スポーツカーはやはりMTで乗るべきなのか?ATでの楽しみ方は?

2013 Honda S660 Concept (2013 Tokyo Motor Show)

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免許を取ったらまずマニュアル車!という時代がありました。
スポーツカーにもかかわらず、ATだとお買い物用のクルマか、なんてなんとなくバカにされてしまうような風潮があったともいえます。しかしカーライフを取り巻く環境は大きく変化し続けています。
さて、現在こうした考えは如何なものなのでしょうか。
Chapter
息を吹き返してきたスポーツカー事情
スポーツ走行とATの微妙な関係
進化を続けるのはむしろAT!
スポーツカーはAT化が進むのか

息を吹き返してきたスポーツカー事情

ガソリン高騰や不況、価値観の変化などにより若者のクルマ離れが進み、スポーツカーラインナップが各メーカーとも消滅。
エコカーや軽自動車が主流の時期が長らく続きましたが、トヨタが86を復活させ、マツダは新型ロードスターを発表、ホンダはマクラーレンと再びF1に参戦し、ビート後継のS660やNSXといったスポーツカーが続々と復活を遂げようとしています。こうした流れはクルマ好きにとって歓迎すべき事でしょう。
また、興味深い事に、これらスポーツカーには必ずAT設定があります。

スポーツ走行とATの微妙な関係

スポーツカーがATだと、なぜネガティブにとられてしまうのか。これは、かつてのスポーツカーに多く採用されていた「トルコンAT」のスポーツ走行との相性の悪さが挙げられるでしょう。

駆動ロスが多く(燃費も悪化)、また変速が遅く、速く走ろうにも思うようにシフトをコントロールできない掻痒感が非常に大きかったわけです。日常使いの面でも、追い越し時にアクセルを踏み込むと、一瞬遅れてキックダウンが起こり、ようやく加速していく為、高速の合流時等に少々怖い思いをした方、多数おられる事でしょう。

他方でMTは、アクセルで思いのままにエンジンを回転させ、それを自分の意思でダイレクトに駆動につなげていける。まさにそうした爽快感があります。日常の走行シーンでも、自分の意志が素直に反映されるため、キビキビと走れます。そうなると実際にサーキットやスポーツ走行でどちらが速いか、議論の必要もありませんでした。

進化を続けるのはむしろAT!

2000年前後になると、2ペダルMTを採用する車が徐々に増えてきます。たとえばスマートのスポーツモデル、スマートロードスターではクラッチを機械が繋ぐロボットミッションでした。AT限定免許でも乗れますが、6速をパドルシフトで操るのは非常に気持ち良く、感覚的にはMTと変わらないといえます。

しかし最大の欠点はシフトのタイムラグ。特に加速してシフトアップする際に、ギアを繋ぐのが遅いため、一瞬駆動を失う「息継ぎ」が出来てしまうのです。新型アルトターボのAGS(オートギアシフト)も同様の点が指摘されていますが、かなり改善している様子です。この点はCVTがすでにシームレスなシフトで優位に立っていますが、プーリー故に駆動ロスが多く、欧州ではあまり採用されていません。

三菱のランエボXに搭載されたSST、VWのDSGといった新世代ATは、奇数側のギアと偶数側のギアそれぞれにクラッチを持たせることで、前述のシフトラグを解決し、100分の数秒の電光石火でシフトチェンジができてしまいます。

これは下手に人間がマニュアルでシフトするよりも早い、ともいえます。ATというよりはMTの一種といえなくもないですが、免許上ではAT限定で乗れますので、ATにカテゴライズしておきましょう。
また、ATは多段化も進められており、6速どころか8速~9速のものも実用化されています。マニュアルミッションが6速以上の進化がない中、ATの方は着実にイノベーションを進めているといえます。

スポーツカーはAT化が進むのか

恐らく、前述の理由から、スポーツカーのAT化(2ペダル化)は確実に進むでしょう。モータースポーツの分野でもシーケンシャルシフト、パドルシフト化は以前より進んでいます。実際にサーキットを走ってもMTとタイム差がないどころか、ATの方が速い場合もあるでしょう。
また、トルコンATの時代ではMTが絶対的に優位であった燃費、に関しても現在ではATの方が高効率なマネジメントにより優位に立っています。

とはいえ、MTを駆使して手足のようにクルマを操る事はまさに大きな喜び。そうした感覚を重んじるドライバーは多いと考えますし、その点ではMTのほうが楽しいに決まってます。一方で、進化したATも速さを持っていますし、燃費も良いです。
結論からいえば、ATのスポーツカーはダサいどころか、高性能かつ気軽にスポーツ走行できるという、素晴らしい時代になったといえるでしょう。

ATでもMTでも、いずれもドライビングプレジャーをもたらしてくれる、スポーツカーに乗りたくなってきてしまいますね。

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