スズキ アルトラパンは全てが女性のために作られた軽自動車だ!

スズキ アルトラパン

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女性ユーザー向け軽自動車として人気の高いアルトラパン。2002年から販売を開始しているラパンは「可愛い」軽自動車の代名詞として認知が広く、全体のデザインはもちろんのこと、細かなポイントも女性向けに可愛く作られています。今回はそんなラパンの歴代モデルの進化や、中古車事情までご紹介していきます。

文・西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
概要
歴史
インテリア
アルトと比較
中古車動向
アルトラパンはユーザーの在り方を確立したモデル

概要

2002年にデビューしたアルトラパンは名前にある通り、スズキを代表する歴史のある軽自動車アルトをベースに開発されていますが、そのコンセプトは別物であり、マーケティング上でも別車種として取り扱われています。歴代のアルトラパンの特徴として挙げられるのが、生活感のあるような雑貨的デザインとそのシルエット。

初代発表時に「内外装ともに生活感のある親しみやすいデザインを採用」とアナウンスされました。立てられたフロントウィンドウのおかげで全高が低いながらも、広い室内空間を実現しています。そこから生まれるシルエットは箱型ながら、各所が丸みを帯びたエクステリアとなっていて、内装も親しみのあるカラーコーディネートとなっています。

この特徴は歴代モデルで共通しています。そして車名の「ラパン」の由来ともなっているウサギが各所にアクセントとして散りばめられている点です。このような今までになかった自動車としての特徴が、可愛さを求めた女性ユーザーにヒット。

その影響か、アルトラパンはユーザーの6割が20~30代の「女子」が占めていると言われているほどで、女子力の溢れたモデルなのです。

歴史

2002年に初代モデルがデビュー。当時、軽自動車としては多い12色のボディーカラーをラインアップしていました。

また装備面も充実しており、ツイーター2個を配置した専用チューニングの高音質6スピーカーシステムを採用したグレードを用意するほか、タバコなどの臭いを吸着して車内の空気をクリーンにするスズキ独自の「カテキン・エアフィルター」を採用。当時の軽自動車としては、豪華な装備となっています。

2003年9月に一部改良を受け、かわいいイメージのラパンにスポーツグレード「SS」が追加されます。見てくれだけのグレードではなく、ターボエンジンにアルトラパンとしては初の5MTを組み合わせ、ローダウンしたサスペンションと専用アルミホイールを採用し、タイヤサイズもアップしました。

その後4度の改良を受け、2008年11月に2代目へとバトンタッチします。
2代目モデルは基本的なコンセプトはそのままに、環境性能を大幅に進化させた形となりました。スポーツグレード「SS」は廃止され、4速コラムATと共にCVTも選択可能となり、上級グレードはターボエンジンを搭載。燃費は大幅に向上し、ターボグレードで23.0km/L。NAグレードで24.5km/Lとなりました。

また、新プラットホーム&サスペンションの採用、ボディ剛性の向上なども図られており、自動車としての性能も正常進化しています。その後2010年8月の改良で、ATは無くなり全車CVTとなりました。2013年にはより女性ユーザーをターゲットとしたアルトラパンショコラが追加され、2015年6月に3代目モデルへとバトンタッチを行います。
3代目モデルは開発段階からより女性ユーザーをターゲットとした方向性となりました。企画・マーケティング・開発それぞれの段階でアルトラパンのために構成された女性ワーキンググループが携わりました。3代目にして「女性向けパーソナル軽自動車」というジャンルを確立した、とも言えるかもしれません。

なお、先代モデルで誕生した「ショコラ」は実質アルトラパンへの統合という形で廃止されました。3代目へのフルモデルチェンジの大きな特徴は120キロという大幅な軽量化と、35.6km/Lというクラストップレベルの低燃費の実現。そして何より先進安全装備の充実です。

2019年6月の改良ではさらに安全装備が強化され、車両や歩行者を検知する衝突被害軽減ブレーキや、後退時の衝突被害軽減ブレーキなどが全車に標準装備され、「サポカーSワイド」に対応となりました。

インテリア

「自動車のインテリア」と聞いて多くの人が思い浮かべるのがブラックを基調としたものでしょうが、アルトラパンは違います。アイボリーやブラウン、キャメルやアプリコットなどといったインテリアカラーが採用されており、「自動車のインテリア」というよりは家具を自動車のインテリアに仕立てたという印象を歴代のどのモデルでも受けます。

そして、インテリアカラーが考えられているのは、インパネやシート周りだけではありません。メーターも他車からの流用ではなく、ホワイトを基調としたオリジナルのメーターとなっている。また現行モデルの天井はキルト加工されていたりと、コーディネートを細部までこだわっているのがラパンの特徴です。

特に遊び心が際立っているのが、メーター内にあるマルチインフォメーションディスプレイ。エンジンをスタートするとウサギのキャラクターが登場し、音声と共に可愛らしいアニメーションで車両情報を教えてくれます。さらに正月やユーザーの誕生日などは、その日にちなんだアニメーションと音声が再生されます。

アルトと比較

ベースのアルトと比較すると、どのような点が違う?というポイントですが、アルトはあくまでもベース車であって、アルトラパンはコンセプトからして異なります

エクステリア&インテリアデザインが大きく異なる点がそれを最も体現していますが、ベースとなったアルトは商用として購入するユーザーが多いのに対して、アルトラパンは個人ユーザーが購入することが多いです。そのためアルトに比べて各種快適装備や安全装備が標準で装備されていることが多いのがアルトとの違いで挙げられます。

中古車動向

市場に出回っているアルトラパンは1,600台以上(2020年3月現在)と多く、それだけに年式も走行距離も様々。一概に「アルトラパンの中古車はこう!」と言い切れないのが実情です。ただボリュームゾーンとしては2018~2019年の登録車でしょう。ディーラーの試乗車や展示車落ちが多いのかと推測されます。

元々の新車価格が比較的リーズナブルながらも、安全装備が標準装備となっている現行ラパン。手っ取り早く安心に使える軽自動車が欲しいならば、高年式の中古車を狙うのがお買い得。と言えるのが、アルトラパンの中古車事情です。逆に低年式のモデルを狙うのは余程のこだわりがなければ、あまりお買い得感があるとは言えないでしょう。

アルトラパンはユーザーの在り方を確立したモデル

当初は男性向けのスポーツグレードなどもラインアップしていたアルトラパンでしたが、マイナーチェンジやモデルチェンジをしていく度により女性ユーザー向けへと進化を遂げてきました。これは実際に購入するユーザーの声がクルマ作りに反映された例といえるでしょう。

近年はカーシェアなどがカーライフの新たなスタイルとして定着しつつありますが、アルトラパンは「自動車がパーソナルな工業製品である」ということを体現した進化の一つの形とも言えるでしょう。今後のアルトラパンは、どのような進化をしていくのでしょうか?
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