なぜアメ車のリアウインカーは赤いのか?

日本やヨーロッパでは大抵オレンジ色

ウィンカー

ウィンカーの色というのは車両保安基準でオレンジ色(正確には橙色)と決められています。しかも、取り付け位置や見え方まで厳密に決められており、
「車体の周囲360度いずれかの方向から、方向指示器のどれかが視認できなくてはいけない」
「各方向指示器がどの角度から見えるかも決められていて、右全面なら車体正面方向中心線から、左回り45度、右回り80度。」
という決まりがあります。

それでは最近流行のドアミラーウィンカーや、タクシーの屋根についている小型のウィンカーは?と言えば、「補助方向指示器」という扱いで認可されてはいますが、場合によっては側面方向指示器に分類される事もあって、ケースバイケースです。

また、色もオレンジ色ならとにかくOKというわけでも無く、2006年以降に生産されたクルマでは、ポジションランプ(車幅灯)をオレンジ色にするのはウィンカーと混同するのでNGになりました(メーカーが最初からポジションランプとウィンカーを兼ねるように作っていれば別)。

昔は「ユーロポジション」などの商品名で、ポジションランプをオレンジ色に塗るスプレーなどが販売されていたのですが、現行車では違法になるので注意しましょう。

昔は日本車のウィンカーも赤かった。

その昔はテールランプとウィンカーを兼ねている車種が多かったので、時々ハコスカなどを見かけると「あれ?ウィンカーが無い?」と思う事もあります。

片側3個のテールランプを順に点灯させて方向指示を行う「シーケンシャルウィンカー」(連鎖式点灯)も昔はOKなのですが、その後ブレーキランプとウィンカーが分離されるようになった時に一度NGとなり、2014年10月の改正でOKとなったため、それ以降の車であれば海外で一般的となっていたシーケンシャル点灯が可能になるなど、ウィンカーについては時代によって流動的なのです。

さらにその昔は点灯式ではなく、車体に内蔵されたバーが飛び出して進行方向を伝える矢羽根式の方向指示器が一般的。アポロ工業の製品が多かった事から「アポロ式」と言われていました。日本で点滅式ウィンカーが主流になったのは、1950年代の事です。

アメ車の場合はウィンカーの規定が独特

オレンジ色のウィンカーが点滅するのは、実はアメ車でもフロントウィンカーに関しては同じです。ポジションランプと兼用で、点滅ではなく「明滅式」が多いのが特徴ですが、リアについては全く別で独特のものとなっているのです。

「リアウィンカーはオレンジ色でも赤色でも良い」とされているため、大抵のクルマではブレーキランプと兼用になっています。おまけに車体側面のウィンカーに至っては義務化すらされていないため、日本車でも輸出されたものは点滅機構を省略し、単なる反射板としているケースも。

本来ならこのまま日本で走る事はできないのですが、在日米軍の車両などのように特別に認められているケースでは、赤いウィンカーのままで走っているのです。街でもし赤いリアウィンカーの車を見つけたら、もしかしたら在日米軍の人の車両かもしれませんね。

例えば横須賀を基地としている米軍の原子力空母などが交代する際には、飛行甲板に乗組員のマイカーを満載して太平洋を超える事もありますから、それらに日本の都合で「ウィンカーを日本の法規に合わせろ」とは言いにくいのかもしれませんね。

輸入アメ車は法規に合わせる

とはいえ、日本で登録されて日本のナンバーをつけるアメ車は日本の法規に従わなくてはいけません。

左側通行に合わせたヘッドランプの照射範囲の変更(日本の場合は左側通行なので、対向車が眩しくないように左側、歩道側を照らすのに対し、右側通行の場合はその逆なので、そのままだと眩しい)など、他の変更と合わせて、リアウィンカーもオレンジにしてブレーキランプと独立作動を可能にし、サイドウィンカーも装着、あるいは復活させる改修を施したものが登録されています。

このあたり、数々の規制緩和とともに日本でも赤いリアウィンカーが認可されそうなものですが、安全面で大きな影響がある事と、ヨーロッパとも違うアメリカ独特の規則だからかもしれません。アメリカ製品としては珍しく「ガラパゴス化」しているというわけですね。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事