ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン/ジープ レネゲード その2つのSUVの走破性を悪路を使って徹底試乗!

ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン 宮越孝政

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ジープ ラングラー アンリミテッド ルビコン/ジープ レネゲード その2つのSUVの走破性を悪路を使って徹底試乗!
ジープ オールトレイルロード試乗会と題したジープの試乗会が、本格オフロードコースとして知られる富士ヶ峰オフロードで開催されました。ジープのフラッグシップであるラングラー・アンリミテッド・ルビコンのほか、グランドチェロキー、チェロキー、レネゲードを一堂に揃えた、いわばオールラインナップ試乗会です。今回試乗したのは、JEEPのフラッグシップであるラングラー・アンリミテッド・ルビコンと、フィアット500Xとプラットフォームを共有するレネゲード。トップエンドとベーシックモデルの2台。ルビコンは、今年4月に日本に導入されたラングラーのシリーズでもひときわオフロード性能の高いモデル。一方レネゲードは、新たに導入した、オフロード性能を高めたTrailhawk(トレイルホーク)というグレード。いったいジープはどんな走りを見せてくれるのでしょうか。

文・斎藤聡/写真・宮越孝政

斎藤 聡|さいとう さとし

モータージャーナリスト。車両のインプレッションはもちろん、タイヤやサスペンションについて造詣が深く、業界内でも頼りにされている存在。多数の自動車雑誌やWEBマガジンで活躍中。某メーカーのドライビングインストラクターを務めるなど、わかりやすい解説も人気のヒミツ。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カーオブザイヤー選考委員。

斎藤 聡
Chapter
ラングラージープは電子制御によって 4×4性能をさらに深化
オフロードコースをまるでトラッキングするかのように走る驚異の走破性
予想の斜め上を行くレネゲードの ちょっとビックリな走破性

ラングラージープは電子制御によって 4×4性能をさらに深化

まず試乗したのはジープのフラッグシップモデルのルビコン。名前の由来は「ルビコントレイル」に由来しているのだそうです。JEEPの資料によると、ルビコントレイルというのは、北米ネバダ州からシエラネバダ山脈を越えてカリフォルニア州へと続く全長22マイルの道で道は花崗岩でできていて、険しく、最も過酷な自然のオフロードアドベンチャーパークなのだそうです。オンロードのクルマになぞらえれば、さしずめニュルブルクリンク北コースってところでしょうか。
そんな激しく険しい道が名前になっているわけですが、性能もその名前に恥じない超ハイパフォーマンスなものになっています。搭載するエンジンは3.6LのV型6気筒DOHCで、最高出力284馬力、最大トルク347Nmを発揮します。
駆動方式は“ロックトラックフルタイム4WDシステム”と名付けられており、マニュアル操作で「2H」、「4H(Hi)」、「4H(Low)」が選べるパートタイム4WDに加えて、電子制御で前後輪の駆動力を配分するフルタイム4×4の「4H AUTO」を選ぶことができるセレクトラック4WDシステム(ほかのラングラーシリーズに搭載)をベースに、4Lのギヤ比を4:1(他は2・72:1)にし、また前後のデフロックをおこなうトゥルロックを装備。スイッチ一つで、後、前後デフを任意にロックすることができます。
さらに電子制御フロントスゥェイバー(=スタビライザー)ディスコネクティングシステムを搭載。切り離すことで、スタビライザーの影響を受けずに前左右輪が別々にストロークできます。

オフロードコースをまるでトラッキングするかのように走る驚異の走破性

さて、いまや希少種(?)となった4×4。そのもっともヘビーデューティなモデルがルビコンというわけです。インパネ回りは機能重視の昔ながらのデザインですが、大幅に洗練されていて、スイッチ類はパネルの質感が高く、これなら十分普段の使用にも耐えられるな、と思えます。
乗り心地は意外に良好です。試乗コースまで走らせた一般道では、案外引き締まった操縦感覚があります。電子制御でスタビライザーの断続ができるため、オンロードではスタビライザーを効かせたちょっと引き締まった操縦感覚があり、緩さ、あいまいさをほとんど意識せずに走ることができます。乗り心地も優秀で、ゴツゴツした硬質さが不思議なくらいなく、思いのほかマイルドです。

車重が2tを超えていますから、このあたりも乗り心地には影響しているのでしょう。
まずはオーバースペックとわかりつつトランスファを4Lに入れ、前後デフロックをON、さらにスゥェイバー切り離します。そしてオフロードセクションへ。岩がゴツゴツしいて、歩いて登れないような急坂を、まるでトレッキングしているかのように軽々と(そしてゆっくりと)登っていきます。ここからはスゥェイバーは切り離したまま、デフロックを外していきます。

まずはフロントデフロックを解除。多少フロントタイヤが路面を書いて空転する感覚はありますが、片輪が縮み、もう一方が伸びるといった路面でも、タイヤがしっかりと路面をとらえているため、しっかりと路面にパワーが伝わってくれます。
リヤのデフロックを解除してみても、結果的にはあまり変わりませんでした。ただ、アクセルを少し余計に踏み込んでみると後輪の空転が明らかに多くなるので、リヤのデフロックは案外仕事をしているのがわかりました。
ルビコンでオフロードコースに入ると、ただただ万能感に満たされます。環境に配慮することはもちろんマストなのでしょうが、これだけ木や岩や土と近いところをクルマで走ることができると、自然との距離がぐっと縮まったように感じられます。山の匂いが身近にある感覚は、4×4独特の感覚だと感じました。
最後にスゥェイバーをつなげてみると、フロントのサスペンションストローク量が少なくなった分明らかにトラクション性能が落ちているのがわかります。タイヤも空転しがちです。ただ、この時アクセルを一定に踏み込みタイヤを少し空転させてやると、ESC(横滑り防止装置)のブレーキ制御が働いてタイヤの空転を止め、トラクション性能を高めてくれます。

予想の斜め上を行くレネゲードの ちょっとビックリな走破性

ルビコンの圧倒的な走破性にはただただ感心するばかりでしたが、まったく期待せずに乗ったレネゲードの走破性の高さも、驚かされました。ものすごく良く走るんです。フィアット500Xとコンポーネンツを共有するレネゲードですから、ライトSUVの仲間かなくらいの認識だったのですが、認識を新たにすることになりました。
試乗したレネゲードのトレイルホークは、ほかのグレードとは異なりオフロード性能を高めたモデルです。駆動方式はオンデマンド式4WDです。そして車高が170mm→210mmへと高くなり、エンジンも1.3Lで最高出力は151ps→179psへとパワーアップしています。組み合わされるトランスミッションは9速AT。興味深いのは、9速のうち1速をスーパーローギヤードに設定しており、4WD Loモードをセレクトして初めて1速に入ります。
スーパーローの1速と最低地上高210mmによってオフロードコースも軽々と登っていきます。当然サスペンションストロークは長くありませんが、ここはESC(横滑り防止装置)のシステムを使ったブレーキ制御によって空転する車輪にブレーキをかけることで空転を停めトラクションを発生させることができます。
車速も5km/h以下の速域で力強く走ることができるので、感覚的にはトランスファーのLoレンジに入れたかのような感覚。期待値をはるかに上回るオフロード性能を見せてくれました。

レネゲード・トライルホークは、トレイルレイテッドのバッジを取得しています。このバッジは、ロック、渡河、ダートなど独自の過酷なテストをクリアして、ジープの中でも特に優れた4×4性能を持つモデルにのみ与えられるバッジなんだそうです。
その性能は伊達じゃないってことですね。レネゲード、ちょっとショッキングなくらいオフロード性能が高かったです。

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