踏み間違え事故はなぜ起きるのか?

自損事故 事故 アテンザ ガードレール

※この記事には広告が含まれます

ニュースで連日のように報道されているペダルの踏み間違い事故。どうして、このような事故が発生するのでしょうか。今回はその事故の発生件数や事故の起きやすい状況。さらに、後付けで装着できる踏み間違い防止グッズまで紹介します。

文・萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
事故統計
対応策のグッズ
補助金

事故統計

最近は高級車だけでなく、軽自動車にもペダルの踏み間違いによる急加速防止機能が普及していますが、それでもペダルの踏み間違いが原因の交通事故が毎日のように発生しています。ここでは、どうしてペダルの踏み間違い事故が発生するのかを考えてみたいと思います。
 
公益財団法人交通事故総合分析センター(通称ITARDA)のリポートによると、65歳以上の高齢ドライバーが増加するに連れて、交通事故件数も増加傾向となっています。その中でも、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いによる事故が占める年齢別の割合を見てみると、特に75歳以上の高齢ドライバーで割合が増えています。

この傾向は10年前から変わっておらず、加齢による運転能力の低下が原因。高齢ドライバーに特徴的な事故形態の一つとなっています。高齢者によるペダルの踏み間違い事故はどういった場所で発生しているのかを見てみると、ほかの年齢層と比べて駐車場などの場所が最も増加率が大きくなっています。

どうして、駐車場で発生しやすいのか?それは、前向き駐車をしているにも関わらずドライブに入れてしまうため。また駐車場から出る時に焦ってアクセルペダルを強く踏んでしまう、駐車するためにハンドルの切り返しを何度も行う、後退するときに体を後方にひねるなど「推測される踏み間違い要因」と「高齢化による影響」が複合的に重なりあうことにより、誤操作に繋がる可能性が高いと考えられます。

ハンドル操作とアクセル・ブレーキのペダル操作、そして確認という動作を連続して行う時に操作ミスが起きやすいと言えるでしょう。

対応策のグッズ

ペダルの踏み間違い防止グッズとしては、誤操作による急な飛び出しを防いでくれる運転支援機能の一つでもある「誤発進抑制機能」が挙げられます。最近では前進だけでなく、後退時にもペダルの踏み間違いによる急発進を抑制してくれるようになっています。

トヨタ自動車は踏み間違い防止機能が装着されていない年式のクルマに対して、前後2つずつ、計4つの超音波センサーを装着することにより、前方と後方約3m以内にある壁などの障害物を検知し、ペダル操作を間違えると加速を制御してくれる後付けのパーツを5万6100円(税込)で販売しています。

また、熊本県にあるナルセ機材有限会社では、アクセルとブレーキを一体化させる「ナルセワンペダル」を、ペダルの踏み間違い事故が注目される前から販売しています。

そのほかにも、自動車のパーツを販売している量販店には後付けできるペダル踏み間違い防止の製品がありますが、そういった機能が採用されているクルマを選ぶことが一番の対策と言えるでしょう。

補助金

ペダルの踏み間違いによる事故を減らすために、東京都は先ほど紹介した後付けの防止装置を装着する際の費用を9割補助するなど、自治体それぞれでサポートが始まりました。

また、2019年12月13日に閣議決定された補正予算案に、65歳以上の高齢ドライバーによる衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進等抑制装置が搭載された安全運転サポート車の購入などを補助する「サポカー補助金」が盛り込まれています。ぜひ、高齢者でも安心・安全なクルマが増えてほしいものです。
ペダルの踏み間違い事故を起こした高齢ドライバーの乗っていたクルマは、踏み間違い抑制機能の装着されていない年式の古いクルマのケースが多いです。

高齢者にとって新しいクルマの購入は経済的負担が大きいですが、痛ましい事故は減少する可能性が高くなるかもしれません。

※ 2020年2月時点
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細