トヨタ RAV4を国内初試乗!ひとまわり大きくなって日本復活…どんな車になった?

トヨタ 新型 RAV4 宮越孝政

※この記事には広告が含まれます

1994年に初代モデルが発売され、「気軽に付き合えるコンパクトRV」として瞬く間に大ヒットしたRAV4が、満を持して日本市場に復活!国内初試乗しました!

文・工藤貴宏/写真・宮越孝政
Chapter
では、どうして日本での販売をお休みしていたのか?
それでは早速、新型RAV4をチェックしてみましょう。
ハイブリッドも新登場した、新型 RAV4
豊富なグレードラインナップ
TRD、モデリスタからも豊富なパーツラインナップが登場
大人気すぎて一時受注停止!トヨタ RAV4 PHVを徹底解説!
そういえばRAV4って最近聞かないよね……。そう思った人も少なくないかもしれません。実はここ3年ほど、RAV4は日本では販売されていなかったのでした(3代目の販売終了とともに日本販売を中断)。いっぽう海外向けは4代目に続き、5代目へモデルチェンジ。今回、待望の日本復活を果たしたRAV4は、1世代スキップした5代目モデルです。

では、どうして日本での販売をお休みしていたのか?


と、開発関係者に尋ねたところ、「モデルチェンジのたびに車体が大きくなり、(海外市場にあわせたクルマ作りに移行したことで)日本のニーズとズレが生じてきた。そこで国内販売はいったんお休みにした。しかし、日本でもSUV人気が高まり、RAV4のクラスでも販売台数が増えているので復活したのです」と説明してくださいました。

ところで、自動車大国の北米において2018年に最も売れた乗用車はどんなクルマかご存じでしょうか。そう、実はSUVなのです。それも、何を隠そうRAV4。2016年のランキングではカローラやカムリの下のポジションだったRAV4ですが、SUVシフトの追い風を受けて2017年にはトップへ浮上。続いて2018年もその座をキープしましたが、2018年と言えば販売された車両のほとんどはモデル末期の旧型(4代目)。それでもトップに輝いたことからも、いかに北米で人気のある車種かが読み取れます。もちろん、新型も販売は絶好調なのです。

それでは早速、新型RAV4をチェックしてみましょう。

写真:Adventure

車体サイズは全長4,600mm×全幅1,855mm(「Adventure」は4,610mm×1,865mm 写真はAdventure)。これは3年前まで日本で発売していたモデルに比べるとひとまわり大きいですが、SUBARUフォレスターやマツダCX-5など直接的なライバルと同等サイズ。今どきのこのセグメントの直球といっていいですね。

使われているプラットフォームは「GA-K」と呼ばれるもので、これはトヨタのFF用としては最大サイズ。日本ではカムリやレクサスESに使われているものです。「大型車用に作られたゆとりのあるプラットフォームなので、補強する必要がないから車体が軽い」と開発者はメリットを説明。このプラットフォームはRAV4で使うことを前提に設計されたので、RAV4に最適化されているところも多いそうです。

写真:Adventure

ハイブリッドも新登場した、新型 RAV4


なにより注目なのは、パワートレイン。ついにRAV4にもハイブリッドが用意されたのです。ハイブリッドシステムは、2.5Lエンジンを組み合わせたTNGA(Toyota New Global Architecture=トヨタの次世代技術の総称)の新世代タイプを採用。

すでにカムリやレクサスESにも搭載されているこのユニットは、燃費の良さはそのままに、従来のトヨタのハイブリッドシステムのウィークポイントと言われた運転感覚(アクセル操作に対する反応にダイレクト感がない)を向上させているのが特徴です。純ガソリンエンジン車(2.0L自然吸気エンジンを搭載)に比べて燃費も加速性能も両立したパワートレインで、トヨタは欧州でも脱ディーゼルでハイブリッド化を進めていて、もうハイブリッド化の流れは誰にも止められないといったところでしょう。

写真:走行イメージ

RAV4はこのハイブリッドにはじめて4WDを設定していますが、リヤは機械的にエンジンとつながっていないのが特徴。モーターだけで後輪駆動力を生み出すその4WDシステム(新型「E-Four」)にも大きな見どころがあります。リヤモーターを大容量化したことで、なんと前後駆動配分は100:0から最大で20:80まで可変するのだとか。

これはE-Fourにとって大きな転換ですね。これまのシステムより後輪の駆動力がずっと大きく、滑りやすい路面での安定性をはじめ、旋回中のハンドリング向上など可能性が飛躍的に高まるのは間違いないでしょう。

写真:走行イメージ

一方ガソリンエンジンは、「2.0Lダイナミックフォースエンジン」と呼ぶタイプで、何を隠そう日本市場向けのトヨタ車では初搭載。組み合わせるCVTも、発進用の1速ギヤを組み合わせた新開発ユニットで、こちらも国内のトヨタ車では初採用です。

いずれも燃費を高めつつ、キビキビした走りでドライバーの爽快感を高めることを大きな目標として開発されたもの。新型CVTの効果は大きく、発進を固定ギヤでおこなうことで走り始めのダイレクト感は大きく高まっているし、さらにはCVTの変速比をより高い速度寄りへ最適化することで高速燃費を伸ばすメリットもありますね。
写真:走行イメージ

ガソリン車も駆動方式はFFと4WDを設定。ビックリなのは組み合わせる4WDシステムが2種類あることで、こんなのは例外中の例外のこと。
ひとつは「ダイナミックトルクコントロール4WD」と呼ぶもので、必要に応じて電子制御で後輪へ最大50%のトルクを振り分けますが、後輪
左右のトルク配分は50:50に固定。いわば一般的な4WDシステムです。

いっぽう上位システムとなる「ダイナミックトルクベクタリング4WD」は、前後トルクを振り分けるのに加え、後輪左右は0:100~100:0と状況に応じて右側のタイヤと左側のタイヤに差をつけるのが注目ポイント(この機構がトルクベクタリングと呼ばれる)。

狙いはハンドリングの向上と悪路走破性の向上とのこと。トルクベクタリング自体は珍しい機構ではないが、これまでは高コストゆえに高額車だけに許された機構であり、この価格帯の車両に搭載されたのはスゴいことです。メカニズムの詳細やインプレッションに関しては、改めて紹介しましょう。

豊富なグレードラインナップ

写真:Adventure
写真:Adventure

グレード構成はガソリン車がベーシックグレードの「X」、電動テールゲートなど上級装備の「G」や「G“Z package”」、そして「Adventure」をラインナップ。FFが選択できるのは「X」だけで、「X」の4WD車と「G」にはダイナミックトルクコントロール4WD、「G“Z package”」と「Adventure」にはダイナミックトルクベクタリング4WDの組み合わせです。

「Adventure」や武骨な専用バンパーや大型ホイールアーチモールなどを採用した、アウトドアテイストを強調したモデル。ギア感を求めるなら、やっぱりこのグレードがイチオシでしょう。(写真はAdventure)

写真:Adventure

ハイブリッド車はベーシック仕様の「HYBRID X」と上級の「HYBRID G」を設定。前者はFFと4WDを選択できるが、後者は4WDだけとなります。

グレードバリエーションを見ると、ガソリン車もハイブリッド車もFFの用意が少ないことに気が付く。これも新型RAV4の特徴といえるでしょうね。

TRD、モデリスタからも豊富なパーツラインナップが登場


また、カスタム好きに朗報!新型RAV4にはディーラーで購入できるカスタマイズパーツがトヨタ直系のブランドである「TRD」と「モデリスタ」から用意されています。TRDは「Adventure」用として武骨さを強調するスタイリングキット「Field Monster」を用意し、さらにはTRDとしては初のルーフラックも用意(「Adventure」以外にも装着可能)。

「Adventure」以外のグレードには、「Street Monster」と呼ぶスポーティなエアロキットを設定。こちらは標準状態からのエアロパーツ装着による下げ幅が最大12cmというTRD史上最大のダウン量が自慢で、ワイド&ローな感覚を強調しています。

一方「モデリスタ」はシャープさを強調するエアロキットのほか、SUVパーツで人気のブランド「JAOS」をコラボしたアクティブな雰囲気のエアロパーツもラインナップ。

道具としての楽しさを感じる新型RAV4だけに、カスタマイズのし甲斐もありそうですね。

大人気すぎて一時受注停止!トヨタ RAV4 PHVを徹底解説!

大人気すぎて一時受注停止!トヨタ RAV4 PHVを徹底解説!

【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細