カローラやマーチが1,000万円!? なぜシンガポールでは車がこれほど高いのか?

トヨタ カローラ S 2014-2016

※この記事には広告が含まれます

シンガポールでは自家用車の購入制限が厳しく、1台の価格でプリウス1,540万円、アコード1,300万円、カローラ1,000万円もの費用がかかるといわれています。その額は本当なのでしょうか?なぜそんなに高くなるのか、検証してみましょう。
--------------------------------------------------------------------------
いつもCarMeをご覧いただき誠にありがとうございます。
一部記事の内容に誤りがありました。
読者の皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
(2017年2月17日)
Chapter
シンガポールのお国事情
なぜそんなに高くなる?その内訳とは?
実際に計算してみると…

シンガポールのお国事情

シンガポールでは、新車の価格がべらぼうに高いです。その理由は、政府の交通政策にあります。

ご存じの通り、シンガポールはマレー半島の先っぽにある小さな国。約550万人が暮らしています。その550万人が全員自動車を所有したら、交通渋滞は明らかですよね。

そこで、自動車の購入に高い税金をかけて制限をし、公共交通機関の利用を促進しようというわけです。

シンガポールには産業としての自動車がないので、クルマはすべて輸入車になります。そのため、購入価格には関税や運賃などさまざまな費用がかかるのです。では、実際にどのくらいの税金がかかるのか、その内訳を見ていきましょう。

なぜそんなに高くなる?その内訳とは?

シンガポールでクルマを購入するには、まず車両購入権(COE)を取得しなければなりません。これは、シンガポール政府が車両を制限するために設けたもので、排気量や用途等によって4つのカテゴリーに分けられます。金額はそれぞれ異なり、有効期限は10年。

しかしこのCOEは、公開入札によって月2回のみ人の手に渡るもの。さらには政府が発行部数を抑えていることもあって、COEの価格は跳ね上がっているそうです。

また、車両価格には以下の項目なども加わり、それなりの価格となります。

・輸入税(関税)…車両本体価格×20%
・商品サービス税…(車両価格+物品税)×7%
・登録料…S$140
・追加登録料…車両価格×100%

後ほど還元されるとはいえ、車両価格は単純に2倍ほどの価格になってしまうわけです。この車両価格とCOEによって、カローラクラスでも1,000万円を上回るということになります。

ちなみに、上記の他にも、自動車保険・道路税・ナンバープレート代なども必要になります。

実際に計算してみると…

それでは、実際にかかる費用を計算してみましょう。排気量1,600cc、車両本体価格が16,000S$の乗用車を購入した場合です。
※新規車両登録権利書は2008年10月の第1回入札時の額で計算しています。
※S$1は約100円前後 

・車両価格:S$16,000
・輸入税:S$3,200  
・商品サービス税:S$1,344  
・登録料:S$140
・追加登録料:S$16,000 
・COE/カテゴリーA:S$55,200(2016年7月入札)

以上を合算すると、$16,000の乗用車は$91,884にまで跳ね上がります。これは簡単にいえば、日本ではカローラクラスの車両本体価格なのに、シンガポールではレクサスの上級クラスになる、ということです。

具体的な日本車で計算してみると、プリウスは$154,000(1,540万円)、アコードは$130,000(1,300万円)となり、超高級車のような価格に跳ね上がっています。

このような結果から、自家用車を持つ人はセレブが中心で、高級車が非常に目立つそうです。シンガポール全体での自動車の所有率はわずか15%とのことですので、抑制効果は出ている、といえそうですね。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細