生産台数9台のみ?"2300cc"エンジンを積む幻の"トヨタ 2000GT"とは?

幻の2300ccエンジンの正体とは

さて、そんな2000GTの2.3リッターバージョンですが、お台場にある「MEGA WEB」で見ることができます。

エンジンは、直列6気筒SOHCの2,253cc。北米向けのクラウンとコロナマークⅡ用の2M型を基本に、ソレックスツインチョークキャブレターを3連装した2M-B型です。

さらに興味深いのは、この2000GTが左ハンドル仕様ということです。つまり、俗称「2300GT」は、北米輸出を念頭に置いたモデルだったのです。

開発は、ヤマハ側がトヨタに対して提案する形で進められ、北米市場向けの廉価版としての展開を想定していたようです。しかしトヨタの内部の反発により、計画はとん挫してしまいました。

なぜ、SOHCの2300ccエンジンにしたのか。それには諸説あり、「北米では複雑なDOHCエンジンはメンテナンスできないため」や「排ガス規制をパスするため」などと言われています。

1970年にアメリカでは「マスキー法」が成立しています。これは1975年までに排出ガス減少技術を完成させ、既存自動車排出ガス水準の10分の1まで自動車排出ガスを減少させようとするものでした。

石油危機やさまざまな社会事情から棚上げにされていったのですが、当時としては厳しくなる大気汚染防止法にどう対応するか、というのが自動車メーカーとっての大きな課題であったため、2000GTの排気量アップも排ガス規制対策と見るべきかもしれませんね。

実際に、この2.3Lエンジンの排気経路には、エアポンプからフレッシュエアを送ることで排気ガスを薄めるシステムが装備されていました。

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