【プロ解説】レンジローバーイヴォークのエンジンやミッション、パワートレイン等のスペックを徹底解説!!

レンジローバー イヴォーク 宮越孝政

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イギリスのプレミアムSUVブランドであるレンジローバー。そのブランドのエントリーモデルがイヴォークです。2019年に導入された最新モデルには搭載されているエンジンによってD180、P200、P250, P300の4種類のモデルが用意されています。レンジローバーイヴォークにはD180、P200、P250,P300の4種類の特性の異なるエンジンが用意されています。ちなみに数字の前に付いている英字はDがディーゼル、Pはガソリンを示し、その後の数字は最高出力を示しています。また、搭載されているエンジンは「インジニウムエンジン」と呼ばれて、ジャガー・ランドローバー社が自社開発・生産しているエンジンです。ここでは、レンジローバーイヴォークに搭載されているエンジンやミッション駆動方式などを紹介・解説していきます。

文/写真・萩原文博 写真・宮越孝政

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
現行型イヴォークの中で最も燃費の良いD180(ディーゼル)
必要にして十分のパワー。現行型イヴォークのP200
コストバランスが優れる現行型イヴォークのP250
マイルドハイブリッドシステムを搭載した現行型イヴォークのP300
現行型イヴォークは、全車に9速ATを装備。スムーズな変則が持ち味。
現行型イヴォークはテレインレスポンス2でオフロードもオンロードもいける
V8 4リッター並みのトルク!! 新型レンジローバー イヴォークを徹底レビュー!!【ランドローバー・レンジローバー イヴォークR-DYNAMIC HSE P300 MHEV】

現行型イヴォークの中で最も燃費の良いD180(ディーゼル)

D180は、最高出力132kW(180PS)/4,000rpm、最大トルク430Nm/1,750-2,500rpmを発生する。
まずは唯一のディーゼルエンジンから紹介します。D180と呼ばれる2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは最高出力132kW(180PS)/4,000rpm、最大トルク430Nm/1,750-2,500rpmを発生します。

V8自然吸気エンジンに匹敵する430Nmという最大トルクを1750〜2500回転というワイドバンドで発生し、追い越し加速時など採用している可変容量のターボチャージャーにより、ガソリン車と変わらない鋭い加速性能を発揮します。
オフロードを想定したコースを疾走するイヴォーク D180
また厳しい環境基準をクリアするために高圧コモンレール式直噴燃料噴射装置をはじめ、排気系の可変カムタイミング、水冷インタークーラーなどを採用しています。そして、アドブルーと呼ばれる尿素液を後処理として使用しています。

燃費性能はより実走行に近い測定方式のWLTCモードで12.8km/Lを実現しています。

必要にして十分のパワー。現行型イヴォークのP200

P200は、最高出力:147kW (200PS) / 4,500-6,000rpm、最大トルク:320Nm / 1,500-4,000rpmを発生する。
続いてはエントリーグレードに搭載されるP200です。実はP200、P250、P300、モデルはエンジンがすべて2L直列4気筒ガソリンターボエンジンとなっていますが、それぞれ仕様が異なっています。

P200モデルに搭載されている2L直列4気筒ガソリンターボエンジンは最高出力200PS、最大トルク320Nmを発生。燃費性能はWLTCモードで8.9km/Lとなっています。

200PSというと物足りない感じがするかもしれませんが、インテリジェントな連続可変バルブリフト(CVVL)コントロールが吸気弁の開閉タイミングを制御し、あらゆる走行状況でも最適なエンジン性能を引き出してくれるので、不満は感じないでしょう。
さらに、CVVLとデュアル独立可変カムシャフトタイミングが連動することにより、すべての回転域でも優れたパワーと燃費を両立してくれます。

また、直接エンジンの燃焼室に燃料を噴射するので、正確な燃料供給ができ、燃料効率が高く燃えかすによって発生するCO2の排出量を抑えることができます。

コストバランスが優れる現行型イヴォークのP250

P250は同じ2L直列4気筒ガソリンターボエンジンですが、最高出力249PS、最大トルク365Nmと出力がアップしていますが、燃費性能はWLTCモードで8.9km/LとP200と同じ数値となっています。

レンジローバーイヴォークに搭載されているガソリンエンジンでパワーと燃費そしてコストのバランスが最も優れているのがこのP250と言えるかもしれません。
P250は、最高出力:183kW (249PS) / 5,500rpm、最大トルク:365Nm / 1,500-4,500rpmを発生する。
一体型エグゾーストマニホールドを備えたツインスクロールターボチャージャーを採用し、タービンへのエネルギー伝達を増やすことで、アクセルペダルを踏んでも加速が鈍いと感じるターボラグを低減させ、レスポンスを向上させています。

また、1500〜4500回転という走行時に最も使う回転域で最大トルクを発生させるので、力強い加速によってスムーズな追い越しや高速道路などの合流を可能としています。

マイルドハイブリッドシステムを搭載した現行型イヴォークのP300

P300は最高出力300PS、最大トルク400Nmという高いパーフォマンスを発揮。その上燃費性能はWLTCモードで8.6km/Lと悪化を最小限に抑えています。

このP300と呼ばれる2L直4ガソリンターボエンジンは、改良されたターボチャージャーを採用。新たに採用されているハイフローコンプレッサーホイールによって、給気量を26%増やすことで最高出力を向上させています。
P300は、最高出力:221kW (300PS) / 5,500rpm、最大トルク:400Nm/ 1,500-4,500rpmを発生する。
また、ツインスクロールターボチャージャーはセラミックボールベアリングを採用することで、摩擦低減と過渡応答の改善を果たしています。

さらに、このP300にはブレーキを踏んだ時などの減速時に失われるエネルギーを保存、再利用するマイルドハイブリッドシステムを搭載。この蓄えられたエネルギーを利用して加速をアシストするため、高出力と低燃費を両立させることが可能なのです。

現行型イヴォークは、全車に9速ATを装備。スムーズな変則が持ち味。

レンジローバーイヴォークに搭載されているD180、P200、P250、P300いう4つのエンジンにはすべて9速ATが組み合わされます。ギア比がクロスレシオした9速ATは常に最適なギアを選択して、燃費と加速性能を最大限発揮してくれます。
9速と多段ながら、ギアチェンジは気づかないほどスムーズかつシームレス。ドライバーの走り方に合わせて、賢くギアを選びシフトチェンジをコナってくれます。

またこのミッションは高度なダイレクト潤滑システムを採用し、摩擦と抵抗を軽減し効率を高めているのが特徴です。

現行型イヴォークはテレインレスポンス2でオフロードもオンロードもいける

レンジローバー イヴォークの駆動方式は全モデルで全輪駆動(AWD)を採用しており、オンロードでもオフロードでも、安定した走りを楽しむことができます。

4WDシステムには電子制御式マルチプレートクラッチを採用し、前輪と後輪のトルク配分をインテリジェントに制御します。また4輪すべてのタイヤから最大のトラクションが得られるように、前輪と後輪に駆動トルクが最適に配分されます。
クリアサイト グラウンドビューは、フロント下180度の視界を確保するため、悪路も安心して走行できる。
そして芝生や泥道などのスリップしやすい状況では、トルクを前輪と後輪に分配してトラクションを最大化してくれます。
フロントまたはリアがトラクションを失うような極端な状況では、もう一方の車軸に最大100%のトルクを配分してグリップを確保します。

AWDシステムとエレクトロニックトラクションコントロール(ETC)が連動し、難しい路面でも安定した走りを可能にするなど、どんな路面状況においても走行安定性が確保されたオールラウンダーといえます。
搭載されている9速ATとAWD(全輪駆動)という駆動方式は共通なため、パワートレインの違いはエンジン種類の違いと言えます。

今回、この記事を通してイヴォークのエンジン等を紹介してきましたが、車両本体価格との兼ね合いを見ると、車両本体価格は高くなりますが、燃料代の安いD180が日本の道路環境にはピッタリのベストバイモデルと言えるでしょう。

V8 4リッター並みのトルク!! 新型レンジローバー イヴォークを徹底レビュー!!【ランドローバー・レンジローバー イヴォークR-DYNAMIC HSE P300 MHEV】

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