新型カローラ/カローラツーリング試乗~売りはディスプレイオーディオを駆使したコネクティッドサービス~【新型車インプレ・レビュー】

2019 カローラ

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今年9月に登場した新型カローラ/カローラツーリング。昨年登場したカローラスポーツと同じコンセプトのフロントフェイスをまとい、これまでのカローラとは一線を画すデザインを得て登場しました。

トヨタとしては、このモデルで顧客の大幅な若返りを狙っているようですが、少なくともエクステリアデザインは達成できているように感じます。今回、新型カローラとカローラツーリングを比較しながら、4記事にわたってご紹介していきます。

文・吉川 賢一/写真・鈴木 祐子

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
Chapter
これまでのカローラ/カローラツーリングからどこが進化した?
ディスプレイオーディオは相当役立つ!
カローラセダンの主要諸元とポイントは?
カローラツーリングの主要諸元とポイントは?

これまでのカローラ/カローラツーリングからどこが進化した?

これまでのカローラが、頑なに守ってきた全幅1,695mmの5ナンバーサイズですが、遂に今回3ナンバー枠となる全幅1,745mmを超えてきました。

トヨタの開発担当者によると、「高まる安全性能への対応とデザイン性を考慮し、全幅の拡幅を決めました。多くのお客様に購入いただいた先代Z30プリウスが1,745mmであったため、その幅まではいいだろう、と決めました。」とのこと。

現行型のプリウスは全幅1,760mmとさらに拡大しており、カローラの顧客にはギリギリ許容してもらえる幅である、という考えのようです。

5ナンバー枠のセダンでないとカローラではない。5ナンバー枠内で作ってこそ技術力がある」という声に対しては、筆者は否定的にみており、運転にほぼ影響のない、最小限の拡幅で済ませたカローラは好印象です。

ちなみに、2018年に中国で発表されたグローバル市場向けカローラは、車幅1,780mm・ホイールベース2,700mmと、大きなボディーで登場していました。

トヨタは、国内市場向けのために、カローラ/カローラツーリングの車幅を1,745mmに狭めて登場させているという背景があります。

※ カローラスポーツは国内外試乗向け共に全幅1,790mm

ディスプレイオーディオは相当役立つ!

注目のポイントが、全車に標準装備されたディスプレイオーディオ。いわゆるApple CarPlayやAndroid Auto、そしてLINEカーナビのSmartDevice Linkに対応しており、クルマとつなぐだけで、ハンズフリー通話や音楽再生、ナビゲーションを、ディスプレイオーディオ上で使うことができます。

また、電話同様に、スマホの音声認識機能を使って、送りたい相手を選び、メッセージを打ち込むこともできます。

スマホのナビアプリを使ったことがある方は、その高性能ぶりをご存じだと思いますが、ナビのイラストの画質や地図精度も文句なく、安いカーナビをはるかに凌駕したクオリティーを持っています。

従来、車載ナビを選ばないと、インパネにぽっかりと穴が開いたり、アラウンドビューモニター等が表示できなかったりと、不便に感じることが多々あり、泣く泣く20万~30万円もするメーカー純正ナビを導入する方も少なくないはず。

ディスプレイのみが標準提供され、スマホアプリ経由で常に最新マップが無償提供され、スマホの通信費のみで対応できるのは、どなたも待ち望んでいたことではないでしょうか。ぜひ他メーカーのクルマにも導入をしてほしい装備です。

カローラセダンの主要諸元とポイントは?

■ 主要諸元
車両寸法:4,495×1,745×1,435(全長×全幅×全高[mm])
ホイールベース:2,640mm
車両重量:1,300kg
エンジン:1.797cc直列4気筒ガソリンエンジン(140ps/6200rpm・17.3kgf/3900rpm)
WLTCモード燃費:14.6km/L

205/55R16のタイヤを装着したベーシックグレードの「S」は、車両価格213万9500円と、昨今の高額化しているクルマの中では、比較的リーズナブルな価格です。

もちろん、先ほどのディスプレイオーディオは標準装備されており、リアサスペンションも廉価なビーム式ではなく、ダブルウィッシュボーン形式が採用されており、走りや乗り心地にも妥協がありません。

TNGAによる高い車体の一体感や、ソフトでグリップ感も高いタイヤ、優れた音振性能など、動性能とコスパに優れたクルマです。

※ カローラの乗り味に関しては、今後のレポートでご紹介しています。

カローラツーリングの主要諸元とポイントは?

■ 主要諸元
車両寸法:4,495×1,745×1,460(全長×全幅×全高[mm])
ホイールベース:2,640mm
車両重量:1,390kg
エンジン:1.797cc直列4気筒(98ps/5200rpm・14.5kgf/3600rpm)+モーター(72ps・16.6kgf)
WLTCモード燃費:25.6km/L

215/45R17のタイヤを装着した、上級グレードの「W×B」の車両価格は279万9500円。驚異的な良燃費で、たくさん荷物を載せて快適に移動することに適したクルマです。

ただしこのハイブリッドシステム、再始動時や発電時に聞こえる「ゴー」という音が、質感を損ねています。また、17インチタイヤが荒れた路面でバタつきを感じられ、衝撃吸収には課題がある印象を受けます。

※カローラツーリングの乗り味に関しても、今後のレポートでご紹介しています。
新鮮なボディスタイル、そしてディスプレイオーディオなど、新型カローラ/カローラツーリングはユーザー層を若返らせたいという目的に合致したクルマとなっている、と言えそうです。

また、クルマの中身も、TNGAによる高品質なつくりにより、VW ゴルフのような欧州車と戦えるだけのポテンシャルを手に入れています。次回から、内外装デザインやシート、荷室の使い勝手、そして走りについてレポートしていきます。

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