なぜ雪が降らなくてもスタッドレスタイヤに交換すべきと言われるのか?

rain circuit(SuperCar-RoadTrip.fr)

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2015~2016年シーズンの冬は異常気象とも言える暖冬!タイヤ交換の時期を逃したまま夏タイヤの人もいるのではないでしょうか。でも、雪が降らなくてもスタッドレスタイヤに換えておいた方がいいんです!というお話です。
Chapter
初冠雪はタイヤ交換の目安
雪が降らない地域ではどうする?
夏タイヤが弱いのは凍結や雪だけにあらず
低温では夏タイヤの性能がガタ落ち

初冠雪はタイヤ交換の目安

日本は広いですから、「めったに雪など降らないし、そもそもスタッドレスタイヤなど履いた事が無い」という人も多いかと思います。そんな地域の方も含めてですが、スタッドレスタイヤに履き替えるとしたら、いつ頃でしょう?

雪が降る地域では、おおむね平年通りだと初雪が降る時期が、タイヤ交換の始まりです。最初からいきなり平野部に大雪が降る事は少ないので、近くの山に初冠雪が見られた時、などを基準とする場合もありますね。

そうした土地では平野部で雪が降らなくても、遠くの街に行くため山越えをするのを見越して、タイヤ交換をしておく事が多く、外回り営業の多い会社でライトバンのタイヤ交換が一斉に始まる時期でもあります。

もちろん、雪が降ってから慌ててタイヤ交換をする人も少なくないので、タイヤショップやカー用品店で数時間待ちになる前に換えておこうという計算もあるんです。

雪が降らない地域ではどうする?

しかし、そもそも普段全く雪が降らないし、年に一度思い出したように降る大雪だけという地域では、そうした目安がありません。急な大雪で夏タイヤ装着車によるスタック多発の原因でもありますが、そうした地域にもタイヤ交換の目安となるものがあります。

それが「気温」です。おおむね最低気温が7度を下回るようになると、冬タイヤに交換してもいい時期と言えます。

夏タイヤが弱いのは凍結や雪だけにあらず

スタッドレスタイヤは宣伝効果もあって「雪道・凍結路用タイヤ」というイメージがありますが、実はもうひとつ「低温用タイヤ」という重要な顔を持っています。サーキット走行など、競技やレースでのスポーツ走行の経験がある人には馴染み深い話ですが、自動車のタイヤは温度によってゴムの硬さや成分が最適化された時に、その最大の効果を発揮します。

スポーツ用タイヤの中でも「Sタイヤ」と呼ばれる溝の少ないセミスリックタイヤ(セミレーシングタイヤ)や、溝が全く無いレーシングスリックタイヤは、「ハード」「ミディアム」「ソフト」など同じタイヤパターンでも何種類ものタイヤがあり、気温や路面状況に応じて使い分けるのが普通です。

乾燥路面が超高温の時に最大の効果を発揮する「ハード」タイヤを、寒い雨の日のウェット路面に使っても全くグリップしませんし、逆に冷たいウェット路面で効果を発揮する「ソフト」タイヤで真夏のサーキットを全開走行すれば、場合によっては一周もつかどうかというほど摩耗します。

それはスポーツ走行に限らず、一般公道を走るタイヤでも同じ事が言えるのです。

低温では夏タイヤの性能がガタ落ち

一般的に「夏タイヤ」と呼ばれるタイヤが、その性能を発揮できる気温の下限は7度と言われます。それを下回るとゴムが硬くなり、路面をつかむ力が弱くなってグリップ力の低下と、何よりもブレーキ性能が低下するのです。

特に濡れた路面で夏と冬のブレーキ性能の違いは顕著で、寒い雨の日にスリップや、急ブレーキでいつもより制動距離が伸びた経験がある人も多いのではないでしょうか。さらに、硬くなったゴムはモロくすり減りやすいので、その意味でも低温時の装着は効率的ではありません。

そこで登場するのがゴムが柔らかいため低温時でも夏タイヤほどの性能低下を起こさないスタッドレスタイヤで、雪が降らなくても装着が推奨される理由として、最近浸透してきています。

ただ、どんな場所でも雪国並のタイヤを選ぶ必要はありません。基本的には雪が降った場合にはゆっくり走るのが大原則でもありますし、雪道・凍結路用タイヤとしての性能は最低限でも、乾燥路面での性能を重視したチョイスでも問題はないのです。

ただ一点だけ、真夏の炎天下に野ざらしになどすると、ゴムの劣化で冬でも硬い冬タイヤになってしまいます。ゴムの柔らかさが低温用タイヤの重要なところなので、冬季以外の保管には気を使ってください。

柔らかい冬タイヤで、雪道や凍結路だけでなく、低温時も安全にドライブしましょう!
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