"TRD"や"STI"等…国産車メーカー公式チューナーのそれぞれの強みとは?

現存する公式チューナーは4社

現在でも存在する国内メーカー公認の公式チューナーと言えば、トヨタのTRD(トヨタ・レーシング・ディベロップメント)と、日産のNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル。通称ニスモ)、それにスバルのSTI(スバルテクニカインターナショナル)が代表的です。

TRDはトヨタの子会社「トヨタテクノクラフト」のモータースポーツおよびカスタマイズパーツ部門であり、NISMOやSTIは、それ自体が日産やスバルの子会社なのです。

また、TRDはあくまでチューナーですが、NISMOとSTIはそれ自体がメーカーワークスチームとしてレースやラリーに参戦しているという違いがあります。

他には、三菱の子会社として「ラリーアート」という、かつては三菱ワークスとしてラリーで活躍した公式チューナーが、一応現存します。
しかし2010年にモータースポーツ活動を廃止し、事業を大幅に縮小してしまいました(三菱自動車としてのモータースポーツ活動は、MMSPが存続しています)。

トヨタのスポーツファクトリー「TRD」

【東京オートサロン】TRD

TRDはトヨタ自動車販売のレース用車輌開発部門を前身として、1976年に誕生しました。

国内外のレースで活躍するトヨタ車の開発から製造、メンテナンスまでを担当しており、ル・マンのような国際レースに参戦するレーシングカーから、スターレットやヴィッツのようなエントリーモデルで戦われるレースのために、カスタマイズパーツを製造、供給しています。

それだけに留まらず、TRDブランドで独自に企画したチューニングカーやカスタマイズカーを販売する事もあるんです。古くは1994年、E100系カローラに2000ccスポーツツインカムエンジン「3S-GE」を搭載した「カローラTRD2000」を限定99台でリリースしました。

最近では2009年に、やはりE140系カローラに1500ccターボエンジンを搭載した「カローラアクシオ“GT”TRDターボ」をリリースしています。

日産が世界に誇るワークス「NISMO」

GT-R NISMO 2017

一方、NISMOは日産のワークスチームの一つとしてレースを戦っていた「大森ワークス」を前身として、1984年に誕生しています。

TRDと同じように、日産車のチューニングカー等を企画・販売していますが、一番の違いはNISMO自身が現在でも日産のワークスチームとして、レースに参加している事です。
前身がワークスチームだった事も影響していますが、「日産公認のレーシングチーム」として活動する事で、よりユーザーにモータースポーツイメージをアピールする効果を出しています。

TRD自体がワークスチームとして参加していないとはいえ、NISMOとTRDは国内外のレースやカスタマイズカー市場で、常によきライバルだったと言えます。

WRCで名を馳せた「STI」

レヴォーグSTI

モータースポーツ活動を通したプロモーション活動のため、スバルが1988年に設立した子会社が「STI」です。

初代「レガシィ」に始まるWRCへの参戦など国内外を問わずラリーやレース、各種競技会に、ある時はスバルワークスチームとして、ある時はパーツ供給者として参戦してきました。
1990年には水平対向12気筒エンジンをコローニに供給してF1に参戦したという歴史も持っているのです。

「STI(かつては(STi)」ブランドでスバル公式チューナーとして純正オプションパーツやSTIカスタマイズカーの開発・製造も担当しており、小規模ながら豊富なパーツバリエーションを誇ります。

近年ではラリーでのワークス活動を停止しましたが、代わりにレースでスバルワークスとして活躍中です。

公式チューナーが持つ強み

全ての公式チューナーには、ある共通点があります。それは、チューニングやカスタマイズを行うメーカーでありながら、メーカーの公認を受けた純正部品を、あるいは車そのものを販売する事が許されているという事です。

つまり、何も手を加えないノーマルスペックの時点で既に「特別なチューニングカー」である事を、メーカーの保証を受けながら実現できるという事なのです。

また、メーカー直系であり、企業イメージ向上活動の一環であるモータースポーツ活動に深く関わっています。
そのため新型車の開発段階から深く関与しているという強みがあり、それが公式チューナーの持つ最大の強みです。

次ページ「公式」から一歩だけ引いた準公式チューナーもあります

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