”レンジローバーイヴォークコンバーチブル”が日本に登場!今度こそオープンSUVの新境地を狙えるか?

レンジローバーの名に恥じぬイヴォークコンバーチブル

ランドローバー レンジローバーイヴォーグ コンバーチブル(メーカー公式HPギャラリー)

現在はインドのタタ・モーターズ傘下にあるランドローバー。その中でも「レンジローバー」は同ブランドの高級かつ信頼性の高いSUVに名付けられるもので、日本で言えばランドクルーザーに匹敵します。

一方、2011年から販売開始したレンジローバーイヴォーク(以下、イヴォーク)は全幅こそ1,900mmと立派なものの、全長は4,355~4,385mmと日本ならショートボディの3ドア版RAV4のようなコンパクトクラス。

そこにレンジローバーの名がつく事に疑問を感じる向きもあり、1994年にはBMW、2000年にはフォード、2008年からは現在のタタへと、国籍を超えて「親会社のたらい回し」を受ける中、ランドローバーは「そのアイデンティティを失ったのでは?」と危惧する傾向もありました。

しかし、登場したイヴォークは内外装のクオリティが非常に高いコンパクトプレミアムSUVで、同社としては初のクロスオーバーSUVとなりました。

地球のいかなる場所でもブリテン魂を発揮するタフさは失ったとはいえ、高い質感で都会の中でも見劣りしないレンジローバーの魂は、見事に受け継がれていたのです。

成功なるか!? イヴォークコンバーチブル

ランドローバー レンジローバーイヴォーグ コンバーチブル(メーカー公式HPギャラリー)

そのイヴォークに4シーターオープンの「コンバーチブル」の存在が発表されたのは2015年11月。翌春にはリリースされ、日本でも9月から発売開始されています。

そもそも「SUVにコンバーチブル」というと日本人の方が馴染みのあるジャンルで、古くは1995年にデビューしたスズキ最強の黒歴史、大失敗作のX-90や、いすゞ ヴィークロスのオープン版として惜しまれながら市販が実現しなかった「VX-O2」がありました。

その後も2011年には2代目日産 ムラーノ北米仕様に4シーターオープンの「クロスカブリオレ」を設定するなど、オープンSUVというジャンルは、どちらかといえば日本が得意、そして日本メーカーくらいしか手掛けなかったジャンルと言って良いでしょう。

そこにイヴォークコンバーチブルが登場したものですから、カッコイイと思う人もいれば、歴史を知る人間の場合は「どうせ売れないんだろうな」という素直な感想を持つのも、また日本人ゆえでしょうか。

実際、マトモに販売されてそこそこ実績を上げたのはムラーノ クロスカブリオレくらいなもので、それも2015年デビューの3代目(日本未発売)からは廃止されましたから、要するに需要が無いわけです。

他にもオープンSUVを発表しているメーカーはあるものの、どれもコンセプトモデル止まりなため、どのメーカーもあまり真面目に考えているとは言い難いでしょう。

もし、イヴォークコンバーチブルが成功すれば、そういう需要もあるのかなと発売に踏み切るメーカーはあるかもしれません。

オープンSUVで苦心はしているイヴォーク

ランドローバー レンジローバーイヴォーグ コンバーチブル(メーカー公式HPギャラリー)

イヴォークコンバーチブルは3ドアのイヴォーククーペをベースに、ショルダーラインから下、特にボディ後半は完全新設計と言ってよく、ベース車に対して230kgも重くなっています。

転倒時には0.09秒で飛び出す乗員保護用ロールバーや、48km/hまでなら21秒で展開、18秒で格納可能な電動ソフトトップを仕込んだ上に、オープンボディに必要な補強を加えているので当然の事です。

ここがオープンカーの痛いところで、2,020kgの車重は240馬力の2リッター直噴ターボではちょっと荷が重いところ。海外仕様には2リッターディーゼルターボ仕様もあるらしく、日本導入も検討されているようですが、ガソリンエンジンのトルクでは少々厳しいという事です。

もっとも、あまりすっ飛ばすようなクルマでは無いのも確かで、フロントシートに座っている限りはオープン状態でも風の巻き込みは適度な範囲に収まりますが、後席は完全に吹きさらし状態。

そのまま高速道路を走るとジェットコースター並の風圧を受けるため、少なくともウィンド・デフレクター(5万2,000円でオプション)は必須でしょう。

オープンSUVは通常のオープンカーより車高が高くて見晴らしのいい反面、こうした空力上の問題による快適性の欠如でせっかくの4シーターが活かしきれないというデメリットもあり、それが今ひとつ流行らない理由でもあります。

イヴォークコンバーチブルが「4つのシート全てで快適なオープンクルージングが困難」という壁を乗り越えヒットできるかどうか、ちょっとした見ものですね。

この記事をシェアする

最新記事