なぜシルビアはドリフトに多く使われるのか?ドリフトに使いやすいFRとは?

ドリフトに使いやすいFRとは何か

ドリフト(サザンサーキット)

ドリフトというのは、競技として例えるならフィギュアスケート、あるいは格闘技です。達人級の上級イベントならともかく、地方の下級イベントなら壊して潰して直してナンボ。

外観は原型留めてないけど走るためのメカニズムだけはしっかりして、時には華麗に、時には強引にドリフトしているマシンは地方にたくさんあります(※外観を留めないレベルですと、さすがに公道は走らないサーキット専用車ばかりです)。

「ドリフトしやすいマシンとは何か」と問われれば、まず初心者が潰しても、直すなり乗り換えるなりが容易な車である事が第一です。そうした車であれば補修なり改造なりのキットも山ほど需要があるので、あらゆるパーツメーカーがリリースを続けます。

結果、S13~S15のシルビアや180SX、昔のAE86、R32~34のスカイラインGTが、旧いながらもドリフトに使いやすいFRマシンとして現在までドリフト会場で多数走っているわけです。

メーカーを置き去りにするプライベーターの熱意

現実に「安価な小型FR」と言える車は少ないと言えるでしょう。安価なFRと言いつつも、実際にはそれなりの年代の金銭的に余裕のある層向けのスポーツラグジュアリー、というケースも多いもの。

しかし、もうドリフトの初心者でも使えるような安価なFRは作れないかと言えば、そんな事はありません。軽トラやSUVのパワートレーンとサスペンション使えばナンボでも安くなりますし、同じくコンパクトカーや軽自動車のFFベース4WDシステムを加工すれば安いコンパクトFRホットハッチやオープンスポーツが出来上がります。

実際そうしてコペンやアルトワークス、ミラジーノなんかを改造したFRドリフトマシンが盛んにドリフトしてますし、軽トラにターボエンジン積んでドリフトしてる人は多く、JAWS山本自動車(福岡)やプロバイル(兵庫)といった有名ショップすらあります。

それらはあくまで量産車ではないとはいえ、決してハイパワーエンジンでも最適なサスペンションでなくても、安価に楽しめるFRを作れるという事を証明し続けています。小排気量エンジンのファインチューンに、リアサスペンションなんかたいてい3リンクリジッドですよ。

「ドリフトしやすい小型で安価なFR」については、もはやプライベーターはメーカーを置き去りしています。「無ければ自分で作るので、もういい!」というわけです。

日産シルビアと180SXはドリフトするのに何が良いのか?

一般的にシルビア、それもS13以降がドリフトで好まれている理由としては、多少の違いはあれどS13からS15、それに兄弟車のRPS13「180SX」までキープコンセプトのリファインで代を重ねた事で、部品の使い回しが効く等「修理やモディファイで部品の使い回しがきく事」です。

他メーカーに同種の車が無かった事で事実上「それしか選べない状態」が続いたので、「SR20を搭載したS13以降のシルビアか180SXを選んでおけば、まず困らない」という事になりましたし、ドリフトでは重要なステアリング角を拡大するパーツなど、パーツメーカーも車種をしぼる事で供給していけば良い事になりました。

同じ事はR32~R34のスカイラインGTおよび兄弟車のC33~35ローレル、JZX90/100系のマークII、クレスタ、チェイサーの三兄弟にも言えます。

地方のドリフト会場ではほとんどがシルビア系、スカイライン/ローレル系、マークII系の三車種で固められているのが現状で、その中でシルビア系が多い理由は「安い、多い、小さいし税金も安くて維持が楽」というだけの話です。

確かにホールベースが長く、安定したドリフトアングルを保ったまま飛距離を伸ばせる…という理由もあるでしょうが、まずは走り出せて何度も傷つけ、凹ませながら練習をこなせてこその話と言えるでしょう。

まとめ「答えは地方のサーキットにあり!」

ドリフトしやすいクルマというのは、その車がコントローラブルとか安定している等の要素は、実はそれほど関係ありません。アフターパーツでモディファイすればいいだけですから、要はベース車が安価で、単純で、モディファイしやすければいいのです。

そのような車で練習していくことでみんなドラテクを上げていくのですから、「ドリフトのためのドラテク向上しやすい車」だと考えてもいいと思います。モータースポーツ好きで通っている自動車メーカーの社長さんなどは、「安価な小型FRを皆さんにお届けしたい」などと公言してしまう前に、一度地方のミニサーキットでも見に来ると良いのです。

そこで原型をとどめずシャシーすら歪んでいるような、S13シルビアやAE86がしっかりドリフトをキメる姿を見れば、「自称・安価な小型FR」のライバルが何である事がよくわかると思います。

シルビアもスカイラインもAE86、そして数々の改造プライベーターがなぜその車に乗るのか。それは人も車もボロボロになりながら、なお情熱を傾けるに値するからと言えるでしょう。

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