FFは高級車に向かないというのは本当なのか?

見渡すと少ない、国産FF高級車

レクサスではRX、NX、HS、CTがFF(中には4WDもあり)。カムリを高級車と呼んでいいのかは個人的に微妙なラインかな、という気がしますし、現行ティアナもどちらかというと大きな実用車といった雰囲気濃厚。アテンザはスポーツセダン的キャラクターですし、キザシもありますが、これも高級というより中級といった感じ・・・。そもそものレジェンドはAWD化されています。

見渡すとけっこう現時点での日本のFF高級車、少ないです。昔はディアマンテとかミレーニアなんかもあったのですが。

欧州車では最新のVWパサートは高級車の部類かもしれませんし、ちょっと前にあったシトロエンC6はもはや消えてしまいました。またルノーサフランももはやかなり下火。かろうじてプジョー508あたりでしょうか。キャデラックだと唯一XTSがFF。ビュイックはけっこうFFが多いものの、しかしやはり全世界的にFF高級車、気が付くと姿を消しています。

ということは、やはり自然淘汰されたというべきで、FFは高級車向きのレイアウトではない、ということになるのでしょうか。

やはりFRのほうがいいのか?

ミニバンの高級車ともいうべきアルファード。3.5リッターV6エンジン搭載車は280馬力のハイスペックをFFで吸収しています。もちろんVSCやTRCなどの補正技術もふんだんに盛り込まれて、前輪で吸収できるかどうかという以前にデバイスが制御します。そんな進んだ補正技術とともにFFの、しかもハイパワーな高級乗用車というのは不可能ではないということがわかります。

しかし、それでもFFの高級車が下火になっているのはどうしてなのか。

高級乗用車には、やはりFRという認識が根強くあって、それは製造コストが高くなる代わりに本来的に走行フィーリングが優れている、という判断なのでしょう。FFの場合、技術的に高級乗用車をなさしめても、製造コストが比較的安かったりなにより軽自動車と同じレイアウトというものでは、高級乗用車のオーナーとしてのプライドにも関わってくるわけです。

高級車に重要なのは、持ち主が「高級だ」と認識、あるいは認定することです。いくら作った側が「これが高級です」と言っても、やはり高額な出費をして手に入れる、それなりに社会的地位のある持ち主が「高級」と認めなければ高級車とは言えません。

ですから、以前はFFでも納得してくれたユーザーはたくさんいたのでしょうし、実際に機械としての洗練性も構築できはした、けれど、高級品としての信用や信任とは理屈じゃないと。やっぱりFR、これが「今の」常識のようです。

顧客のニーズやトレンド、常識は刻一刻と変化していますから、もしかするとFRが廃れていく時代は訪れるのかもしれません。

それはアコースティックギターにあくまでも拘るギタリストがいつまでいるか、という話にも似ていて、いずれ電子楽器でもアコースティックの音が十全に再現できて、それで十分、という認識が広まる(既に広まっている?)時代が来るかも知れない・・・。FFとFR、どちらを高級車に採用するかという話もそれに近いものがあるように思うのです。

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