車好きならいまさら聞けない『DCT vs トルコンつきATの違い』って?

「オートマ」の種類は豊富

オートマ

昔は「オートマ」と言えばほとんどはトルコンつきATの事でした。1980年代にいすゞが「NAVI-5」という、今で言うシングルクラッチ式AMT(オートMT、自動マニュアルミッション)を、スバルや日産が初期のCVTを搭載していましたが、あくまで少数派。

特に初期のCVTは電磁クラッチがクセ者で、停止・発進のたびにゴトン!ガタン!と不快な代物で、よく故障しました。それがトルコンつきCVTで普及すると、いつの間にか「オートマ」に組み込まれた感があります。

しかし、最近は「DCT」という、オートマ免許で取れるけど7速や9速と段数が多いミッションが登場。トルコンつきATでも多段式は段数が増え、今や8速が当たり前、10速ATも登場しています。

どちらも段数が増えたDCTとトルコンつきATですが、何が違うのでしょう?

DCTはセミAT、AMTの仲間

高性能車や高級車に搭載され、最近では簡易版がホンダ車やVW(フォルクスワーゲン)車に搭載されるなど、数を増やしているのがDCT、デュアルクラッチトランスミッションです。

その名の通りクラッチを2つ持つのが特徴で、変速時にあらかじめ変速先のクラッチを繋いでおき、変速元のクラッチを切るのとほとんど同時に変速、「エンジンは回っているのに駆動の役に立っていないロスタイム」を解消します。

駆動効率が非常に良い反面、構造複雑で大きく重い、簡素化・低コスト化すると、高温多湿環境では熱がこもって故障率が高い、渋滞の多い地域では動きがギクシャクする、というデメリットが課題です。それを避けるためホンダなど「トルコンつきDCT」というギクシャク感を解消するDCTを作っていますが、大抵のメーカーは実用車にトルコンつきAT、高性能車にDCTと使い分けています。

飛躍的進化を遂げたトルコンつきAT

「トルコンつきAT」とは、クラッチの代わりにトルコンで駆動伝達する多段式ATの事で、広義にはトルコンつきCVTも含まれます。

トルコンとは「トルクコンバーター」の略で、クラッチの代わりに流体クラッチと呼ばれる装置で駆動を伝達していますが、カクカクしない滑らかな発進が可能なので、広く使われるようになりました。流体クラッチの特性上、ダイレクト感に欠けパワーロスもあるので燃費も良くありませんでしたが、最近は克服されつつあります。

「ロックアップ」という直結機能を使えば発進以外はトルコンが不要でダイレクトかつパワーロスが最低限になりますし、昔のように4速ではなく8速、10速と段数を増やしてキメ細かに素早く変速すれば、効率の良いギアを選択可能です。

クルマによってどんなミッションが向いているのか

最近はそのクルマの性格に応じて、採用するミッションが決まってきています。軽自動車やコンパクトカーならトルコンつきATまたはCVTが主流ですが、ホンダやVW(フォルクスワーゲン)など、簡易なDCTを使っている場合もあります。

ミドルクラスはグレードによりけりですが、下位モデルや下位グレードはCVT、それ以上はCVTが対応しているパワーの関係でトルコンつき多段式AT(主に6AT)。高級車はトルコンつき8速ATが主流で、8速ATが生産されていないFF車のみ6AT。

スポーツカーなど高性能車は8速から10速のトルコンつきATか、7速以上のDCTを使っています。DCTとトルコンつきATはどちらも一長一短でしたが、どちらも高性能化で性能が近くなっているので、メーカーの性格や取引している部品メーカーによって決まっていると言ってよいでしょう。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事