たまに見かけるボンネットやルーフだけ黒い車…その理由とは?

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ボンネットやルーフだけ黒い車を見かけることもあるかもしれません。特に、オートサロンのようなチューニングカーの展示会では間違いなく見かけるでしょう。きちんと意味のあるものから、意味のない?ものまで様々…。それぞれについて見ていきましょう。
Chapter
ボンネットがカーボン製である場合
なぜボンネットやルーフに使うのか?
カーボン風ドレスアップ
ボンネット、ルーフを黒くしてツートンデザイン

ボンネットがカーボン製である場合

ボンネットがカーボンファイバー製で出来ている場合、そのカーボンファイバーの織目、素材そのものの柄を楽しむために、あえてボディカラーで塗装しないこともあります。最近、パガーニやケーニッグセグなどのスーパーカーは、ボディ全体がカーボンファイバーで出来ていることもあり、そもそも「塗ってない」車両も。

きちんと作られたドライカーボンの柄と言うのは非常に美しく、その織目は、塗装などでなかなか真似できるものではないためです。これは、ボンネットに限らず、ルーフやエアロパーツでも同じことが言えます。

カーボンには、その製造方法により、ドライカーボン(レーシングカー等で採用)とウェットカーボン(市販パーツで採用)の二種類があります。製法だけでなく、強度や重さなども大きく違うこの二つですが、当然見た目にも大きく違いが出ます。

なぜボンネットやルーフに使うのか?

ポルシェ911やランボルギーニなどの特殊なレイアウトの車を除けば、エンジンはボンネットフードの下に収まっています。

車を構成する部品の中でも、非常に重いのがエンジン。このエンジンがフロントに収まっている事もあり、フロント周りの重量とそのレイアウトは、ハンドリングに影響が出ます。そのため、ボンネットは最もカーボンにされやすい部品なのです。

ルーフは、車の中でも最も重心点の高い位置にある部品。最近のモノコックボディの車の場合、ルーフの外板は応力を受けていない単なる蓋であることも多いです。このような場合、ルーフを切り取ってカーボンなどで張り替えることにより、軽量化とハンドリングの向上を求めることが可能です。

カーボン自体は強度も高く、剛性面でも気にならないのですが、スチールとカーボンの接合面は強度的に劣るため、ルーフにカーボンを用いる場合は応力を受けない構造であることが前提となります。

このように、スチール比で非常に軽量なカーボンは軽量化のために使われます。

カーボン風ドレスアップ

カーボン風にするために、カーボン調のカッティングシートなどをボンネットに張り付けるケースがあります。それならカーボンにすれば…というのも一理ありますが、カーボンボンネットはメーカー純正のスチールボンネットに比べて危険も含みます。

メーカー純正のボンネットは、衝突時や歩行者との接触時に、可能な限り適切に壊れて搭乗者や歩行者へのダメージを最小限に抑える工夫がされているのです。ボンネットキャッチなども適切に作られており簡単にボンネットが開いてしまわないようにしてあります。

しかし、メーカー純正ではない部品の場合、これらが適切に設計されているわけではなく、衝突時にボンネットが車内に飛び込んできたり、歩行者との接触時にダメージが増すケースがあります。

そのため、レースなどの競技用ではなく、ドレスアップであれば、敢てカーボンパーツなどを使わずに、純正ボンネット+カッティングシートの方が安全と言えます。

ルーフは、カーボンのルーフと交換すると修復歴が付くことになりますので、同じくドレスアップであればカッティングシート程度で良いのでしょう。

BMWのMモデルのように、純正でカーボンのルーフが付いている場合は、修復歴になりませんのでご安心ください。

ボンネット、ルーフを黒くしてツートンデザイン

カーボンとは関係なく、艶消しの黒などで塗装したり、カッティングシートを張り付ける例もあります。これはもう完全なドレスアップ目的と言えます。

白やシルバーなど膨張色のボディカラーの場合、ボンネットからルーフ部にかけて艶消しの黒などで引き締めることで、また違った印象の車になることも。そういった視覚的な効果を狙って黒くしているケースも多いのです。
ボンネットに限りませんが、フェンダーやドアがボディカラーと合ってない車もあり、車をぶつけた際に中古部品と交換してそのまま…というケースも。

また、白いボディにリアウイングだけ黒であれば、ちょっとした引き締め効果があります。ボンネットやルーフ全体だと少し大がかりですが、スポイラーだけであれば簡単に手を加えることができます。
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