なぜスポーツカーのハンドルは重いと言われるのか?

そもそもパワステは必要なの?

GT-R

最近のクルマには当たり前のようにパワーステアリング(以下パワステ)がついていますが、一昔前のいわゆる旧車と呼ばれるような車種にはパワステはほとんどついていません。

そもそもパワステはドライバーが入力したステアリング操作の力を補助して、ハンドルを軽く回すことが出来るようにした機構。ハンドルが軽く回ることで、ドライバーの負担は少なくなるという優れものです。

しかし最近のクルマのタイヤは、以前と比べて大経化しています。さらに、車体は大きく重くなりましたので、今やパワステは必須装備と言えそうです。

パワステレスにする人も!

パワステの違和感を嫌ってか、いわゆるパワステレス(以下重ステ)に改造する人も見受けられます。

一例として、マツダ・ロードスターのようなコンパクトFR、ホンダ・シビックのようなFF車では、比較的重ステ化する傾向があるようです。もちろんステアリングは重くなる分、車庫入れは大変になりますが、ダイレクトな操作感を手に入れるためなら気にならないという方も少なくなさそうです。

現行スカイライン(V36)が採用している、ダイレクトアダプティブステアリングとは?

ダイレクトアダプティブステアリング

日産は、ダイレクトアダプティブステアリングを以下のように発表されています。

『ステアリングの動きを3つのステアリングECU(電子制御ユニット)が電気信号に置き換え、ステアリングアングルアクチュエーターを作動させてタイヤを操舵。低速域でも応答遅れのないシャープかつ滑らかで軽いハンドリングと、路面不整によるステアリング取られや進路乱れの少ない圧倒的な走行安定性をもたらします。また、不快な振動(キックバック)を伝えないため、快適な操舵フィーリングが愉しめます。』
引用元:日産自動車のホームページ

現行スカイライン(V36)開発の際にこだわったのは「意のままの走り」と言われています。

メーカーの思惑は?

日産 スカイライン

一般的に、スポーツカーおよびスポーティなグレードのパワステは、通常のモデルよりも重め操舵感が得られる味付けとしているようです。

これは、高速域でのハンドリングを重視していることが起因していると言えそうです。高速域での車線変更やコーナリングなどで、パワステが軽くて微細な操作ができないという経験をしたことがある方がいるかもしれません。

車種やメーカーによっては、車速感応式のパワーステアリングを採用している場合もあります。街乗りでは軽く、ある一定の速度域に達すると重くなるなど、ドライバーの負担を減らしつつ、必要な場面ではスポーツドライビングを楽しめる(重くなる)セッティングは、パワステのひとつの理想型と言えそうです。

日本国内を例に挙げると、SUPER GTに参戦しているレーシングカーや国内最高峰のフォーミュラカーレース「フォーミュラ・ニッポン」でも、パワーステアリングが採用されている時代。

レースシーンのように、高速域・高負荷の状態で走り続けるマシンを操るレーシングドライバーにとって、そのコースの最適なレコードラインを走るためには、一般道では考えられない微細な操作が求められるはずです。そんな限界の状態でもパワーステアリングが採用されているのです。

究極のハンドリングを求めるなら重ステ…なのかもしれません。しかし、それでは多くのドライバーにとって、犠牲となる部分(車庫入れや街乗りなど)が大きすぎると言えます。

日産が開発したダイレクトアダプティブステアリングをはじめとする、革新的な技術が開発・進化していることで、重ステか、それ以上の操舵感が得られる時代が訪れるのは遠い未来の話しではないかもしれません。

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