【完全版】トヨタの"走りのセダン"アリストは今でも速いのか?

レクサス GS300  (2代目アリスト)

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トヨタの「走りのセダン」と言われたアリストは1991年から販売されたEセグメントのセダンです。当時は高級セダンとして大排気量のエンジンを搭載し、内装もラグジュアリーな仕様で日産のシーマとライバル関係でした。トヨタの高級セダンクラウンと比べると、海外でレクサスブランドからGSという名前で販売されていたアリストは、よりオシャレで洗練されたクルマというイメージ。そんなアリストは、今どきの同セグメントの車と比べて速いと言えるのでしょうか。
Chapter
世界に誇れる日本のスポーツサルーンを目指したアリスト
初代アリストはどんな車だった?
2代目アリストでどう変わったのか
気になるアリストの燃費は? 維持費について
アリストは今でも速いのか?
アリストの中古車相場を知りたい

世界に誇れる日本のスポーツサルーンを目指したアリスト

英語で「最上の」や「優秀な」という意味を持つアリストは、世界で勝負できるハイパフォーマンスサルーンを目指して開発され、1991年にデビューしました。

当時トヨタが海外で展開していた高級ブランド「レクサス」からも、GSのモデル名で販売することもあって、それまでの日本の高級セダンとは違い、ヨーロッパ車を意識した洗練されたデザインが特徴的でした。このデザインはジウジアーロ率いるイタリアのカロッツェリア「イタル デザイン」によるもので、Cd値3.0と空力的にも優れていました。

また、トヨタの高級セダンクラウンマジェスタと基本コンポーネンツを共有し、トップグレードは280馬力という当時の国産最速クラススポーツカーと同等の最高出力を誇り、走行性能にも抜かりはないモデルでした。ヨーロッパ車のように洗練されたデザインと走り、この2つを高い次元で両立していたのがアリストです。

初代アリストはどんな車だった?

初代アリストは1991年に誕生し、1997年まで販売されていました。ボディサイズは4,865×1,795×1,405mm(全長×全幅×全高)。乗車定員は5名です。

トヨタ自動車の高級セダンとして開発されたアリストのインテリアは、革張りシートや木目調パーツを使用しラグジュアリーな雰囲気を出していました。

トップグレードに搭載された直列6気筒ターボエンジン2JZ-GTE型は、トヨタのフラッグシップスポーツカースープラと同じもので、280馬力というハイスペックを誇り、当時国内最速セダンと呼ばれました。

そして目に見える高級感や、ただ単純な加速性能のみならず、スタビリティ性能にも配慮されているのがアリストが評価されるべきポイントです。コンポーネントを共有していたクラウンよりも大径なブレーキやトルセンLSDを採用し、走りが楽しいセダンとしても優れていました。

92年にはセルシオに搭載されていたV8エンジンもラインナップに加わり、今までなかったヨーロッパ車のように洗練されていて、走りも楽しい高級サルーンであったアリストは人気を博しました。

2代目アリストでどう変わったのか

2代目アリストは、1997年~2004年まで生産されていました。それまでクラウンマジェスタとの共通プラットホームを採用していましたが、この世代では新開発のプラットホームを採用。これにより、オーバーハングの短縮やエンジン搭載位置の変更による重量配分の適正化など可能となり、ハンドリングが大幅に向上しました。

搭載エンジンはV8が無くなり、直列6気筒2JZ系のNAとターボの2本立てになりました。エンジンの型式こそ変更はありませんが、可変バルブタイミング機構VVT-iが採用され、全域トルクフルなエンジンとなり、アリストの特徴でもある加速性能により磨きがかかっています。

それぞれのエンジンスペックは以下の通りです。
ターボモデル:2JZ-GTE型
最高出力:206kW(280PS)/5,600rpm
最大トルク:451Nm(46.0kgm)/3,600rpm

NAモデル:2JZ-GE型
最高出力:169kW(230PS)/6,000rpm
最大トルク:304Nm(31.0kgm)/4,000rpm

気になるアリストの燃費は? 維持費について

走りの評価は高いトヨタ アリストですが、カタログ燃費は最終モデルで8.8km/L~9.4km/L。初代のJZS14型に関しては7.1km/L~7.8km/Lと、お世辞にも燃費が良いとは言えません。また、排気量は3.0Lもしくは4.0Lになりますので、自動車税が毎年51,000円もしくは66,500円かかります。

アリストの魅力は、いまの時代の自動車にはない走りとスタイリングです。特に最速グレードとなる3.0Lツインターボ搭載車は、マニアの間で人気の高い注目のモデルとなっています。

アリストは今でも速いのか?

そんなアリストV300は今でも速いのか…。コンディションの良い状態でしたら、並大抵の車に負けないでしょう。これまで紹介してきた通りアリストは優れた走行性能を誇り、それが大きな魅力の1つです。

しかし、実際の問題、今でも速いのか?となるとそういうわけにはいかないかと思います。メンテナンスが行き届き、良い状態を維持できていれば良いのですが、それだけコンディションの良いアリストが現存するのか…という問題です。

コンディションが良ければ速いのかとなりますが最高出力280PSという数値は現在の高性能2Lターボと同等となっています。しかしながら、現在では多くの自動車メーカーから姿を消してしまった直列6気筒エンジンは、4気筒エンジンにはないスムーズな回転を見せ、現代のクルマよりもエキゾチックな加速を体感させてくれます。その加速は現代の高級サルーンに引けを取りません。

もし高速で右車線を走るアリストを見かけたら道を譲ってあげましょう。

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アリストの中古車相場を知りたい

アリストの中古車市場をネットでチェックしてみると、2016年6月現在、全国におよそ400台の在庫がありました。なかには車両価格が20万円を切るものも少なくありません。
一方で、高いモデルは200万円近い価格がついています。

  初代 2代目
最低価格 20万円 18万円
最高価格 159万円 297万円
平均価格 63.8万円 63.8万円
※2016年9月時点

初代アリストについては、販売より年月が経ち中古車情報サイトにおいても非常に登録台数が少なく13台で、最低価格周辺の車両は過走行気味。購入後のメンテナンス費が掛かってしまう可能性が有るので購入時は厳しくチェックする必要があります。

反対に最高価格周辺にある車両は、状態も良くまだまだ乗れる車両です。

2代目に関しては、初代に比べ中古車情報サイトの登録台数は400台と豊富にありますが、やはり最低価格周辺の中古車は状態が悪い車が多く見られます。反対に、最高価格の車両はチューニングが施された競技車です。この点は競技車両としても人気のあるアリストならではと言えるポイントです。

登録台数の違いからか、平均価格は初代のほうが高くなっています。

また、カスタムされている個体が多いことも特徴です。そのため、アリストの中古車を購入するのであれば、年式と走行距離だけではなく、どのようなカスタムがなされているのかもチェックしておいた方が良いでしょう。
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