なぜ輸入車は国産車に比べてステアリング操作が重いのか?

ドイツ車はステアリングが重い傾向にあった?

ポルシェ カイエン 2018年

ひと言で欧州車とまとめてしまいがちだが、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スウェーデン…それぞれお国柄があって、おそらくステアリングやペダルが重い傾向にあるとされているのはドイツ車のことだろう。

たしかにメルセデス・ベンツなどはステアリングもアクセルペダルも重い傾向にあったが、最近のモデルはそれほどでもないと感じる。フォルクスワーゲンとライバルとなる国産車を互いちがいに乗り比べても、それほど大きな違いは感じない。

かつてパワステがなかった時代や、その後の油圧パワステの時代と電動パワステが主流となった現代では操作系の重さに対する考えは違ってきている。たしかに油圧パワステの時代までは高速安定性を求めようとするとアシストを抑えめにして、ステアリングがどっしりと落ち着いたフィーリングに仕上げたほうが、高速巡行しやすいという傾向にはあった。

しかし、電動パワステでは速度や舵角に応じた味つけの自由度が高く、低速域では軽々と操作でき、高速域ではドシッとした感触に仕上げることも簡単にできるようになった。

また、かつては太いタイヤを履いていると、パワステを装備していてもステアリングが重くなる傾向にあったが、アシスト力の強い電動パワステが増えてきた昨今ではタイヤの影響で重さが変わるということも減ってきた。

ペダル類にしても、アクセルはバイワイヤ化といってエンジンパーツと直接つながっているのではなく、ペダルは単なる入力装置になっている。ブレーキもバイワイヤの方向にある。そして、こうした操作系もかつてよりは軽く感じられるようになっている。

世界のユーザーは操作系が軽いのを望んでいる

VW ザ・ビートル 2016

こうした傾向は、主にグローバル化によるものだと考えられる。たとえば北米市場では操作系の重さについては、どちらかといえば軽いほうが好まれる傾向にある。そのためドイツ車であっても北米をメインターゲットにしたモデル(たとえば、フォルクスワーゲン・ザ・ビートル)では、意外に操作系は軽く扱えるようになっている。

ADAS(先進運転支援システム)やACC(追従クルーズコントロール)の装着車が増えてくると、高速道路ではステアリングには手を添えているだけ、ペダルからは足を離すといった時間が長くなり、高速巡行での安心感を求めて操作系を重くするという必要性もなくなる。

市街地走行をメインに考えると、ステアリングは軽いほうが多くのユーザーに喜ばれるだろう。とくにユニバーサルデザインを考慮すると、高齢者や女性が操作しやすいことが重要で、重い操作系を良しとできる時代は過ぎてしまったともいえる。

メーカーや車種によっても明らかな違いがある

ポルシェ 911 ターボS

さて、こうした話題になるとドイツ車、日本車といった大雑把な分類になりがちだが、日本車の中でも操作系の重さについてはメーカーや車種ごとに違いがある。

主に市街地を走ることをターゲットにした軽自動車などはステアリングの操作感を軽く作り込むことが多い一方で、高速巡行での安定性をアピールしたいスポーツセダンなどのモデルではステアリングを重く感じるようにしていることもある。前者は機能だが、後者は演出的な部分が大きいだろう。

なお、一般論的にいえば、ステアリングが重いほうが微妙な操作はしやすいが、一気にフルロックまで回すようなシチュエーションにおいては当然ながらアシストが大きく、操作感が軽いほうが有利だ。アクセルペダルも同様で、かつてのドイツ車が重めの設定にしていたのは微妙なスロットルコントロールをしやすくするためと言われていた。

現在は、前述したようにバイワイヤ化され、車速などの状況に応じてスロットルを電子制御している。操作感は軽くても微細なコントロールを機械の側が行なっていたりするのだ。

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