4点式シートベルトのメリット・デメリットとは?なぜ公道では使用できないのか?

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レース用のシートベルトと言えば4点式以上のフルハーネスシートベルトです。レースは公道よりもハイスピードかつ荷重も大きく、そのような状態で事故に合っても、ドライバーを適切に守ってくれるシートベルトと言えます。しかし、このシートベルト、公道では使えません。その理由と4点シートベルトのメリットを見てみましょう。
Chapter
身体を固定できるのが何よりのメリット
公道とは異なる環境によって生まれる機能差
保安基準と言う意味では4点のみはNG
進化している3点式シートベルト

身体を固定できるのが何よりのメリット

4点式シートベルト=フルハーネスは、体を座席に固定できることが何よりもメリット。レースなど、前後だけでなく左右の荷重が大きくなるような車の乗り方をする場合、体が固定されないと適切な運転操作ができなくなるため、シートベルトによって体を固定することは非常に重要です。

4点式シートベルトを利用すれば、フルバケットシートと相まって、体をしっかりとホールドし、コーナリング中でも、ハードブレーキングの時でも適切な操作が可能になります。

また、ロールバー、フルハーネス、フルバケットシートがドライバーをしっかりとホールドし、守ってくれるため、高速域からのクラッシュでも生還できる、という構造です。市販車のシートベルトも非常にしっかりとできていますが、フルハーネスはさらにしっかりと作られています。

公道とは異なる環境によって生まれる機能差

レースの場合、歩行者が出てくることや、対向車のことは考える必要がありません。視界の悪い路地から車を出したり、狭い駐車場にバックで止めるということもありません。ドライバーの数も24hレースで3名程度と非常に少なくなっております。これらのことから、シートに押さえつけられるようなフルハーネスシートベルトでも、問題は起きません。

しかし、公道でフルハーネスであれば、前かがみになって路地の先を見ることもできない上に、友人とドライブに出かけて運転を代わるにしても、シートベルトやシートの調整を細かく行う必要が出てきます。

そうなると、フルハーネスは厄介な代物。エアバッグ付き車両の場合、エアバッグが膨らんでも意味がないどころか、エアバッグの爆発力でけがをする可能性も出てきます。よって、プリテンショナーの付いた3点シートベルトが、公道利用という意味ではベストな選択となります。

保安基準と言う意味では4点のみはNG

4点式シートベルトは、シートベルトであるものの、保安基準には適合していません。

保安基準第20条2(3)ホの項目がこれに該当します。中略「通常の運航において当該座席ベルトを装着した者がその腰部及び上半身を容易に動かし得る構造のものであること。」と定められています。

簡単に言うと、上半身は動かせる状態のシートベルトでないとNGということです。通常、4点式などのシートベルトで、プリテンショナーやテンションリデューサーが付いたタイプのものはないため、保安基準には適合できないのです。

もし、レースと日常利用、両方で同じ車を使う場合、公道用に純正のシートベルトを残し、レースやサーキットのレギュレーションに合わせて4点式シートベルトもつける必要があります。アンカーの取り付け位置などについては検討の必要があります。

進化している3点式シートベルト

20年前は、エアバッグが装着されている車がまだ珍しい時代でした。このころから、巻取り式のシートベルトはありましたが、エアバッグ搭載車が増えるにつれてシートベルトも進化していきます。

進化した機能として、プリテンショナーとフォースリミッターがあります。プリテンショナーは、強い衝撃が加わるとシートベルトを巻き上げ上半身が極端に前のめりにならないように制限します。しかし、しっかり固定しすぎると胸に必要以上の力が加わり内臓にダメージを負うケースも。

そこで、フォースリミッターが一定以上の荷重がかからないよう調整をし、ダメージを軽減してくれます。また、エアバッグが膨らみ上半身を受け止めてくれることで、万が一の正面衝突の際にも乗員へのダメージを最小限に減らしてくれるのです。
後席のシートベルト着用に関しても、きちんと法整備がされてからしばらく経ちますが、まだまだ後ろの座席でベルトを付けていない方も時々見かけます。

しかし、すべての席でシートベルトを着用しないと、衝突時に思わぬ二次災害を産む可能性がありますので、車に乗るときはどの乗車位置でも必ずシートベルトの着用をしましょう。また、仮に後ろの席でシートベルトをしなかった場合で検挙されると、シートベルトをしなかった本人ではなく、ドライバーが行政処分を受けます。運転してくれるドライバーさんに迷惑が掛からないよう、シートベルトをするのも、同乗者のマナーと言えるでしょう。
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