様々な用途に使われる「ガソリン」…車の燃料の種類と取扱いの注意点は?

実は様々な種類がある「ガソリン」

ガソリン

石油製品の一つであるガソリン。沸点が摂氏30度~220度の範囲にある石油製品の総称としてガソリンという名称がつかわれます。工業系のお仕事に従事していたりしない限りは、「ガソリン=車の燃料」というイメージかと思いますが、ガソリンという総称の中には様々な用途のものが含まれます。以下にざっとガソリンの種類を挙げてみたいと思います。

【自動車用ガソリン】
最も身近な用途のガソリンで、大きくレギュラーガソリンとハイオクガソリンの2種類に分けられます。自動車のガソリンエンジンのみならず、農業用や林業用などの内燃機関にも広く使用されます。ハイオクガソリンは1号ガソリン、レギュラーガソリンは2号ガソリンとも呼ばれます。

【ホワイトガソリン】
「ナフサ」と呼ばれるホワイトガソリンは、主にエチレン、プロピレン、BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)等を製造するための石油化学原料として使用されますが、キャンプ用品として用いられる携帯用ストーブ(焜炉)やランタンの燃料としても使用されています。

【工業用ガソリン】
ナフサやガソリンを脱硫して精製した工業ガソリンは、燃料以外の用途に使用され、1号から5号の5種類に分類されます。
・1号:ベンジン、主に洗浄用
・2号:ゴム揮発油、ゴム用の溶剤、塗料用
・3号:大豆揮発油、工業的な目的で大豆油の抽出用
・4号:ミネラルスピリット、塗料用
・5号:クリーニングソルベント、ドライクリーニング用や塗料用

【航空用ガソリン】
航空機用のガソリンで、適度な気化性、高い発熱量、腐食性がないこと、耐寒性に富むこと、安定性が高いことなどが求められる有鉛ガソリンです。また、自動車用ガソリンなどより厳密な規格が定められており、規格には米民間規格、米国軍用規格、日本工業規格などがあります。

それでは、以降ではこの中の自動車用ガソリンおよび軽油について書いていきたいと思います。

レギュラーガソリン(2号ガソリン)

最も一般的なガソリンで、規格により2号ガソリンと規定されています。レギュラーガソリンとハイオクの違いは主にオクタン価の違いで、日本ではオクタン価89以上のものをレギュラーガソリンとしています。

オクタン価とは、エンジンがノッキングしづらいアンチノック性の指標となり、オクタン価が高いほどアンチノック性が良くなります。ちなみに、ヨーロッパのレギュラーガソリンはオクタン価95以上、アメリカではオクタン価91以上です。

ハイオクガソリン(1号ガソリン)

日本では、オクタン価96以上の高オクタン価ガソリンをハイオクと呼び、規格により1号ガソリンと規定しています。ヨーロッパやアメリカではオクタン価98以上のものをハイオクとしています。ハイオクはオクタン価が高い以外にも、洗浄剤や添加物が入っていることがほとんどのようです。

ちなみに輸入車のほとんどがハイオク仕様になっているかと思いますが、これは上記のように各国でのハイオクの定義が違うためなのです。ヨーロッパやアメリカでは、レギュラーでもオクタン価が95や91以上となるため、日本のレギュラーの規定ではオクタン価が不足する可能性があります。したがって、ヨーロッパやアメリカではレギュラー仕様なのに、日本のレギュラーではヨーロッパやアメリカのレギュラーのオクタン価を満たせない可能性があるため、多くの輸入車がハイオク仕様となってしまうのです。

ガソリンを扱う際の注意点

ガソリンは「揮発油」といわれるほどに揮発性が高く、常温中ではとても気体になりやすい上に引火しやすい物質です。よって皆さんもお分かりの通り、扱う時は火気厳禁です。
また、ガソリンはポリタンクに入れてはならない事になっています。

これは、ポリ容器を侵食して変形させたり、気化によりタンクを膨張・破損させたりする可能性が高いからです。気化したガソリンに引火したりしたら、大事故につながりかねません。ガソリンを保管の為に車両以外に給油する場合は、必ず携行缶を正しい使用方法で使用しましょう。ただし、セルフスタンドでの携行缶等への小分け給油は、消防法危険物の規制に関する規則「第二十八条の二の四」で禁止されていますので、こちらもご注意ください。

軽油

軽油は、ディーゼル車などに使用される燃料となり、ガソリンとは全く異なる燃料です。ガソリンとは燃焼に関する性質も違いますので、ガソリン車に軽油を入れたり、ディーゼル車にガソリンを入れたりすると、最悪エンジンが故障して使用不能になってしまいます。

間違えて給油した際には、エンジンを絶対始動せずに処置をしてもらいましょう。あと、豆知識ですが、軽油はガソリンと間違わないように緑色に着色されています。ガソリンは赤系の色に着色されています。

軽油についての注意点

軽油は基本的に一般のガソリンスタンドへ行っても「軽油」としてしか分類されていないかと思いますが、実はJIS規格によって5種類に分類されています。主に流動点の違いにより分類され、特1号が最も凍結しやすく、特3号が最も凍結しにくい寒冷地用となります。

最近のディーゼル人気に伴い、初めてディーゼル車に乗ったという方が増えているかと思いますが、ガソリンと違って軽油が凍結する可能性については意外と知られていません。ありがちなケースとしては、温暖な大都市圏から寒冷地のスキー場などへ宿泊で行かれた際、翌朝に軽油が凍結してエンジンがかからないというケースです。ディーゼル車の取扱説明書にも注意事項として記載されているはずですので、ご存じなかった方はぜひ一度確認してみてください。参考ですが、マツダCX-5の取扱説明書には、下記のように記載されています。

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ディーゼル車の使用燃料は、外気温が低くなると凍結し、燃料パイプが詰まってエンジンの始動ができなくなるなど故障の原因になります。寒冷地に移動するときは、現地に着くまでに燃料の残量が1/2以下になるようにしておき、到着後はできるだけ早く寒冷地用の燃料を補給してください。

軽油の種類/使用限界の目安温度※1
JIS特1号/+5℃、JIS1号/-2.5℃、JIS2号/-7.5℃、JIS3号/-20℃、JIS特3号/-30℃
※1 使用条件や環境により多少異なります。
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※マツダ CX-5取扱説明書より転載

以上、ガソリンや軽油について記載してきましたが、今まで知らなかったという事はありましたでしょうか?注意事項については、ぜひ頭に入れておいていただいて、事故やトラブルが起きないようにしていただければと思います。

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