MINIの走りはまるでゴーカート?! クラブマン史上最強スペック!MINI JCW CLUBMANを試乗レビュー【プロ徹底解説】

MINI ジョンクーパーワークス クラブマン 萩原文博

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2019年10月、新型となって登場したMINICLUBMAN(クラブマン)。CLUBMAN(クラブマン)は、ファミリーのイメージを残しつつ、よりワイドに、よりブリティッシュになりました。

今回は、外装、内装、安全装備、グレード別の違い、人気カラー、座席や荷室(ラゲージスペース)、オプション装備にライバル比較など、あらゆる視点からMINICLUBMAN(クラブマン)をひも解いていきます。

文・鈴木 ケンイチ/写真・萩原 文博

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
MINIの独特の世界観はやっぱり魅力的!
MINIシリーズに通じて存在する"ゴーカート・フィーリング"
MINI JCW クラブマンはスポーツカーフィーリングを楽しみながら普段使いもこなせる優れモノ
動画もどうぞ!!クラブマン史上最強スペック!MINI JCW CLUBMANを徹底チェック!

MINIの独特の世界観はやっぱり魅力的!

試乗したMINIクラブマンはMINI JCWクラブマンでした。MINIファミリーの中でトップパフォーマンスを誇るJohn Cooper Worksシリーズの1台です。最高出力306馬力・最大トルク450Nmの2リッター直列4気筒MINIツインパワー・ターボ・エンジンを搭載し、これに8速ATと四輪駆動システムのALL4を組み合わせます。

サスペンションは車高を10mm落としたスポーツサスペンション、ブレーキは4ポットのキャリパーを採用するなど、強烈なパワートレインに見合うように、足回りも十分に強化されています。

また、見た目もスポーティな特別仕様。フロントバンパーにはスポイラーと大きなエア・インテークがあり、クルマの後ろ側にはリアスポイラーと大きなツイン・テールパイプを見ることができます。
正直、MINI JCWクラブマンは、相当に派手なクルマです。しかし、ドライバーズ・シートに納まったときの印象は、その他のMINIクラブマンと、それほどの差はありません。JCWの派手な演出は有りますが、そのベースとなるMINIの世界観の印象のほうがより強く感じられるのです。

ブラックを基調とした室内は、丸をモチーフにしたネオモダンと呼べるテイストで統一されています。クラシックMINIの世界観を、最新技術で再構築したといった風。実際に使われるテクノロジーは、先進運転支援システムやコネクテッド技術なのですが、その表現が古き良きクラシックミニを彷彿とさせるものとなっているのです。

象徴的な存在は、赤く塗られたイグニッション用のトグルスイッチでしょう。1959年から続くMINIの歴史を感じさせる優れたアイテムです。

最新モデルに乗っても、約60年にも及ぶ歴史を感じることのできる空間。まさにMINIの世界観を味わえること。それがMINIファミリーを選ぶ最大の理由になるのではないでしょうか。

MINIシリーズに通じて存在する"ゴーカート・フィーリング"

MINIファミリーの走り味には統一感があります。それが“ゴーカート・フィーリング”です。ゴーカートと呼ぶと遊園地の遊具のようですが、カートは世界選手権も存在する、本物のレーシングマシンです。

フレームにシートとエンジン、4輪をつけただけのプリミティブな乗り物であり、その動きはクイックそのもの。サスペンションもなにもありませんから、ハンドルをわずかに動かせば、ダイレクトにマシンが動きます。そして、そうしたカートのようなダイレクトさが、クラシックMINIの乗り味だったのです。
そうした走り味の理由はクラシックMINIの特殊なサスペンションにあります。クラシックMINIは、クルマを小さくすることが優先され、サスペンションに金属のバネではなく、ゴム製のスプリングが使われていたのです。

そして、あまり上下にタイヤが動かないという特徴がありました。その結果として“ゴーカート”のようなダイレクト感を得ることができたのです。

そうしたゴーカート・フィーリングはMINIクラブマンにも存在します。とはいえ3ドアのMINIと比べれば、ホイールベースが長いだけマイルド。しかし、個人的には“ゴーカート・フィーリング”があまりに強いと、“せわしなく”“落ち着きなく”という思いが先に立ちます。

つまり、個人的には、“ゴーカート・フィーリング”は、ほどほどが好みということ。そういう意味では、MINIクラブマンは、ステアリング操作に対して、最初の微小舵での反応が良いものの、その後の動きに落ち着きがあるため、個人的な好みに合致するものとなっていました。

MINI JCW クラブマンはスポーツカーフィーリングを楽しみながら普段使いもこなせる優れモノ

MINIクラブマンは、MINIファミリーの中では、割合に鷹揚で落ち着きある動きがすると言いましたが、JCWバージョンは、やはりひと味違います。

車両重量1600kg に対して、306馬力・450Nmもあります。ちょっとしたスポーツカー以上のスペックです。ですから、動力性能は十分どころではなく、有り余るほど。しかも4WDシステムがあるので、“怖くてアクセルを踏めない”ということはなく、306馬力を思う存分に使うことができます。

十分なパワーがあって、しかも安定感もあるから、特に高速道路では気持ちよく走ることができます。
また、JCWバージョンということで足回りは固められていましたが、そのチューニングは、あまり過激なものではなく、日常ユースに悪影響を与えるほどではないのも好印象でした。これなら、普段使いも可能だなと思う程度です。
つまり、MINI JCWクラブマンは、広い室内と荷室というMINIクラブマンの特徴に、JCWの強烈な走りをプラスしたもの。それでいて、日常使いも辛くないというクルマ。人も荷物も載せつつ、しかも速い。そしてMINIという独特の世界観が備わっている。

ファッション・アイコン的な要素も強く、ただのクルマではなく“MINIに乗っている”と、他の人から意識されることもあるでしょう。おしゃれで便利で、しかも速い。なんとも万能なクルマ。それがMINI JCWクラブマンでした。

動画もどうぞ!!クラブマン史上最強スペック!MINI JCW CLUBMANを徹底チェック!

2013年に第三世代となったミニ・クラブマン。その中でも歴代最強とされる、ジョンクーパーワークスが登場し、直列4気筒、2リッターエンジンで、最高出力306PS、最大トルク450Nmというスペックを誇るエンジンを搭載しています。

このエンジンは、先日紹介したBMW M135i xDriveと同スペックになります。さらに、プラットフォームもBMW1シリーズと同じであるこのクラブマンは、果たしてどんな走りを見せるのか?また違いは?河西啓介が迫ります。

BMW M135i xDriveの解説動画はこちら

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