お手軽ローダウン…ダウンサスを用いたローダウンの注意点とは?

メルセデス・ベンツ CL

メルセデス・ベンツのトップカテゴリー「CL」。最上位セダンSクラスの2ドア版ともいえるCLも好きものの手にかかればご覧の通り。正に地を這うがごとく見事な車高短。

このような車高短にも施工方法にはいくつかパターンがあります。最も利便性に優れ、ポピュラーなのが調整式のサスペンション「車高調」を装着する方法でしょう。文字通り調整機能がついているため、装着後にも車高の高さを上下させる事ができます。

またサスペンションの主要部品と言えるバネとショックアブソーバーがあらかじめセッティングされた状態の品物であるため、バランスが良いのが特徴です。

かつては数十万円という高額商品でしたが、今では10万円を切る安価なモデルもごく一般的に流通しています。しかも性能も悪くないですから、車高短を検討する上ではマストなアイテムと言えるでしょう。

サスペンションの構造

サスペンションは分かりやすい「バネ」だけの事を指すのではなく、これらを取り囲む複数のアーム類やそれに備わるブッシュなどの構成部品を総称して「サスペンション」と呼びます。

サスペンションは、自動車メーカーが車種を開発する時に、走行性能や車体の重量、想定される路面状況や生産コストなどさまざまな要素を検討して仕上げてきます。そのため、ノーマルの状態が決して「不足」しているわけではありません。

国内のファミリーカーでは法定速度の時速100㎞を前提とした仕上げに準じますが、一部のスポーツカーなどはファミリーカーと比較して倍以上の稼働個所を有したり、アーム類の強度や軽量さには非常にこだわった構造を求めたりします。もちろんスポーツカーだけでなく、乗り心地が良く走行性能が高い高級車も同様です。

ダウンサス

車高調の他に、車高を下げる最もお手軽かつ安価な手段が「バネ」のみの交換。いわゆるダウンサスと呼ばれる部品に交換することが、最も簡単なローダウンの方法でしょう。

車高超が安価になったとはいえ約10万円前後のお値段。取り付け工賃で2~3万円、さらに取り付け角度などを調整するアライメントで2~3万円を加えると、車高調の取り付け総額はおよそ15万円前後が一般的ではないでしょうか。

これに対してダウンサスは品物代が2~3万円程度となるため総額でも6~7万円と車高調の半額以下が実現可能です。

こうなってくるとお手軽さでは圧倒的にダウンサスが有利です。それでは車高調とダウンサスではいったい何がどのようにに異なるのでしょうか。

ダウンサスの注意点

様々な部品からなるサスペンションですが、車高を決めるのはバネ自体の長さです。バネが伸縮する長さに合わせ、その他の部品であるアーム類やダンパーは長さなどは設計がされているため、バネのみ長さの短いモノに交換してしまうと様々な弊害が起こる可能性があります。

アーム類は標準のバネの長さが伸縮することを想定したアーム長になっているため、短いバネに変えてしまうと、最初からアームが伸びきった状態に近くなり、結果として適切な作動が制限された状態となります。

他にも、ダンパーは純正のバネの伸縮に合わせたストロークを想定しているので、短いバネに変えることはストロークを最初から殺し、縮みっぱなしの状態を作ってしまいます。ダンパーに負荷がかかり続ける事で、内部のオイルが漏れだすなどの損傷を引き起こす場合もあります。こうなったらダンパーごと交換しないといけません。ダウンサスのみの仕様は長期的に見ると性能低下の他、金銭的な出費も大きくなる可能性があるのです。

市販されているダウンサスは、すべてがこの様な状態を引き起こすわけではありません。純正のサスペンションでも十分性能を発揮できる様に配慮されて製造されています。しかし、目先の容易さだけに捕らわれて、安易な交換を行ってしまうと後の安全性や快適性にも影響が出てくる可能性があると言えます。

ここ10年足らずでサスペンションの部品は安価に出回るようになり、車高短が一般的な改造の様に普及しましたが、走行性能や快適性に重大な影響を及ぼす改造である事は十分に認識し、適切な使用を検討する事をお勧めしたいと思います。その価値に見合った結果となるように、専門的な知識を持ったショップなどで、よく相談しましょう。

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