動車で最年長「ダイハツ ハイゼットトラック」56年の歩み

初代ハイゼットトラックは今のミラのご先祖

ダイハツ 初代ハイゼットトラック

現在まで続くハイゼットトラックの歴史が始まったのは1960年11月。2016年11月現在からちょうど56年前の事です。とはいえハイゼットが一番古いわけではなく、それ以前にも以下の軽トラが存在しました。

スズキ スズライトSP
ヤンマー KT /ポニー(なんとディーゼル軽トラ)
ジャイアントコニー360(AF3型)
くろがね ベビー

その中でもポニーとベビーだけが現在の軽トラと同じ、ボンネットを持たず運転席/助手席下にエンジンとミッションを配置した「キャブオーバー型」です。

それ以外はハイゼットに続いたスズキ キャリイ、三菱 360(後のミニキャブ)、マツダ B360(後のポーター)など含め、全てボンネットを持ち荷台の短いピックアップトラックでした。

エンジン配置だけはキャビン下、元祖アンダーフロアミッドシップのコニー360ですら形はピックアップトラックでしたから、当時はこれが当たり前でした。なぜなら当時はピックアップトラックと共通車体でライトバンがあり、それを乗用車としても使っていたからです。

まだ軽乗用車のヒット車が、スバル360くらいしか無かった時代の話です。

初代ハイゼットも「乗用を兼ねたライトバンと、そのピックアップ仕様」という位置づけで、型式もL35型と、現在のハイゼットトラック(S500/510P)の「S系」ではなく、ミラ(L275/285S)の「L系」がその末裔である事がわかります。

なお、現在でも廃盤されている軽トラの中では1961年デビューのスズキ キャリイ、スバル サンバー、1966年デビューの三菱 ミニキャブなどより早く、名称としてはハイゼットが最古参の軽トラです。

「軽免許」ユーザーのため360cc版が9年も生産された4代目

ダイハツ 4代目ハイゼットトラック

初代ハイゼットは初代フェローが登場するまで事実上ダイハツ初の軽乗用車として1967年まで販売されましたが、1964年登場の2代目ハイゼットからはボンネットを廃止、エンジンの上にキャビンを配置して荷台の長さを伸ばしたキャブオーバータイプになりました。

これ以降、ハイゼットトラックと言えばこのスタイルが標準になります。

2代目(1964-1968)の途中でエンジンを空冷から水冷に変更、3代目(1968-1972)からドアのヒンジが後ろから前に移ります。

4代目(1972-1981)で一部グレードでリアタイヤカバー部が出っ張っていた荷台を完全に平床にすると、これが完成形となって、途中規格変更で550ccエンジンに載せ替え、内外装に手を加えながらながら8年も作られました。

なお、360ccまでしか運転できない「軽免許」(1968年廃止)しか持っていないユーザーに配慮して、360cc版の4代目ハイゼットは550cc版と併売され、モデルチェンジ後も360cc版だけが1981年まで4代目のまま販売されています。

6代目から4WDと「ジャンボ」追加

ダイハツ 6代目ハイゼットトラック

5代目(1977-1980)は基本的に4代目のボディを550cc規格に合わせた拡大版で4代目と併売でしたが、6代目(1981-1986)で本格的に550ccボディへとモデルチェンジ。

悪路の当販路に対応したローギアードオプションがありましたが、1982年に4WDが追加されて置き換えられました。

さらに1983年にはキャビンを後ろに拡大、乗用車並のリクライニング可能なシートがついた「ハイゼットジャンボ」が追加、一時販売されない時期もありましたが、ジャンボはハイゼット特有グレードとして今に続いています。

エアコンかスーパーチャージャーか?で大不評だった7代目

ダイハツ 7代目ハイゼットトラック

7代目(1986-1994)は途中から660cc規格(今の目から見た「旧規格」)になったので、今でもたまに見かけます。

なぜかこの代だけハイゼットトラックではなく「ハイゼットピックアップ」という名で販売されましたが、550cc時代にはパワフルなスーパーチャージャー仕様が追加され、そしてその翌夏には大不評となりました。

その理由は、エアコンコンプレッサーの代わりにスーパーチャージャーを駆動するという仕組みだったため、後付けオプションのエアコンを装着できなかったからです。

1987年9月のデビュー当初は良かったのですが、翌年夏になってエアコンを追加できない事に気づいたユーザーからの苦情が多く、以後ダイハツはスーパーチャージャーを設定していません。

また、これもジャンボ同様現在ではハイゼット特有グレードとなった、冷蔵庫など重量物を配達するため、電気屋向けに4名乗車と小さい荷台を両立した「ハイゼットデッキバン」が初登場。

8代目からDOHCやEFIで高性能化

ダイハツ 8代目ハイゼットトラック

走行性能や静粛性を大きく改善した8代目(1994-1999)ではSOHCながらEFI(電子制御燃料噴射装置)化、あるいはキャブレター式ながらDOHC化するなど高性能エンジンを搭載。

特に走行性能はサンバー スーパーチャージャーに次ぐ韋駄天軽トラになりました。

9代目(1999-2014)でもその路線は変わらず、高性能モデルはDOHC12バルブEFIエンジンと乗用車と遜色無いエンジンを搭載。

2007年のマイナーチェンジで最新DOHCエンジンのKF-VEに換装され、ついに軽トラでありながら「可変バルブタイミング式DOHC4バルブ」という贅沢なエンジンを搭載するようになりました。

なお、衝突安全性能向上のため、9代目以降エンジン搭載位置が少し前に出たセミキャブオーバー方式へと変更されています。

10代目で4AT化やABS搭載など近代化、そしてまだまだ続く

ダイハツ 10代目ハイゼットトラック

ハイゼットカーゴ(バン)がフルモデルチェンジしても15年にわたって継続生産された9代目ハイゼットトラックですが、2015年ついに10代目へモデルチェンジ。

高張力鋼板やABSの採用で安全性を大きく向上、ライバルのキャリイが5速AGSを搭載したのに対抗するかのように4速ATを搭載するなど、「現代人が安心して高速道路も走れる軽トラ」へと進化して今に至っています。

ここまでライバルは次々に脱落、今やライバルはスズキ キャリィ系(OEM供給で三菱 ミニキャブ、マツダ スクラム、日産 NT100クリッパー)とホンダ アクティトラックだけになりました。

ハイゼットトラックもスバル サンバートラックとしてOEM供給されていますが、日本で3種類のみ残った軽トラの1つとして、これからも農家や事業化のため歴史を紡いでいく事でしょう。

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