大人気のSUV、こんなメリットやあんなデメリットとは?

SUV

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もはや車のカテゴリーとしてはスタンダードになったSUV。その人気は留まることがありませんが、購入を決断する前に知っておきたいことがいくつかあります。今回はSUVのメリットとデメリットについてお話します。

文・山崎友貴
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メリットが多いからSUVは人気がある!
万人のライフスタイルに合うとは限らない

メリットが多いからSUVは人気がある!

スポーツ・ユーティリティ・ビークル、いわゆるSUVは、元々はピックアップトラックをベースにして造られた車でした。道を選ばず、様々なレジャーをこなすための室内空間を備えた車、という定義でしたが、現在では車高が高く、タイヤ径の大きな車というスタイリング上の認識がオーソドックスとなっています。

SUVの特徴は、ワゴンの上を行くスペースユーティリティと、悪路もこなす十分なロードクリアランスが挙げられます。室内はミニバンまでとはいきませんが、最大室内長で2m以上のサイズを確保しているモデルがほとんどです。特に後部座席の居住性が良く、北米ではそれが理由でSUVを選ぶ人が多いほどです。

モデルによっては3列シートを備えており、7人乗車が可能です。またシートを畳むことで荷室の容量を変化させることができ、釣り竿やスキーといった長尺物をラクに積むことができるのもメリットです。

大抵のモデルにはFFと4WDの駆動方式が用意されており、4WDを選べば深い雪道やオフロードを走ることが可能です。FFでも、ロードクリアランスは4WDとほぼ変わらないので、フラットな砂利道くらいであれば走ることができます。タイヤ径が大きいのも、こうした悪路の走行では有利です。

SUVオーナーがメリットを挙げる中でよく言うのは、ドライビングポジションと前方視界の良さです。セダンなど車高の低い乗用車に比べると、シートの座面が高いため、椅子に座った時のような自然な姿勢が取れます。これに併せて目線が高くなるため、遠くまで見通すことができ、危険察知が早くなるというメリットもあります。車高が高くなった分だけ、車体周囲の死角が多くなりますが、補助ミラーや補助カメラによって解消することができます。

安全性という点でも、アドバンテージがあると言えます。ボディサイズに余裕があるSUVは、安全面で有利なボディを設計することができます。大きな事故の映像などを観ても、大抵のSUVはしっかりとライフスペースが残っていることがほとんどです。

また悪路走行や長い使用年数を想定している車種が多いため、耐久性が高いのもメリットと言えるのではないでしょうか。特にランドクルーザーやジープなどオフロードタイプのSUVは、ラダーフレームという頑丈な鋼鉄製の基本骨格を持っており、何十年も現役で活躍している車が多いのです。

耐用年数が長いこともあって、リセールバリューが高いのもSUVの魅力です。普通の乗用車であれば、5年も経つと価値が激減しますが、SUVはそこそこのコンディションの車両でも、あまり値落ちしません。これは中古SUVが国内の流通のみならず、海外への輸出がされるからです。

万人のライフスタイルに合うとは限らない

魅力いっぱいのSUVですが、残念ながらいい点ばかりではありません。まずは、燃費。昨今ではHV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)のSUVもありますが、多くのSUVは2.5ℓ以上の大排気量エンジンを搭載しています。さらに車両重量が普通の乗用車に比べると重く、それも燃費悪化の原因に。4WDを選ぶと、それも低燃費の要因になります。もちろんモデルや走行条件によっても異なりますが、15km/ℓ以上走るSUVは希と考えた方が無難です。ただし、燃費はエンジンオイルの粘度や運転の仕方によって改善することもあります。

乗降性が得てして悪いのも、SUVの特徴です。中には自然な姿勢で乗降できるモデルもありますが、多くのSUVはヨッコラショと登るように乗り込み、降りる時も一段下がるようなフィーリングのものが多いのは事実です。特に大型SUVは、お年寄りや子どもが乗り降りするのは一苦労です。サイドステップとは別に、踏み台を用意しなければなりません。

ボディサイズが大きいため、立体駐車場や屋根付きの駐車場に入らない場合があるのも痛いところです。最近はSUVやミニバンが入れる立体駐車場もありますが、まだ多いとは言えません。自宅に駐車する場合も、半地下や屋根付きといった場合は、試乗車で試してみたら入らなかった…という話をよく聞きます。

車種によってはボディサイズが大きく、取り回しが悪いのも覚悟が必要です。日本の都市部では狭い道が多いため、歩行者などが多い道で非常に気を遣います。

そして、もっともダメージの大きなデメリットは価格です。まず、SUVは車両価格が高いという傾向にあります。部材や安全装備などのコストを考えると仕方がないのですが、SUVの多くは300万円オーバーが当たり前です。ただし、メリットで述べたようにリセールバリューがいいので、多少は相殺されるかもしれません。

維持費が高いのも痛いところです。前述の通り、SUVは大排気量エンジンを積んでいることが多いため、自動車税がどうしても高くなってしまいます。また重量税も同じです。基本的な整備費用は、普通の乗用車とそれほど変わりませんが、メンテナンス箇所が多く、長年乗った場合は交換部品も多く出てきます。

SUVはちょっとドライブに行くというだけでも、冒険感を与えてくれます。SUVの様々な側面を知って乗れば、より一層の満足感や楽しさを与えてくれる車なのです。
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