煽られて急ブレーキ。後続車に追突されたら、どちらが悪いのか?

追突事故

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後方からやたらと煽ってくる車がいる!急ブレーキをかけたら、驚いて離れるかな?…と試してみたら、そのまま追突されてしまった!このようなケースでは、どちらが悪いことになるのでしょうか?
Chapter
追突事故の過失割合、基本は「10:0」だが?
走行中の急ブレーキの過失は、理由によりけり!?
正常な運転で緊急回避ならば急ブレーキの過失はゼロ
不用意なブレーキや違法な運転時は被害者の過失も…

追突事故の過失割合、基本は「10:0」だが?

交通事故にあって、保険会社にお世話になったドライバーなら、事故の過失割合について耳にしたことがあると思います。

どちらかが一方的に過失となるときもあれば、双方に責任が発生して、その責任を割合で評価するときもあります。

信号待ちや一時停止線で停車しているクルマに追突した場合、被害者側は規則通りに停車しているだけですから、責任は生じません。加害者側の過失割合がほぼ100%になります。渋滞の最後尾で停止しているときも同様ですね。

ただし同じ停車中でも、危険な場所や駐停車禁止区域に路上駐車していた場合、あるいは故障で停車中に発煙筒や三角表示板など、後続車に知らせるための措置を十分に取らなかった場合などは、被害者側にも責任が生じることがあります。

以上は、停車中に追突されたケースですが、それでは走行中の追突事故はどうなるのでしょう?

走行中の急ブレーキの過失は、理由によりけり!?

まず走行中に、極端な速度差のある状態で追突した場合。つまり50km/hで走っていた前走車に、後続車が90km/hで衝突するようなケース。これは「後続車の前方不注意」および「車間距離の保持義務違反」という過失になります。

道路交通においては、基本的に後続車が前走車を回避できるよう、常に前走車に注意を払い、車間距離を保つ義務があります。

前走車のドライバーが、後続車が迫ってきたことに気付いて、なんらかの方法で回避する余裕があればいいのですが、速度差があまりにもある場合は回避の結果、他車に衝突する危険性もありますし、そもそも片側1車線道路では回避するスペースはほぼ皆無でしょう。

そこで上記のような場合は、後続車の過失が100%となるのですが、事故後の警察による現場検証では、前走車のブレーキ痕を確認します。

後続車の追突が、前走車が急ブレーキをかけた結果だと判明した場合には、加害者と被害者が逆転する可能性があります。

保険会社の対応も同様で、急ブレーキの結果として追突事故が起きた場合には、後続車が100%の加害者とは限りませんから、なぜ急ブレーキをかけたか、原因を徹底的に追求します。

それが保険会社の支払う保険金にも影響してくるからです。

正常な運転で緊急回避ならば急ブレーキの過失はゼロ

たとえば、前走車の前に歩行者などが飛び出し、緊急回避操作として急ブレーキを行ったとします。 その結果として追突事故が起きた場合、前走者が急ブレーキを踏んでも、回避できるだけの車間距離を保っていなかった後続車の過失です。

そんなものは予見できなかったという言いわけは通用しません。「車間距離を取って前を見ていれば防げたものの、なんで追突したの?」と言われてしまいます。

ただし当然ながら前走車には、それが緊急回避行為だったことを証明する必要があります。この証明には、以前なら目撃者が必要でしたが、現在ではドライブレコーダーの映像を証拠として提出することも可能になりました。

ちなみに小動物との衝突を避けるための急ブレーキは、前走車が危険な運転をしたと判断されるケースがほとんどです。

不用意なブレーキや違法な運転時は被害者の過失も…

以前は、追突事故でほぼ後続車の過失になることを悪用して、急ブレーキをかけたり、サイドブレーキを使ってブレーキランプを点灯させずに後続車に追突させる当たり屋(当たられ屋?)がいたものですが、現在は急ブレーキの必要性などが厳しく判断されるようになりました。

前述の警察による実況見分でもそうですが、前走車のブレーキ痕が残っていれば、当たり屋を疑うのです。煽られた際に急ブレーキを踏む行為も、当たり屋と見なされる可能性があります。

理由も無いのに急ブレーキをかけた結果、追突事故が起きた場合。基本は、被害者(追突された)側にも約3割の過失が発生します。さらに、前走車が酒気帯び、酒酔い、あるいは無免許運転など違法行為をしていた場合。被害者側の過失は増加します。

また「理由はあっても急ブレーキをかけるほどでは無かった」と判断された場合にも、被害者側に過失割合が発生します。

追突事故は”後方から追突した方が100%悪い”とは限りません。後続車に煽られた際には、ゆっくり減速して適当な場所で道をゆずるか、人気のある場所へ退避するなど、急ブレーキ以外の方法を考えたほうが良さそうです。

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