新型ホンダフィットの売れ筋モデルを解説!売れ筋はHOME!e:HEV比率72%とハイブリッドが人気!

ホンダ フィット FIT 吉川

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トヨタヤリスと並び、2020年前半のビッグモデルの一台である、ホンダの新型FIT(フィット)。受注状況も好評で、発売から約1ヵ月間で、月間販売計画の3倍以上となる、累計受注台数3万1000台を超えるなど、好調な立ち上がりとなっています。中でもHOMEの人気が高く、新しいハイブリッドシステム「e:HEV」を選ぶ方が多いようです。

今回は、1.車両の概要、2.内外装のデザインのポイント、3.シート座り心地や荷室の使い勝手、そして、4.ハンドリングや乗り心地などの走行性能、の4記事にわたって、フィットの魅力やカタログに乗らないようなポイントにも触れつつ、ご紹介・解説していきます。

文:自動車ジャーナリスト吉川賢一/写真:エムスリープロダクション鈴木祐子

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
Chapter
新型ホンダフィットのグレードを解説! 人気グレードはHOMEが47%。次いでBASICが19%、CROSSTARとLUXEが14%で同率3位
新型ホンダフィットの燃費性能は大きく進化!WLTCモード29.4km/Lは驚異的!
新型ホンダフィットに搭載されるホンダセンシングは標準装備!その他のアイテム設定は多岐にわたる!

新型ホンダフィットのグレードを解説! 人気グレードはHOMEが47%。次いでBASICが19%、CROSSTARとLUXEが14%で同率3位

新型フィットに設定されている5つのスタイリングの中で、発売から1ヶ月の時点で、もっとも人気があったのはHOME(構成比47%)でした。次にBASIC(19%)、CROSSTAR(14%)とLUXE(14%)が同率で3位、そしてNESS(6%)、という順序になっています。

e:HEV比率は72%と、ハイブリッドモデルの方が売れているようです。ガソリン車では、BASICの割合が36%と、他のスタイリングに比べてガソリン車の割合が高いのは、大手企業のフリート契約による車両の入れ替えが行われたと考えられます。
写真:宮越孝政
LUXEは、HOMEに対し、本革シートやソフトパッド、本革巻ステリングホイール、シートヒーター、LEDフォグ、メッキドアミラーカバー、LUXE専用デザインの16インチホイールなど、豪華装備が追加されることで25万円程価格がアップしますが、e:HEVの中では、HOMEに続く人気モデルとなっているようです。
こうしてみると、NESSの人気の無さが目立ってしまいます。NESSのコンセプトは「健康的で快活なフィットネスライフ」。気分が上がるようなカラーコーディネートが施され、軽快なドライブを提供するとしていましたが、独特な存在感は顧客に響かなかったのでしょう。

不人気グレードとなると、下取りにも影響があるため、余計に懸念されるかもしれません。

新型ホンダフィットの人気グレードは?

ホンダフィット(FIT) BASIC HOME NESS

CROSSTAR

LUXE
        全体 19% 47% 6% 14% 14%
e:HEV(72%) 12% 48% 6% 16% 18%
ガソリン(28%) 36% 45% 6% 10% 5%

新型ホンダフィットの車両価格を解説

写真:宮越孝政
e:HEV メーカー小売価格(税込)

BASIC (FF/4WD)  1,997,600円/2,195,600円

HOME (FF/4WD)  2,068,000円/2,266,000円

NESS (FF/4WD)    2,227,500円/2,425,500円

CROSSTAR (FF/4WD)        2,288,000円/2,486,000円

LUXE (FF/4WD)   2,327,600円/2,536,600円

ガソリン

BASIC (FF/4WD)  1,557,600円/1,755,600円

HOME (FF/4WD)  1,718,200円/1,916,200円

NESS (FF/4WD)    1,877,700円/2,075,700円

CROSSTAR (FF/4WD)  1,938,200円/2,136,200円

LUXE (FF/4WD)   1,977,800円/2,186,800円

新型ホンダフィットの燃費性能は大きく進化!WLTCモード29.4km/Lは驚異的!

全グレードの中で最も燃費が良いe:HEVのBASICは、WLTCモード燃費で29.4km/Lを達成。これまでのJC08モード燃費だと38.6 km/Lですので、プリウス(37.2km/L)や、日産ノート(37.2km/L)を超えていることになります。

約200kmのテストドライブでの実燃費は約25km/Lでした。信号の多い一般道やワインディングでは頻繁にモーター駆動となり燃費を伸ばします。また、高速走行ではエンジン駆動となる仕組みのe:HEVですが、アクセルオフした場合にはエンジンが休止し、モーター駆動にもなります。このあたりの緻密な制御も、燃費を伸ばした理由だと考えられます。
ただし、新型フィット最大のライバルである、トヨタ ヤリスは、WLTCモード燃費で32.4 km/Lと、更に上をいく数値となっています。

ヤリスは、ハイブリッドモデルでも約1,060kg(HYBRID G)と軽量で、フィット(HOME e:HEVで1,180kg)のほうが、約120kgも重たいことが影響しています。
e:HEV BASIC(FF)
WLTCモード燃費:29.4 km/L
市街地モード:30.2 km/L
郊外モード:32.4 km/L
高速道路モード:27.4 km/L

しかしながら、e:HEVパワートレインの魅力は燃費だけでなく、「静粛性の高さ」も大きな魅力のひとつです。発電時であっても、非常に静かで振動もなく、対策が上手くなされています。同じく発電用のエンジンをもつ、ノートe-POWERは、発電時のエンジンノイズが大きく、ガーガーと芝刈り機のような音が聞こえてきます。

また、加速時のエンジンの回転上昇フィーリングもe:HEVのほうが優れています。e:HEVもe-POWERも、発電用のエンジンではありますが、エンジン加速音がアクセルペダル操作とリンクしないと、ドライバーに違和感を与えてしまうのです。

新型ホンダフィットに搭載されるホンダセンシングは標準装備!その他のアイテム設定は多岐にわたる!

フィットは、ハイブリッドにもガソリン仕様にも、ホンダセンシングが標準搭載されています。衝突被害軽減ブレーキは当然のこと、渋滞時には車速ゼロまで追従するACCや、適切な介入量でハンドルアシストをしてくれるLKAS(レーンキープアシスト)など、その動作の安定性と安心感は、ライバルと比べても、優秀な仕上がりです。

また、グレード限定で設定されるアイテムがあります。運転席シートヒーターやステアリングヒーター、本革シート、運転席シートバックポケットはLUXEのみに設定。LEDフォグライトはNESSとLUXEのみに標準装備。
本革巻ステアリングホイール、本革巻シフトレバーはHOMEとLUXEのみに設定されており、VGR(可変ステアリングギアレシオ)は、e:HEVのみの設定で、HOMEはメーカーオプション、NESS、CROSSTAR、LUXEでは標準装備となっています。このように、オプション設定が細かく変わりますので、購入時には詳細に検討されることをお薦めします。
クルマの質感の高さや先進装備の充実度など、大幅に進化した新型フィット。人気が出るのも納得です。

なお、今回の試乗車は、9インチナビなどのDオプションも含み、HOME e:HEVが車両総額約270万円、CROSSTAR e:HEVが約290万円と、やや割高に感じます。本当に必要な装備か否か、慎重に見極める必要があるでしょう。

次回は、フィットの魅力の一つ、シートの座り心地や、荷室の使い勝手について、レポートしていきます。

■試乗車情報 ホンダフィット e:HEV HOME 2WD

■試乗車情報

★ホンダフィット e:HEV HOME 2WD

車両本体225万0220円+Mオプ14万8500円+Dオプ35万5806円(10%税込)

★ホンダフィット e:HEV CROSSTAR 2WD

車両本体240万8610円+Mオプ18万1500円+Dオプ31万0266円(10%税込)
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