トヨタ C-HR人気のハイブリッドSUVを徹底解説

C-HR

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2016年末に登場したC-HRは近年人気が高いSUV市場をターゲットとしたグローバルモデル。スタイリッシュなデザインのSUVということでトレンドを押さえたモデルとして人気の1台です。

今回はそんなC-HRを徹底解説!購入を検討している方は要チェックです。

文・西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
走りも魅力的なトヨタの新世代モデル
パワートレインはハイブリッドとダウンサイジングターボを用意
SUVながらクーペを思わせるシルエット
スイッチ類が運転席側を向いていて「ドライバーファースト」な造りのインテリア
座ってしまえば狭くないリアシート
大きくはないラゲッジスペース(トランク)
装備面は全車標準装備のものが多い
SUVではピカイチの走りの良さ
人気車種でも欠点はある
C-HRを買うなら中古車か?新車か?
C-HRは現代のデートカー?

走りも魅力的なトヨタの新世代モデル

2016年末に登場したC-HRは近年の自動車市場の世界トレンドであるSUVカテゴリーに、トヨタが投入したモデルです。

クーペのようなスタイリッシュなSUVという新ジャンルを感じさせるこのモデルは見かけだけでなく、走りもしっかりと磨き上げたモデルであるのが特徴。

トヨタの新世代プラットホームである「TNGA」を採用した先駆け的なモデルであり、SUVとは思えない安定したコーナーリングを実現しています。
また、その走りの良さの根幹として世界の道で鍛え上げられていることも挙げられます。販売前には世界で一番過酷なサーキットと言われているニュルブルクリンクで開催された24時間耐久レースに参戦し、完走を果たしています。

2019年10月にはマイナーチェンジが行われ、販売力をより強化。コネクテッドカーとしての装備が充実したほか、1.2LターボモデルでMTが選択可能になりました。

さらにトヨタ車ラインナップで人気の高いスポーツグレード「GR SPORT」がC-HRにも追加されました。

パワートレインはハイブリッドとダウンサイジングターボを用意

パワートレインの選択肢は1.2Lターボと1.8Lハイブリッドの2つ。ハイブリッド車は2WDのみ、1.2LターボのCVTでは4WDも選択できます。マイナーチェンジ以降では1.2Lターボで6速MTが選択できるようになりました。

グレードはそれぞれのパワートレインで上級グレードの「G」、下級グレードの「S」という住み分けです。

なおマイナーチェンジで追加された「GR SPORT」は1.2Lターボと1.8Lハイブリッドどちらでも選択可能ですが、1.2Lターボでは2WDのMTしか選択できません。

それぞれのパワートレインで「G」と「S」の価格差は約20〜25万円。グレード間で目に見えて大きく変わるのは内装各所の素材やホイールなどです。

SUVながらクーペを思わせるシルエット

近年登場したSUVの中でもちろん、スペシャルなカテゴリーのクルマを除いた中では「凝った造りだなぁ〜」と感じるエクステリア。

ダイアモンドをデザインモチーフにしており、各所にエッジが効いていて、個人的には「マッチョ」というか筋肉質な印象を受けます。

エクステリアからC-HRが今までのSUVと異なると感じさせるのはリアドアとCピラーからリアハッチのラインです。

後端部にかけて絞り込まれたリアのサイドウィンドウや、大きく寝かされたリアハッチなどが、クーペを思わせるようなシルエットを演出しています。この辺がC-HRを新しいジャンルのSUVだと感じさせる理由の一つです。
マイナーチェンジではフロントマスクとリアビューが若干変更を受け、よりワイドな印象になりました。この際追加された「GR SPORT」は専用エアロパーツを装着するほか、19インチ専用ホイールを装着します。
(標準グレード「G」は18インチ「S」は17インチ)

また、C-HRのエクステリアで大きな特徴と言えるのがツートンカラーです。単色8色の他にルーフの色が異なるツートンカラーを選択することができます。
ルーフがブラックとなるツートンカラーは(ブラックマイカとオキサイドブロンズメタリックはルーフカラーがメタルストリームメタリックとなります)より全高が低く見え、締まって見えてスポーティな印象を受けます。

実際の全高は155cm(2WD)で、都心に多い機械式の立体駐車場でも入庫可能なサイズなのです。このようなポイントもC-HRの人気を支えています。

スイッチ類が運転席側を向いていて「ドライバーファースト」な造りのインテリア

インテリアデザインもダイヤモンドがモチーフとされています。むしろインテリアの方がダイアモンドをモチーフにされたことが分かりやすいです。トランプのダイアを思い出させるひし形が随所に散りばめられています。

そして運転席からの風景に、SUVながらドライバーズカーであることを思わせるポイントが散りばめられていて、C-HRが目指したコンセプトを感じます。
カーナビゲーションシステムのモニターやエアコンスイッチが付いたセンターパネルは運転席側を向いていますし、運転視界を邪魔することは無くとも、存在感があり見やすいメーターなどがその最たる例です。

またナイトシーンでもいやらしくない具合にオシャレなのがこのインテリアのポイント。所々にブルーの発光が「さりげなく」施されています。この「さりげなく」が上質なインテリア空間を演出しています。

座ってしまえば狭くないリアシート

エクステリアの印象から「後部座席は狭いのでは?」というイメージを持つ人も多いはず。しかし「入ってみると」広くて快適だと感じるのがC-HRの後部座席です。

後部座席に乗り込むのは他のSUVと比べると少し苦に感じるかもしれませんが、座ってしまえば快適です。

頭上のクリアランスも大柄の方でなければ不満が出ることはないのではないと思います。少なくとも身長177cmの筆者は窮屈には感じませんでした。後部座席のシートの質もよく、長時間でも比較的快適です。

しかし、後部座席に座った人が快適に思わない点があるのも事実。それはリアサイドウィンドウが小さいこと。後部座席に座っている人からは外の景色をよく見ることはできません。ここはエクステリアデザインを優先した結果だと思います。

大きくはないラゲッジスペース(トランク)

C-HRの通常状態でラゲッジ容量は318Lです。

ここで同クラスのライバルSUVを見てみるとホンダ ヴェゼルが393L、マツダ CX-30が430Lとなっています。このようにライバル車と比べるとトランク容量では劣勢となります。

そして実際にラゲッジスペースを開けてみると「あまり高さがないかなぁ」という印象。しかし使いづらいというわけではなく、正直なところ「まぁ…普通?」という感じ。

しかし海外旅行で使うようなスーツケースをトランクに積んだり、長モノを積んだりというのは他のSUVと比べると苦手です。4名乗車での旅行は1泊2日、スーツケースを使用した場合は2つぐらいが限界だと思います。
ちなみにラゲッジスペースの話題でよく挙がるゴルフバッグは種類にもよりますが、そのまま載せるのは難しいです。通常時はサイドデッキカバーを外せばなんとか1つ積めるかなといった具合。

2つ以上積むなら後部座席を倒した方が無難です。2人以上でゴルフに行くときは潔く後部座席の片側を倒すことをオススメします。

ラゲッジスペースに関しては、実際に購入を検討する際に実車でチェックするのが望ましいです。自身のクルマの使い方でも不満が出ないか検討しましょう。

装備面は全車標準装備のものが多い

装備面ですが基本的には下位グレードである「S」でも大きな不満は出ないでしょう。先進運転支援技術である「トヨタ・セーフティー・センス」は全車標準装備ですし、安全装備面やオーディオなどでもグレードの差は大きくありません。

強いて言えば「G」にブラインドスポットモニターが標準装備という点。(GR SPORTはオプション設定、Sには装着不可)

「G」と「S」の違いは主にホイールとシートやステアリングなどの内装の各所の素材や仕上げの差です。買ってよかったという満足感が得られるのは間違い無く「G」です。

販売上でも人気が高いのは「G」の方なので、新車購入時にはこちらをオススメします。なお、GR SPORTは内装も専用装備が多くなります。
※写真は欧州仕様

むしろC-HRの場合はどの装備を選択していくかが購入時の鍵となるでしょう。特にそれが言えるのがカーナビゲーションシステムです。

通常のナビゲーションシステムも選択可能ですが、T-Connectナビを装着し、T-Connect各種プラン(5年間は基本料金無料)を契約すれば、オペレーターサービスやヘルプネットなどを受けられる「コネクテッドカー」となります。

このあたりは新しいもの好きか、保守的かと言った点もそうですが、「使い慣れないかも…」という不安を抱く方もいると思うので、一概にどちらがオススメとは言い切れません。

SUVではピカイチの走りの良さ

開発時から走りの良さにも力を入れたSUVですので、実際に運転した時の第一印象は他のSUVと比較するとハンドリングが気持ちいいと感じました。

SUVながら低重心を感じさせるコーナーリングを実現し、SUVにありがちなコーナーリング時のロールによる怖さがなく、安定感があると感じます。

流石にC-HRを購入してサーキットをガンガン走ろうなんてユーザーは少ないと思いますが、少なくとも街乗りレベルで不満点はありません。
このクルマで一番走りが楽しいと思えるのは高速道路のジャンクションなどでの旋回です。しっとりとした、安心感をドライバーに与えながらコーナーリングし、余計な気を使わせないので次の加速をスムーズに行うことができます。

ちなみに気になる燃費はハイブリッド車で実質18〜20km/Lといったところです。

人気車種でも欠点はある

スマッシュヒットとも言える「アタリ作」のC-HRですが、欠点がないわけではありません。ここまで読んできた方ならばいくつか思い当たる部分もあると思います。まず挙げられるのがラゲッジスペースの容量です。

日常生活では大きな問題にならないですが、複数人で泊まりの旅行によくいく方やアウトドアユーザーにはオススメできません。気になる方は普段使用しているスーツケースやゴルフバッグが実際に入るか否かを試すのをオススメします。

また、想像はつくかもしれませんが後方視界は悪いです。(特に斜め後方の視界)駐車などでバックするシチュエーションではバックモニターは必須と考えた方かいいです。(メーカーオプションです)
そして気になったのがドライビングポジション。シートの調整機能は上下調整も可能で、ステアリングもチルト&テレスコピック機構も付いていますが、正直ステアリングが遠いという印象。

ドライビングポジションは好みの問題もあるので一概には言えませんが、トヨタのSUVでしたらRAV4の方がしっくりくるドライビングポジションが取れるというのが筆者個人の見解です。

C-HRを買うなら中古車か?新車か?

登場から3年以上経過し、初回車検を迎える個体も出てきました。そのため中古車市場もぼちぼち選択肢が増えてきたという次第。それなら中古車がお買い得かと言われると…正直回答に困ってしまいます。

走行3万キロ以下の個体がほとんどで200〜230万円ぐらいの個体がゴロゴロというかんじで、そのほとんどが最上位グレードのハイブリッドの「G」です。

買って損はないと思いますが、ハイブリッド「G」の新車乗り出し価格が330万円ほど。ちなみに現在中古車市場にあるほぼ全てがマイナーチェンジ前の個体です。

※ 2020年4月現在大手中古車サイト調べ


マイナーチェンジ後で大きく異なるのはパーキングサポートがオプション設定されたこと、そしてコネクテッドカーとしての機能が選択可能になったことです。

自分が好きなように選べるという新車の魅力がありますので、筆者としてはこの価格差は正直言ってどちらを進めるか悩みます。

グレードや装備、色そして現車確認の様子でバッチリお気に入りの個体が200万円台前半で見つかれば中古車の方がオススメかと言えるでしょう。

C-HRは現代のデートカー?

近年流行のSUV、それもスタイリッシュでアーバンなデザインということもあり、販売開始から4年経とうとしている現在ですが未だにその人気は衰える様子がありません。

マイナーチェンジでコネクテッドカーとしての機能も充実し、まさに現在の自動車市場のトレンドを抑えたモデルとも言えます。

若者人気も高いと言われているジャンルSUV。恐れ多い表現かもしれませんが、C-HRは現代のデートカーとも言える存在です。
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