減少する気筒数…BMWがターボ化を進めてきた理由とは?今後の方向性は?

カギを握るのは「ユーロ6フェーズ2」の2017年問題

ダウンサイジングターボのみならず、トルクを出すのに効率的な排気量までこだわるのはなぜかと思っていましたが、答えはEUの新しい排ガス規制「ユーロ6」にありました。

「ユーロ6」は既に2015年1月より施行され、以降の新モデルはこれをクリアしている必要があります。もちろんメーカー各社は昨年までに対応を終えていたのですが、実はもう一段階あったのです。

現行の「ユーロ6」は「フェーズ1」と呼ばれ、排ガス検査は検査室の閉鎖環境で行われます。ところが、2017年から施行される「ユーロ6フェーズ2」では、実際の走行状態での排ガス計測という、厳しい検査が待っています。その上、2020年までに窒素酸化物を一層削減する事が定められました。

施工まで2年足らずに迫った「フェーズ2」に対し、「厳しすぎて対応が困難、延期するか規制を緩和してほしい」と悲鳴を上げている自動車メーカーもあるようです。

ディーゼルエンジンの限界と、ガソリンエンジンの復権

「ユーロ6フェーズ2」への対応がもっとも困難と言われているのがディーゼルエンジンで、走行中の排ガス検査を行った場合には、過去のユーロ5すら満たせないと言われています。そのため、今後は高コストの排ガス浄化装置が使える高級車を除き、ディーゼルからガソリンエンジンへの転換が進むという予想もあるのです。

しかし、ヨーロッパでは1990年代よりディーゼル車が増加し、ドライバーも低回転からの大トルクに慣れてしまっています。そこで、ガソリンエンジンで燃費を悪化させずに同じような特性を実現する方法として、「ダウンサイジングターボ」が脚光を浴びたのでした。

BMWではさらに1気筒あたりの効率的な排気量と、それに合わせた気筒数の減少まで徹底する事で低速トルクを追求しましたが、絶対的なパワーが不足する部分はターボで補う事ができました。ミドルレンジやアッパーモデルの小排気量・気筒数減少も同じ流れです。

今振り返って見れば、数年前からBMWが熱心にターボ化を推し進めていたのは、全て「フェーズ2以降のユーロ6に対応するため」の布石だったのでしょう。1990年代後半、あれほどディーゼルターボに意欲的だったBMWにとっては、まさに戦略の大転換だったと言えます。

次ページ5年後のBMWはガラリと変わっているかも?

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