MとAMG…それぞれ何が違う?

M6 グランクーペ

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M3/M4はBMW Mモデルの中核をなす存在ですが、ニューカマーのM2も登場以来高い評価を得て、人気もうなぎ上りのよう。ひと回りコンパクトなボディを持ち、ハイパフォーマンスモデルを操る痛快さを実感できるところに魅力があるのでしょうが、そのライバルといえばメルセデスAMG A45 4マチックです。

AMG A45がエンジンを横置き搭載するFFベースの4輪駆動であるのに対して、M2はエンジンを縦置きにする後輪駆動モデル。このあたりに、高性能スポーツへのアプローチの違いを見ることができますが、そもそもBMW MとメルセデスAMGとはどのような立ち位置にあるのでしょうか。
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成り立ちによるキャラクターの違い
大きな違いはやはり”走り”

成り立ちによるキャラクターの違い

BMW M社とAMGは、もともとモータースポーツに関わる会社でしたが、その成り立ちには大きな違いがありました。BMW M社の前身であるBMWモータースポーツ社は、その名の通りBMWの一部門として産声を上げ、スタートしました。また、モータースポーツとあるように、Mはレースカーとして設計され、市販化されています。現在もグループカンパニーとしてBMWの量産車に関わっています。

一方、AMGはいわゆる外部のプライベートチューナーとしてメルセデス・ベンツのレーシングマシンを手がけ、その成功によって正規ラインナップの高性能モデルの開発・製造を担うようになりました。その後当時のダイムラー・クライスラーに吸収され、2014年からはサブブランドとしてメルセデスAMGの名が使われています。

このように、Mはレースカーとして生まれた車を市販車に落とし込み、AMGはベース車をハイパフォーマンス化させるといった逆のアプローチをとっています。
現在もモータースポーツに深く関わるBMW M社が開発を行うBMW Mモデルと、ダイムラーグループに組み込まれたブランドのひとつであるメルセデスAMGは、それぞれのセグメントやカテゴリーにおいて性能が拮抗するモデルが鎬を削っていたとしても、そのキャラクターには違いがあって当然なのかもしれません。

BMW Mモデルに強く感じるのは、ストイックなまでにモダンハイパフォーマンスカーの尖った魅力を追求する姿勢です。圧倒的にハイパワーなエンジンを搭載しながら、それをしっかり路面に伝えコントロールすることができる素晴らしいハンドリングこそが、“駆けぬける歓び”に繋がるとBMW M社は確信しているのでしょう。

大きな違いはやはり”走り”

それを象徴しているのがM2、M3、M4、そしてM5、M6の後輪駆動へのこだわりですが、トランスミッションにフォーカスすることでもBMW MとメルセデスAMGの違いを読み取ることができます。

AMGの場合、A45は7速デュアルクラッチトランスミッション「AMG スピードシフト DCT」を採用していますが、そのほかのモデルは従来のATをベースにした「AMGスピードシフトMCT(7速AT)」を搭載。
これはトルコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを用い多システムで、これによりMTのような素早いシフトチェンジの実現を目指したシステムです。

これに対してBMW MモデルはSUVのX5M、X6Mを除いて、デュアルクラッチトランスミッションの「7速 M DCT Drivelogic」を組み合わせています。滑らかな変速など上質な乗り味についてはATに軍配が上がるかもしれませんが、BMW MモデルにおいてはDCTのシャープな変速やダイレクト感を優先し、スポーティで気持ちのいい走りにつなげているというわけ。

プレミアムブランドでありながら走りを徹底追求することで、ほかには代え難い魅力をMモデルに与えているのです。

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