なぜR35 GT-Rには3ペダルMTの設定が無いのか?R35を3ペダルMT化することは可能か?

GT-R NISMO

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DCTを採用している現行GT-R。クラッチペダル付の3ペダルのランナップは行われませんでした。なぜなのでしょうか?
Chapter
そもそもなぜR35 GT-Rには3ペダルMTの設定が無いのか?
コストと性能を両立しつつ、誰にでも乗れるスーパーカーとして「DCT一択」
ランサーエボリューションXは、3ペダルMTも選択可能となっているが?
R35 GT-Rを3ペダルMT化することは可能か?

そもそもなぜR35 GT-Rには3ペダルMTの設定が無いのか?

ある雑誌にて「R35に3ペダルMTの設定追加は無いのか?」という問いに関して、「危険なので追加する予定はない」という返答がなされました。

300km/hクルージング中にクラッチを切ると挙動が乱れる、横滑り防止も間に合わない等が採用しない理由となっているようです。
動画はGT-R NISMOのニュルブルクリンクタイムアタックの様子を撮影したもの。
たしかに、このような超高速域でシフトミスが起きれば挙動を乱しかねません。
しかし、公道でそのような場面が発生するのでしょうか?「法定速度を考えれば、ごく一部の国でしかそのような場面は発生しない」と思われる方もいるでしょう。
更に、「500馬力の車がAT限定で誰にでも乗れる」ほうが危ないのでは?という意見も。

R35に3ペダルMTの採用がないのは、その他にも要因があると考えられます。

コストと性能を両立しつつ、誰にでも乗れるスーパーカーとして「DCT一択」

通常のHパターンシフトでは実現できない変速スピードを求め、更にコストも抑える・・・これはDCTのみの設定だからこそ達成できたことでしょう。
販売当初の「777万円」というプライスは、「新設計エンジン&専用プラットフォームの採用」等を考慮すると格安だと思った方も多い筈。

これに、既存のMTもラインナップに加えるとなると研究費や製造ライン、その他のコストが大幅に掛かることが予想されます。
更に重要な要素としては「GTレーシングという競技車ベース→スーパーカーへのイメージチェンジ」が挙げられます。

コンセプトの変化により、性能追及と共に運転が容易になるという2つの要素が交わる結果になりました。
スーパーカーになる為、もしくはスーパーカーという企画のみで進行するために、MTはラインナップを想定していなかったのかもしれません。
日本での販売も視野に入れると、「安全性を考慮した500馬力クラス」でなければ許可が下りなかったかもしれません。

ランサーエボリューションXは、3ペダルMTも選択可能となっているが?

日産も「R35オーナーになる方は、今まで3ペダルMTを乗り継いできた方が多い」ことは理解していたでしょう。
実際、かつて販売されていた歴代GT-Rに乗っていたR35オーナーの方は沢山いらっしゃるようです。
そうすると、「3ペダルMTの同時ラインナップ」が好ましいですが・・・・コスト等を考慮すると、これらの要素を全て達成する為には、DCTと同時に3ペダルMTをラインナップするのは厳しかったのでしょう。

「ランサーエボリューションX」はMTとDCTの選択が可能ですが、FFベースの4WDであり、今までのエボのMTと同じレイアウトでDCT/MTの設置が可能だったことが最大の違いでしょう。
性能追及の為、リアにミッションを搭載するGT-Rでは、コスト増加は免れません。

世界的に見ても「スーパーカー=2ペダルのセミAT or DCT」が主流となっている現代。
スカイラインのネームを外すと同時に、コストやイメージを考慮した結果、3ペダルMTのラインナップが消えてしまったとも言えるでしょう。
しかし、現実にはライバル価格帯である「シボレー・コルベット(C7)」や「ポルシェ911」はセミATと7速MT(3ペダル)を同時ラインナップ。
GT-Rの購入層からすると、「3ペダルMTがあったらよかった」という意見が多いのは、仕方のないことなのかもしれません。

R35 GT-Rを3ペダルMT化することは可能か?

クラッチ操作ができる様に、3ペダル式のマニュアルトランスミッションにすることは可能です。
シーケンシャルトランスミッションが競技車両に装着されたケースが数例あります。

しかし、コストが掛かりすぎる為一部の競技車両にしか行われておらず、通常のMT車は「非常に希少」といった状態。
専用プラットフォーム&トランスアクスルレイアウトを採用しているR35 GT-Rにクラッチ付MTを後から搭載するには莫大なコストが掛かります。

C35ローレル、JZX100系クレスタ、JZS16*系アリスト等、従来の「AT専売モデル」は個人の所有車両としてMT化されることも多かったですが、それは「エンジンが共通のモデルや兄弟車にMTの設定がある」というケースでした。
AT→MT化は、日本の「効率的な車両ラインナップ」だったからこそ実行できたことなのです。
「2ペダルのスーパーカー」として定着しつつあるR35 GT-Rですが、「それでもMTで乗りたい!」という方も。
第2世代GT-Rに返り咲くオーナーの方も少なからずいらっしゃるようです。
実際、第2世代GT-Rは「チューニングによる500~600馬力仕様」は多く存在しました。そのイメージを含め、「馬力&価格帯」を考えると、クラッチペダル付MTを望む声が多いのは仕方のないことなのかもしれません。
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