直6にこだわる頑固なエンジン屋、BMW。こだわり続けるBMWのアイデンティティとは?

勝利のための異端児

E30型M3

M3。BMW Mがリリースするスポーツモデルであり、すべてが高次元でバランスされたスポーツカーとして知られています。

主エンジンは直6ですが、そこはさまざまな歴史が。1985年に登場したE30型M3(写真)。ツーリングカーレースで勝つために珠玉の直6から2気筒を落として直4(前期型で2.3リッター195ps)を採用。

レースでは常勝マシンとなり、その強さにいわゆる、ビビったと言われるメルセデスが、これは別物でしょう、とツッコミがはいる程、190E2.5-16エボリューションで対向せざるを得なかったというエピソードがあるようです。

王道の直6エンジン搭載

E36ベースのモデル

M3としては2代目となるE36ベースのモデル(写真)。全長に対して直6を収めるため、やや長めのボンネットを持つお手本通りのBMWとして今も人気の1台。先代のレースありきの設計から、公道でのパフォーマンスを最優先にして誕生したモデルです。

エンジンは王道の直6。このユニットの特徴は、各シリンダーそれぞれがスロットルを持つ6連独立スロットルバタフライ・コントロールを採用しパフォーマンスと鋭いレスポンスに貢献している点です。後期型は排気量が前期型よりも200ccアップの3.2リッターになり、最高出力も321psにまで向上。リッター100psオーバーを実現したモデルでもあります。

エンジンの型式が「S」で始まるのは…

4代目M3

M3搭載のエンジンに大きな変化があったのは4代目に切り替わった時です。初のV8エンジンを搭載しています。え?初?先代のE46型にもV8搭載モデルM3GT-Rがありましたが、ホモロゲ取得のモデルと違い、E92型はカタログモデルということでご容赦を。

このエンジン、V8ながらもM3に共通するエンジン型式「S」で始まる伝統を受け継いでおります。ちなみにその型式はS65B40A型。

乱暴な表現ですが兄貴分のM5搭載のV10から2気筒を落とすとコレになります。またこのユニットの特徴としては先代の直6よりも約15kg軽い202kgというダイエットぶりです。高回転型の性格(もちろん街乗りも楽チン快適仕様)と抜群のレスポンスは公道、サーキット問わず非常に楽しいエンジンに感じられること間違い無しです。

ダウンサイザー直6に

ダウンサイザー直6

そして現行モデルは時代の波もあり、ダウンサイジングターボを選択しています。

3リッター直6ツインターボが絞り出す431psの最高出力は、先代よりも高出力化を実現。またこのパワーユニットは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2014も受賞するなど、エコとパワーが両立した名機のひとつでもあります。

エンジンサウンドの演出もなかなかで、筆者の知る限りBMWにあってノーマル状態でも想像以上に大きな音がします。吹けの鋭さも素晴らしく、高回転域でもよく回りました。

2気筒から12気筒まで揃う内燃機のデパート?

BMW i3

M3を例にエンジンをみてきましたが、他のモデルのそれはどうでしょうか。

フラッグシップセダン、760LiにはV12が用意されていますし、アッパーミドルクラスでは、ライバルがスペース的にも有利なV6を搭載する中、直6の特性やフィーリングにこだわり、BMWの代名詞的な直6をノーズに収めています。

もちろん、V8や直4もラインナップにあります。最近では1シリーズや2シリーズに直3もあり、主用途(発電用)は違うものの同ブランドのEV、i3(写真)には直2エンジンも用意されています。

BMW エンジン

1933年の303より採用されたキドニーグリルや直6がBMWのアイデンティティではありません。2013年にも直4ツインパワーターボエンジンがエンジン・オブ・ザ・イヤーエンジンに輝いていますし、「エンジン屋」の呼び名はEVをラインナップに加えても健在のようです。このこだわりがBMWのアイデンティティなのですね。

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