車はどれくらいまで軽量化が可能なのか?軽量化のメリットとデメリット

「接地圧の不足」という最大のデメリット

ここまで「軽量化されたクルマの素晴らしい世界」を紹介しましたが、デメリットも実はあります。
あまりにも軽くしすぎると、路面に対する接地圧が不足し、必要な摩擦力を得られなくなる場面が出るのです。

先に物理的な話として、軽量化による慣性という悪影響から逃れられる話を紹介しましたが、その反面、いくら軽快に走れてもタイヤと路面との十分な接地圧が無ければ、高速コーナリングで踏ん張る事も、急加速や急制動でタイヤに十分なグリップを与える事ができません。

そのため、部分的にしろ全体的にしろ、わざと重く作る事もあります。
もちろん空力パーツでダウンフォースを発生させて補うという方法もありますが、ダウンフォースというのは空気抵抗であり、空気の力で車重をわざと重くしているようなものですから、闇雲にダウンフォースを稼げばいいというものではありません。

速く走るために車重やダウンフォースを稼ぐとしても、軽さとのバランスは大事なのです。
他にも衝突安全性や快適性、または車体剛性の著しい欠如もデメリットになるので、行き過ぎた軽量化もまた困難ではあります。

結局、軽量化は予算と目的次第

ここまでの話を踏まえて「どこまで軽量化できるか」をまとめます。
まず軽量化そのものは、快適性や衝突安全性といった要素を全く無視すれば、エンジン本体+α程度まで削ぎ落とせます。
極端な話、レーシングカートを思い浮かべればいいのです。

実際、極端に軽いマシンで楽しもうという人で、レーシングカートにパワフルな大排気量エンジンを載せてしまうマニアも少なくありません。
ただし、それでは日常にも使えるクルマとしては成立しませんから、主に素材の面で軽量化を図る事になります。

ボディのモノコックそのもの、あるいは一部をドライカーボン(安いウェットカーボンはFRPと変わりません)などの複合素材を用いて、ガラス類も可能な限り薄いものかアクリル化、アルミホイールやブレーキなども高価で軽量な素材を用いれば、いくらでも軽くなるでしょう。
実際、市販車でもそれに近いレベルで作られた軽量マシンもあります。

ただ、それも予算が青天井ならの話であって、もっと現実的な話をすれば、「いらないものは全部撤去する」これに尽きます。
外すだけならタダなので、カーペットを剥がして遮音材や防振材として貼られているアンダーコートなどを撤去し、内装も灰皿やコインホルダーに至るまで、外せるものは全部撤去すればいいのです。
いろいろ外すと風通しも良くなってきてエアコンなど不要になるので、当然それも外します。

筆者は昔、それで車重580kgの軽自動車を540kgまでタダで軽量化した事がありますが、思い切ればそのくらいの軽量化はすぐできるという例です。
皆さんもその気になったら、安い中古車の一台も買ってきて、ご自分で軽量化、してみませんか?

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