クラウン、スカイラインGT-R...2ドアハードトップの車5選

日本初の2ドアハードトップ、トヨペット・コロナ

トヨペット・コロナ

欧米では古くからパーソナルカーのボディ形状として存在していた2ドアハードトップですが、国産量産車で初めて採用したのは、3代目のトヨペット・コロナです。

それまでコロナは4ドアセダンとライトバンのみでしたが、フルモデルチェンジから半年後の1965年に、2ドアハードトップと5ドアハッチバックが追加されました。当時、日産のダットサン・ブルーバードとの激しいシェア争いが“BC戦争”と呼ばれていましたが、それに加勢するために追加されました。

セダンの基本デザインを踏襲し、2ドア用の大きなドアとピラーレスのサイドウィンドウが人気を集めました。

高級パーソナルカーの証、白いクラウン

トヨタは2ドアハードトップの展開に積極的で、1968年には3代目クラウンにも追加されました。当時、クラウンは黒塗りの公用車や社用車といったイメージが強く、トヨタでは個人ユーザー層を開拓したいと考えていました。

そこで展開されたのが「白いクラウン」のキャッチコピーで知られる広告展開です。3代目は1967年に発売されましたが、その1年後に2ドアハードトップを追加し、パーソナルカーのイメージを決定づけました。高級車は本来、セダンはフォーマル用、パーソナル用は2ドアクーペというのがクルマのTPOであり、クラウンはそれに則ったと言えましょう。

その後、クラウンは6代目まで2ドアハードトップをラインナップしましたが、1983年に7代目へとモデルチェンジを果たした時点で廃止されました。理由はいくつか考えられますが、パーソナルカーとしての4ドアハードトップの人気の確立、高級パーソナルクーペ、ソアラの存在(1981年発売)などが考えられます。

スポーツクーペの登場、スカイラインGT-R

プリンス自動車は、グロリア用の直列6気筒エンジンを2代目スカイラインに積み込んだ2000GTで第2回日本グランプリに出場し、スカイライン神話を築きはじめました。しかし1966年に日産に吸収合併され、3代目のC10型は日産スカイラインとして発売されました。

当時の標準ボディは直列4気筒の1500ccで、イメージリーダーとなる直列6気筒2000ccは発売から2ヶ月後の1968年10月に追加されました。

3代目でもレースで勝つことが重視され、2000GTのボディにレーシングカーであるR380のエンジンを搭載した2000GT-Rを投入します。当初は4ドアセダンでしたが、走行性能を高めるためにホイールベースを70mm短縮した2ドアハードトップが1970年10月に追加され、GT-Rは2ドアボディに移行しました。

また6気筒2000cc、4気筒の1800cc、1500ccにも2ドアハードトップが投入されました。当時のデザインセオリーに則り、セダンのデザインが基調となっています。スカイラインはその後も2ドアクーペをラインナップし続け、いずれもセダンと共通のデザインとなっています。2ドアハードトップとしては6代目で終わりましたが、4ドアセダンと2ドアクーペをラインナップする、日本車では唯一の車種となりました。13代目にあたる、V37クーペの動向が気になりますね。

小さな2ドアハードトップ、カローラレビン

日本における2ドアハードトップの人気は高く、小さなところではトヨタカローラにまで設定され、1974年発売の3代目、1979年発売の4代目にラインナップされました。

3代目ではスポーティなグレードとしてレビンの名が付けられ、2ドアハードトップとなりました。しかしこれは排ガス規制の影響で1975年に製造が中断され、1977年の復活時はクーペとリフトバックになってしまったため、ごく短期間に作られたのみです。4代目はモデルチェンジまで製造されました。

どちらもカローラではありますが、セダンボディよりもスポーティなデザインになっています。当時のカローラには、4ドアセダンの後部ドアがない2ドアセダンが廉価グレードとして設定されており、それとの差別化の意味合いもあるのでしょう。それまでの2ドアハードトップがセダンの基本デザインをベースとしていることと比べると、やや異色の存在と言えました。

2ドアハードトップのあるべき姿、メルセデス・ベンツSクラスクーペ

2ドアハードトップとは何か、と改めて考えてみましょう。3代目クラウンの項にも書きましたが、クルマのTPOとしてセダンはフォーマル用途、クーペはパーソナル用途、2シーターはスポーツ用途とされています。その中で、どのような天気でも開放感のある快適なプライベート空間を提供するのが2ドアハードトップです。ちなみに、対義語になるのはソフトトップ(幌屋根)です。

また、デザインのセオリーとしてセダンボディのデザインを基本とした派生グレードとなります。そのため、パーソナルカーでありながら、高級車らしい落ち着いたたたずまいがあり、2ドアといえども後席も不満のない居住性を確保しています。

つまり、富裕層が自分で運転するためのクルマが2ドアハードトップなのです。ボディスタイルの人気から、かつては大衆車にまで普及しましたが、安全基準を満たすために後部座席の窓まで開くクルマは減ってしまいました。

そんな中、現在も作り続けているのがメルセデス・ベンツです。最上級車のSクラスをベースとしたSクラスクーペは、一貫して2ドアハードトップです。一時期はCLと言う車名を与えられていたSクラスクーペは、まさしく2ドアハードトップのセオリーに則ったクルマと言えるでしょう。

今や国産車ではすっかり希少な存在となってしまった2ドアハードトップ。しかし、2ドアならではの流麗なデザインと快適な車内スペースを両立したボディスタイルは魅力的で、旧車ファンの間での人気は絶大なものがあります。

レクサスやインフィニティなど、性能、クオリティ、デザインともに世界に誇れる高級ブランドを用意する国産メーカーですが、メルセデス・ベンツSクラスクーペのように、富裕層が自分で運転するための2ドアハードトップを最上級車種に用意してこそ、真の高級車ブランドになれるのではないでしょうか。

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