80%減も!?スープラ・スカイラインGT-R…旧車残存台数は?

4代目シルビア

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かつて一世を風靡したスポーツカー達…。しかし時代の流れは残酷、エコカー主流の今、その「生態系」は大きく崩れようとしているのです。
Chapter
減少し続ける「スポーツカー」の悲劇
最も減少したスポーツカーは?
三菱 FTO、GTO
日産 シルビア&180SX
減少率の低いクルマたち
なぜスポーツカーが減少し続けるのか?

減少し続ける「スポーツカー」の悲劇

現在、各メーカーもエコに振りすぎた反動からか「スポーツ性」を謳ったラインナップを少しずつ見せてきています。トヨタの86、ホンダのS660は象徴的な例といえます。しかし、所謂スポーツカーの比率というのは極めて低いと言わざるを得ないのが現状です。

それゆえに愛好家は、80年代後半から2000年代初頭あたりまでにリリースされたスポーツカーを所有している方が多いことと思います。

やはり、スポーツカーの残存台数の推移はなかなか衝撃的なものもあります…。

最も減少したスポーツカーは?

2006年時点では1,449台登録されていたものが2014年では241台と、83.4%も消えてしまった絶滅危惧種といえるクルマが、マツダのMX-6です。

2.5L V6エンジンを搭載したスポーツクーペですが、確かに見かける事がほとんどありませんね…。姿を思い出せない、という方もいるのではないでしょうか。もっとも、減少台数は1,208台ですから、そもそもの残存台数が少なかったマイナーカーといえます。

しかし、皆さんご存知の「あのスポーツカー」も物凄い勢いで姿を消しているんです。

三菱 FTO、GTO

2Lの自然吸気FFスポーツ最速、といわれた時期もあるFTO。1万2,163台⇒2,715台(減少率77.7%)とかなりのペースで姿を消しています。また根強い人気のあるGTOも、9,183台⇒3,465台(減少率62.3%)と激減しています。

いずれも当時ハイパフォーマンスを誇った三菱のスポーツカーですが、ドリフト仕様となりにくい事やアフターマーケットでのパーツが他の人気車と比べて少ない、といった事から徐々に手放していくオーナーが増えたと考えられます。なんとも寂しい限り…。

日産 シルビア&180SX

もとより台数が多い車種なので、今でも見かける事があるシルビア。しかし4万8,955台⇒1万3,666台と、その減少率はなんと72.1%!非常に大きな数字になっています。FRゆえにドリフトやサーキットで使用するオーナーも多く、人気車種といえると思うのですが、意外な結果ともいえますね。

この傾向は兄弟車の180SXも同様(減少率58.3%)なのです。

こうした数字がある一方で、減少に歯止めがかかっているクルマも…。

減少率の低いクルマたち

1.いすゞ べレット/ベレル 1,015台⇒9,38台(減少率7.6%)
2.ホンダ NSX 6,568台⇒6,064台(減少率7.7%)
3.日産 スカイラインGT-R 4万2,908台⇒3万7,458台(減少率10.8%)
4.いすゞ 117クーペ 2,635台⇒2,139台(減少率18.8%)

またホンダ・S2000に至っては2009年まで製造されていた事もあり、2006年当時よりも登録台数が増えている状況。いずれもプレミアが伴うほどの高い人気車両である事から、オーナーが手放さない傾向が高いのがその原因と言えそうです。

70年代のいすゞの2台、残存台数がきわめて少ないにも関わらず、減少率が非常に低いことからも、そうした傾向が特に顕著にみられますね。
(対象的に80年代~90年代のいすゞ車は絶滅危惧種というのも皮肉です…)

なぜスポーツカーが減少し続けるのか?

80年代~90年代のスポーツカーを乗っているとすると、20年選手のクルマも多くなってきます。そうすると当然、メーカーのパーツの供給が途絶えてしまうようになってきます。これはメーカーによって差異はあろうと思いますが、共通した課題と思います。

前述のいすゞ車のように、60年代~70年代にかけてのクルマであれば、機械制御も少ない為、「パーツはなんとかしちゃう」事もできますし、現在でも人気の旧車はパーツを造っている所もあります。しかし80年代以降のクルマの場合はなかなかそうもいかないケースが多く、維持に非常に苦労を強いられるといえます。

またもっと大きな理由として、冒頭に記したように、エコカーの台頭、つまりは90年代に入ってからの景気の悪化、燃料の高騰。こうしたネガティブな要素がスポーツカーを減少させていった事は明白です。

これに拍車をかけたのが「スクラップインセンティブ」つまり「エコカー補助金」の存在。初年度登録から13年以上経過したクルマを永久抹消(スクラップ)して新車に買い換える場合に最大25万円の補助金が得られる制度が2009年に行われた為、多くのスポーツカーが駆逐されたのは想像に難くありません。実際に手放して今悔やんでいる方も多いかもしれません…。

現在、各メーカーも「ドライビングプレジャー」の重視、スポーツカーのラインナップも戻りつつあることは歓迎すべき事。他方で、「あの頃の憧れ」を手にするには、維持のハードルが高くなるばかりです…。しかし今がラストチャンス、なのかもしれませんね。
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